[書評]のメルマガ

配信済のメルマガのバックナンバーを見ることができます。また、記事に対するコメントもお待ちしております。
<< [書評]のメルマガ vol.249 | main | [書評]のメルマガ vol.251 >>
[書評]のメルマガ vol.250
■■----------------------------------------------------------------
■■ [書評]のメルマガ     2006.2.15.発行
■■ mailmagazine of book reviews         vol.250
■■                  [この版元がエライ!2006]
■■----------------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------------------
■はじめに
--------------------------------------------------------------------
 毎年年頭に行なっている、アンケート企画「この版元がエライ!」。今回で
5回目となりました。このアンケートでは、2005年に気になる出版物・出版
活動のあった出版社をひとつ選び、それが「エライ!」理由を書いてもらいま
した。
 いつもどおり、こんな本を出してくれた、いまだにツブれない、発想が新し
いなど、「エライ!」基準はさまざまですが、誰に頼まれたワケでもなく、自
分の見方で版元を選んでいるところは共通しています。
 今回の回答者は27人。今回のダブリ(二人以上が同じ版元を挙げる)は筑摩
書房でした。次に発行する「ちくま文庫復刊特集」でも多くのヒトがアンケー
トを寄せてくださっているので、2005年の話題賞は筑摩書房だといえるかもし
れません。
 掲載は到着順です。
 それでは、どんな版元が出てくるか、お楽しみに。
                     (編集・南陀楼綾繁)
--------------------------------------------------------------------

林哲夫(画家、『sumus』編集人)
  http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/5180/
●編集出版組織体・アセテート  http://www.acetate-ed.net/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 長嶋康郎『ニコニコ通信』
2 中谷礼仁・中谷ゼミナール『近世建築論集』
3 『ピラネージ建築論対話』
【エライ理由】 
 とにかく『ニコニコ通信』はケッサクだ。アセテートはまだ船出したばかり
で、建築関係の書籍を中心に、発行点数も少ないが、今後も目の離せない版元
である。
 その他、昨年は愉しい本が多かった。日本古書通信社から出た青木正美『古
書肆・弘文荘訪問記』、彷徨舍が久々に発行した単行本、坪内祐三『極私的東
京名所案内』、同じく彷徨舍つながり(『彷書月刊』連載陣)で洋泉社の浅生
ハルミン『私は猫ストーカー』、PARCO出版の近代ナリコ『インテリア・オブ・
ミー』、そして右文書院の川崎彰彦『ぼくの早稲田時代』などである。
 厳しいときほど良い知恵が出る、窮鼠猫を噛む(?)ということで、今年も
向こう見ずな版元の無謀な試みに期待したい。


塩戸蝶子(しおど・あやこ/代行営業)
  http://blogs.dion.ne.jp/tanca_blog/
●作品社  http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/
【出版物・出版活動ベスト2】
1 見沢知廉『ライト・イズ・ライト』
2 見沢知廉『七号病室』
【エライ理由】 
 見沢知廉氏の死後、すばやくその残された遺稿を出版したことがエライです。
(刊行の予定自体は以前からあったようですが。)サブカル的な評価が先行し
ていた面も見沢氏にはありますが、『ライト・イズ・ライト』、『七号病室』
の2点が刊行されたことで、作家としての見沢氏がきちんと評価されるきっか
けを作ったことに感銘を受けました。自分の小説が読み継がれていくこと、そ
のことが最後まで作家であることにこだわっていた見沢氏にとって最も嬉しい
のではないかと思います。感想を直接伝えることが出来ないのが、逆に辛いこ
とではありますが。


高野ひろし(路上ペンギン写真家)
●河出書房新社  http://www.kawade.co.jp
【出版物・出版活動ベスト3】
1 古今亭志ん朝『世の中ついでに生きてたい』
2 正岡容『小説 圓朝』
3 ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイクガイド』
【エライ理由】
 昨年は異常に落語関連の本が出ました。はっきり言って出過ぎです。安直に
やり過ぎてのトラブル話も聞いているくらいです。でも演芸好きとしては嬉し
い限りで、これからもドンドン出版して貰いたいし、名著の復刻もよろしくと
言いたいです。
 河出も随分はりきって出しましたし、復刻もしました。2は復刻、1は復刻
じゃないけど過去の集成。どちらも興味津々な内容で、出してくれて有り難う
です。
 ホントは志ん朝写真集を出した筑摩にしようかとも思ったけど、3があるで
しょ。映画もそれなりに感激したんです。それに『文藝別冊 大瀧詠一』と
『河出 道の手帖・宮本常一』と柳家小満ん『べけんや』があったんで、河出
さんに決定。せっかく選んだんですから、頑張って演芸本の刊行&復刻に精を
出してくださいね。


松本八郎(『サンパン』編集・発行人)  http://www.edi-net.com/
●筑摩書房  http://www.chikumashobo.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト1】
1 大川渉著『文士風狂録−青山光二が語る昭和の作家たち』
【エライ理由】
 その昔、『青春の賭け−小説織田作之助』(現代社・1957)を読んで以来、
著者である青山光二(1913〜)の名に惹かれるところがあったが、この人の、
戦後のいわゆる「中間小説」には、今ひとつ馴染めなかった。
 三高時代は織田作をはじめとして、田宮虎彦、森本薫らと交流を持ち、東大
でも田宮と交際しつつ、京都に残留した織田作、白崎礼三らとは同人誌『海風』
(1935年創刊)を発行する。――夭折した白崎の詩稿を、青山は富士正晴と一
緒に『白崎礼三詩集』(私家版・1972)としてガリ版で編んでいるが、三高時
代は、同人誌『三人』(1932年創刊)の富士、野間宏、桑原(竹之内)静雄と
はソリが合わなかったという。
 その後1941年に青山は、田宮、井上立士、十返一(肇)、船山馨、牧屋善三、
南川潤、野口冨士男と「青年藝術派」を興すなどしているが、大川渉はこの興
味深い作家から聞き書きして、PR誌『ちくま』に2004年1月号から翌年4月
号にかけて「九十歳 青山光二が語る思い出の作家たち」を連載。
 連載だけかと思っていたら、年末に改題されて単行本として刊行された。
 が、いまどき、上のような事柄に興味を覚える読者がいるのかなあ、とおせ
っかいにも心配したが、何のことはない、御歳93歳の現役作家!という、相変
らずのジャーナリスティックな物見遊山さで刊行された感。――そういえば青
山光二は、九十歳で「川端康成文学賞」を受賞したのでしたね。忘れてました。
 それにしても、マイナー作家集団「青年藝術派」については、殆ど触れられ
ていないのが、何とも残念! だから、この版元並びに編集部および著者は、
あまりエラクないのかも……。


小林浩(月曜社取締役)  http://urag.exblog.jp/
●中央公論美術出版  http://www.chukobi.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト1】
1 『ボッティチェッリ全作品』
【エライ理由】
 昨年10月に創業50周年を迎えた同社の記念すべき偉業がこの画集。全144点
を世界中から集めたオリジナル編集で、そとはバックラム装、なかはオールカ
ラー。税込67,200円で、庶民にはなかなか手を出しにくい価格だけれども、こ
の版元の本で「これ欲しい!」となる書目はおおかた、ン万円するものばかり。
いったい誰が買うのだろう、採算はとれているのだろうか、どんな人が勤めて
いるのだろう、などと羨望まじりに色々想像してみる。半世紀も続いている出
版社なのだから、販路も経営も社員も堅実なのだろう。でもその具体的イメー
ジが沸かないので、私にとってはやはり謎の多い(その分なおさら魅力的な)
版元だ。『[本]のメルマガ』25日号で、昨年12月(235号)と今年1月(238号)、
個人的なベスト出版物10点を選んだ。法政大学出版局がそのうち2点入ってい
る。叢書ウニベルシタスが長年コツコツと切り開いてきた読書空間の層の厚さ
と広がりがなかったら、私の本棚は味気ないものになっていただろう。


きじま こう(説明業)  http://homepage1.nifty.com/hebon/fhp/
●四月社
【出版物・出版活動オンリー2】
1 荒川洋治『文芸時評という感想』
2 荒川洋治『ラブシーンの言葉』
【エライ理由】
 年の瀬に出先で立ち寄った書店で、出たらいいのにと思い続けていた本が、
思い描いていたような体裁で出ているのに出くわしました。うーん、高いなぁ
と一瞬躊躇しましたが、出たらいいのにと思い続けていた者が四の五の言うて
どうする、新刊で買わないでどうする、見慣れない出版社ならなおのこと。
 十月に最初の出版物(未読の2)を出して、まだ二点。どんな出版社か、こ
れからの出版物を楽しみにしています。


小柳安夫(営利会社員・非営利大学講師)
●書肆心水  http://www.shoshi-shinsui.com/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 佐藤義亮、野間清治、岩波茂雄著『出版巨人創業物語』(05・12刊)
2 菅野昭正、三輪秀彦訳『ブランショ小説選 謎の男トマ 死の宣告 永遠
の繰言』(05・9刊)などブランショの著作
3 ムハンマド・ハミードッ=ラー著、黒田美代子訳『イスラーム概説』(05・
7刊)などイスラム関連書
【エライ理由】
 新年早々、書店の棚で1を見かけたときには驚いた。新潮社(文の雄)、講談
社(談の雄)、岩波書店(学の雄)のそれぞれ創業者が生前に書き残した自伝
がまとめられている。日本出版史をひもとくときには欠かせない1冊。
 書肆心水は2004年秋創業の新しい出版社だが、2の系列は白水社、現代思潮
社の伝統を受け継ぎ、3の系列は岩波書店、みすず書房の精神を受け継いでい
るように思われる。今後、『杉山茂丸怪文集』や宮崎滔天の著作なども刊行さ
れる予定。いいDNAを持った編集者が多いのだろう。06年も、その出版活動
から目を離せない。


大橋あかね(ハラゴメカエル作家・雑貨クリエイター)
  http://www.haragome.com/
●本の雑誌社 http://www.webdokusho.com/
【出版物・出版活動ベスト1】
1 『都筑道夫少年小説コレクション』全6巻
【エライ理由】
 都筑道夫ファン歴が二十年を超え、どの作品が未読か既読か、すっかりわか
らなくなった私。せっかく文庫が復刊されてもどれを買っていいやら手をこま
ねいていた所に、彗星のごとく現れたのが『都筑道夫少年小説コレクション』。
これなら、絶対、読んでいないと胸を張って言える! そして、買える! ま
だ読んでいない都筑道夫の本が六冊もあると言うだけで、幸せです。
 ちなみに、中身の方は、論理的な筋立てに加え、タイトルのつけ方や、正し
い言葉遣いにこだわる所が、いかにも都筑的。


遠藤哲夫(フリーライター)  http://homepage2.nifty.com/entetsu/
●四月と十月編集室  http://4-10.jp/
【出版物・出版活動ベスト1】
1 「四月と十月」
【エライ理由】
 画家の牧野伊三夫さんが編集・発行人の「四月と十月」は、画家、写真家、陶
芸家さまざま参加の美術系同人誌。タイトルは、四月と十月に発行するからだ。
そのように、なにもかも単純明快。たぶんに牧野さんの性格と思われる。最初、
牧野さんと飲んだ、とにかくおもしろい。美術家に偏見があるおれは、この人
はほんとに画家なのかいな、と思った。ねじり鉢巻して工事現場にいても、は
まりそうな人。つぎに飲んだときは、牧野さんと編集を担当する帽子デザイナ
ーの須曽明子さんが一緒だった。スゴイおもしろかった。このグループには須
曽さん部長の「古墳部」があるのだ。貝塚や古墳を見て歩く。どう見て歩くか、
書くと長くなるから、雑誌を見てほしい。一緒にどうですかといわれ、酒飲む
だけでもおもしろい人たちだから参加した。今年一月、総勢14名、一泊二日で
千葉の古墳と貝塚を。いやあ、単純明快におもしろい。自分も、こんな人たち
とこんな雑誌をつくりたいなあ、と思った。理由は、それで十分。


S/L(書店員)
●STUDIO VOICE-boid (INFAS パブリケーションズ)
【出版物・出版活動ベスト1】
1 ジョン・ハリディ編『サーク・オン・サーク』
  この本だけしか出ていないのです……。
【エライ理由】 
 19世紀末にハンブルクに生まれ、戦前は狂い咲くワイマール文化の直中で、
戦後はハリウッドで、と四半世紀近い映画歴の中で40本程の映画を撮り、端
整でしっかりとした構成のドラマでファスビンダー他に多大な影響を与え「新
ドイツ映画」の隠れた父と言われたダグラス・サーク。本書は彼が70代の時の
インタビュー集。独ロックに関する論考や翻訳・紹介で知られる明石政紀が翻
訳を担当。やや軟らかめの訳ですが、サークのイロニーとユーモアが絶妙に配
分された語り口が充分に伝わってくる仕上がりで、映画を見た事が無い方でも
楽しく読め(て、読後は彼の映画が見たくな)る事、うけあい。又、ワイマー
ル〜ナチ勃興期の文化・社会記録としても興味深く、例えば同時期の仏に於け
るJ・ポーラン、M・ブランショ等の身の処し方と比較してみるのも面白いか
と。で、こんな燻し銀の様に渋い味わいの本を出版第一弾にもって来る心意気
に胸をズバンと射抜かれ、紹介した次第。


影坂狩人(異端系モノカキ) http://karuto.blog8.fc2.com/
●タコシェ http://www2.pot.co.jp/tacoche/
【出版物・出版活動ベスト】
1 『月光秘宝館』
【エライ理由】
 ご存知の方も多いでしょうが、戦後の挿絵界をリードされた石原豪人氏には
「林月光」という、もうひとつの雅号がありました。私は昨春、某誌の「月光
特集」監修の仕事で石原邸へお邪魔したのですが、保管されている原画数たる
やすさまじく(ちなみにそれは「月光」名義のものだけであります)、クオリ
ティの前にまず、そのボリュームに圧倒されてしまいました。
 にもかかわらず、特集では本当にわずかな点数しか紹介できず(大伴昌司氏
との“怪獣仕事”の話なども盛り込んだ私の解説文も半分以下に削られました)、
おかげでフラストレーションは溜まりに溜まったのです。
 というわけで、月光画の展示イベントと図録出版をしてくださったタコシェ
さんに一票! 専業版元にできないことを、一書店がやってのけてしまうとい
うのは、「これからは“出版社”ではなく“出版者”の時代である!」という
私の持論にも共鳴し、まさに溜飲の下がる思いでもありました。


ふくおか ひろやす(書店員)
●光文社  http://www.kobunsha.com
【エライ理由】
 POPについては、どんなにヘタクソでもいいから〈手書き原理主義者〉で
あります。出版社が作った、きれいだったり、こじゃれていたり、キンピカだ
ったりするPOPは好かんです。
 けど、去年、ひとつだけググッときたPOPがありまして……。それは、光
文社から7月に出た森村誠一『魂の切影』のPOP。この小説の主人公である
女性歌人の顔写真を使ったPOP。まぁ、はっきり言って、その歌人がワタシ
の好みのタイプのオンナということでして……。
 歌人の名は、宮田美乃里。そのPOPを文芸書担当者(女性)にワケを話し
て貰い、ワタシの作業机に貼って、以来、毎日彼女を見つめてるんであります。
 なんか、ええオッサンのくせして、小学生レベルの話やねぇ。けど、けど、
ワタシ好みのオンナを使ったPOPを作ってくれた創業60周年の光文社さん、
アンタはエライ!


大林えり子(ブックギャラリー ポポタム) http://popotame.m78.com/shop
●キョートット出版  http://kyototto.com/
【エライ理由】
 小川恭平氏の個人プレス。白黒コピーのミニコミなどを不定期に出していま
したが、昨年夏に一冊の本を出版しました。『このようなやり方で300年の人生
を生きていく』(小川てつオ著)はポポタムでいつも平積みしている本。ミニ
コミの手軽さや味と、読みものとしての手応えや他で読めない感が同居してい
て私好みです。本づくりが好きという思いだけでなくて、必要だからつくると
いう姿勢があるところが「エライ」と思う。若くて小さな出版社だから応援し
たい。次回作『Dear きくちさん、』(いちむらみさこ著)も楽しみです。


喜納えりか(ボーダーインク編集者) http://www.borderink.com/
●月刊沖縄社
【出版物・出版活動ベスト3】
1 『カラー 沖縄の怪談』(カラーシリーズNO.4)
2 『米軍占領下の沖縄刑務所事件』
3 『恐怖人事 ─官富民衰 稲嶺県政の不思議な行政手法─』
【エラい理由】
 1961年創立、沖縄の老舗版元である。 1970年、当時の沖縄では珍しいカラ
ー印刷の『沖縄の歴史』が大ヒットを記録、シリーズ化され(オドロオドロし
い幽霊の絵を表紙にあしらった『沖縄の怪談』などは必見)、いずれも爆発的
に売れる。その後も鬼才ぶりを遺憾なく発揮し、政治、文化、マスコミのタブ
ーに踏み込む本を出したり、沖縄戦写真集の発行で県内大手版元と熾烈な出版
戦争を繰り広げたりと、話題を振りまき続けた。幅広いジャンルの本を出した
が、経営面では浮き沈みが激しく、会社が傾きかけたことも一度や二度ではな
いと聞く。2005年4月、同社の顔である異能の社長・佐久田繁氏は病気のた
め急逝した。スキャンダラスでドキュメンタルな出版物の数々は、そのまま佐
久田社長の姿と重なる。沖縄の本の豊穣さを体現し、何よりも読者を楽しませ
ようとしてきた同社の姿勢に学ぶところは多い。「私の冥福を祈るより、面白
い本を出せ」。ぐそー(あの世)の佐久田社長の、そんな声も聞こえてきそうだ。


青柳隆雄(編集者)
●無明舎出版  http://www.mumyosha.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト3】
伊多波英夫『安成貞雄を祖先とす ドキュメント・安成家の兄妹』
【エライ理由】 
 今年の初め、ある研究者が亡くなり、蔵書整理の手伝いに行った際、安成二郎
『花万朶』があったので、譲ってもらった。(ちなみに稲垣達郎の『角鹿の蟹』
の署名本も頂戴した。これもいい本です、「岩本素白」の回想文が入っている。)
回想記集だが、これがとても面白くて現在も読み進めている。そして先週の土
曜日、書肆アクセスで『安成貞雄を祖先とす』を見つけた。普段は目を向けな
い棚にふっと気がいったのも何かの縁だろう。
 この本、私はジャケ買いならぬ目次買いである。目次の細目に興味がそそら
れる。編集の基本ですね、目次づくりは。「青柳有美との出会い」なんてのも
あるし、「女と酒と野依秀市と」はどうだろう、そうかと思えば「誤訳指摘──
本間久雄『芸術の起源』」、これも気になる。本間久雄、去年日記が出たんじ
ゃなかったっけ。
 目次を見ているだけで、あの本も読まなきゃ、あれもそうだ、とそんなに読
めもしないのに、なぜか心楽しくなる、そういう本です、これは。


宮本裕子(編集者)
●講談社  http://www.kodansha.co.jp/
【エライ理由】
 2005年、もっとも心に沁みた本……。つらつら考えてみましたら、それは安
野モヨコ『働きマン』1・2、五十嵐大介『リトル・フォレスト』1・2、の
二点でした。
 好きで始めた雑誌編集のお仕事、とはいえ毎日キリキリ舞いです。次から次
へと締め切りはやってきて、撮影スケジュールに追われ、次号の企画を捻り出
し、校正、調整、調べ直し、やり直し。ああ、もう……
 そんなとき、私を救ってくれたこの2冊(4冊?)。『働きマン』熱血編集
嬢の姿に「負けてはおれん!」と心に喝を入れ直し、『リトル・フォレスト』
の贅沢な田園生活に、心のコリをほぐされました。
 ハードに、そしてソフトに。極上の現実逃避のひと時を過ごした後は、また
もうちょっとガンバロー。と生まれ変われるのでした。
 講談社のコミックスは2005年も素晴らしかった。ありがとう。おかげで一
年乗り切れました。そんなわけで、極私的ではございますが、昨年は、講談社
に一票。


ミゾノウエユウイチ(書店員)
●編集グループ<SURE>  http://www.groupsure.net/
【出版物・出版活動ベスト2】
1 北沢恒彦・山田稔『酒はなめるように飲め/酒はいかに飲まれたか』
2 『セミナーシリーズ 鶴見俊輔と囲んで』全5巻(刊行中)
【エライ理由】 
 ぼくの好きな山田稔さんの本を出し、読む機会を与えてくれました。恥ずかし
ながら この版元の存在を初めて知ったのが2005年のこと。
 1をいくつかの書店でみかけ、 以前から気になっていた山田稔の名前と不思
議なあじわいのある装丁にひかれて購入。両作ともとてもよく、装丁も含めて
SUREの名前を胸に刻みました。
 そして年末になって、鶴見俊輔さん企画立案の2の刊行発表。第1巻のゲス
トはこれまたぼくの好きな井波律子さん。そして4巻には山田稔さん。ゲスト
を囲んだ寺子屋風勉強会はとても良い雰囲気で、これ以降の刊行が楽しみ。他
の刊行物にも期待しています。これからも良い本を出し続けて下さい。
 山田稔さんの関係で言えば、2005年は編集工房ノアと「BOOKISH」について
も言及しなくてはならないのですが、泣く泣く割愛させてもらいました。


神戸鶴亀本舗 石井章(図案屋)
●朝日ソノラマ  http://ucgi.asahisonorama.co.jp/cgi-bin/index.cgi
【出版物・出版活動ベスト1】
1 『日本特撮・幻想映画全集』
【エライ理由】
 2005年も終わろうとする最後の最後に出版されたこの本には、なんと、「雨
月物語」や「ツィゴイネルワイゼン」と同じ扱いで、幻活映画「新実録猟奇娘・
オクトパスよ永遠に」が紹介されている。編者にかなり特異なシュミをお持ち
の方がおられたのか、あるいはなんぞの間違いであったのか、なにはとまれ幻
活映画が本に載ったことは2005年最大の事件だった。
※幻活(正式名称=幻活動写真商会)とは、観るものを脱力の奈落へといざな
う、日本一貧相な作品を作ることで極一部のマニアに知られる映画製作所であ
ります。


奥園隆(古書音羽館 店員)
●さわらび本工房  http://honkoubou.fc2web.com/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 忠津陽子イラストコレクション『La vie en rose(ラヴィアンローズ)』
2 忠津陽子コレクション1『満月城へようこそ』
3 忠津陽子コレクション2『恋の手ほどきABC』
【エライ理由】
 コレクターのお客様から教わることは実に多い。蒐集にかける情熱と偏愛
には常に圧倒されます。しかし特に頭が下がるのは、蒐集対象を広く世間に提
示し、その意義を問おうとするコレクターでしょう。
「さわらび本工房」氏もそのひとり。学生時代からのマンガ蒐集の末に、愛す
る作家の埋もれた作品を、自らの手で蘇らせたいという思いに到ったとのこと。
昭和の浮世絵師・佐伯俊男の未刊行作品をあつめた『獄落帖』('03)の出版を
皮切りに、昨年は70年代「マーガレット」誌の看板作家、忠津陽子の作品を復
刊(2,3)。1は往年のチェリッシュギャラリーなどの複製原画集を模した
オリジナルの画集で、少女誌におけるカラーイラストの重要性、とりわけ忠津
陽子のそれの完成度と人気をよく認識した、コレクターならではの企画といえ
ましょう。
 今後もその偏頗さや拘泥ぶりを生かしつつ、余人に作れぬものを出版し続け
てくれるだろうと期待しています。


畠中理恵子(書店員)  http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/
●弦書房(げんしょぼう)  http://www.genshobo.com/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 渡辺京ニ『江戸という幻景』
2 江後迪子『南蛮から来た食文化』
3 多田茂治『夢野久作読本』
【エライ理由】
 地方・小出版流通センターで働き始めて、一番初めに好きになった本は葦書
房の『写真万葉録』シリーズだった。上野英信を教えてくれ、九州の、「炭鉱」
という産業の持つ歴史と、そこに広がる世界を覗き見、本当にはっとした。近
代という時代に初めて気づいた。土地のもつ重厚な時間。それを伝える出版を
する素晴らしさ。福岡の弦書房さんの出版物をみていると、九州が本当に魅力
的な土地だということを感じる。近現代の文化遺産を紹介する『九州遺産』、
画家・野見山暁治さんの小説『パリ・キュリイ病院』、ツバメの生態を描く『ツ
バメのくらし百科』。石牟礼道子さんの『花いちもんめ』も失われた昭和の暮
らしを甦らせるやさしいエッセイ集だ。そして、新刊『杉山茂丸伝』。明治維
新後、九州に在り近代国家を創生する上で重要な場面にいた怪物の伝記。ます
ます九州から新鮮な本を発信していただきたいと思う。


みなみけいじ(極貧ライター)
●ジャズ批評社  http://www.jazzhihyo.com
【出版物・出版活動ベスト1】
1 隔月刊『ジャズ批評』
【エライ理由】
 ジャズの競合誌にはスイングジャーナル社の『Swing Journal』と三栄書房の
『Jazz Life』がある。前者がオーディオ愛好家も含むリスナー向けの全方位型
専門誌とすれば、後者はプレイヤーに絞ってスコアのページや楽器の広告が多
い。では『ジャズ批評』はといえば誌名が示すようにコレクターやマニア向け
の記事コラムに特色がある。JAZZの世界はリスナーもライターもエディタ
ーも圧倒的に男だらけだったのが、9月号(No.127)から編集スタッフが全員
女性になったことにより、ずいぶんと誌面の風通しが良くなった。オリジナル
盤至上主義や特定のスタイル一辺倒のジャズファンからは手厳しい反応もある
だろうと勝手に想像してしまうが、なに気にする必要ない。女性のジャズファ
ンが増えればブツブツ言いながらも男性ファンはひっついてくる。ライブハウ
スに足を運べばそれは分かる。まだまだ誌面には迷いが透けて見えるが、ドン
ドン女性ならではの新企画を打ち出していってほしい。でも和田誠さんの表紙
イラストだけはずっと続けてくださいネ。


小柳暁子(出版社勤務・編集)
●春風社  http://shumpu.com/
【出版物・出版活動ベスト2】
1 斎藤卓志『刺青墨譜――なぜ刺青と生きるか』
2 平沢豊『OTHER VOICES 東大全共闘68-70』(写真集)
【エライ理由】
 2005年に手にとった本で特に惹きつけられた上記の二点を刊行した版元なの
で。春風社は横浜・桜木町にある学術図書出版社で、田中正造に影響をあたえ
たキリスト者の思想家『新井奥邃著作集』(全十巻)や、福島治著『ダンテ神
曲原典読解語源辞典』など渋い専門書を出す一方、写真集やジャズの本なども
刊行している。1は岩田書院より刊行された同じ著者の『刺青 TATOO』と内
容的に重なる部分がありながら、刺青がより親密なものとして感じられるよう
になっている。文章を追いながら、みみず腫れのように、傷といたみが、自分
の皮膚をはしっていくような感覚。言葉の飾らなさに洗われて、まとった垢が
おちていくようだった。帯背にある「大人の時間」っていうやつなのかなー。
 2は巷にあふれる全共闘モノと一線を画す硬質な距離感と冷たさがあり、タ
イムスリップした異邦人の目が見ている風景のようであり、しかし時に濡れた
視線がまじり、それもいい。
 

あまカラ(落語好き会社員) http://amakara.tea-nifty.com/amakara/
●筑摩書房  http://www.chikumashobo.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト3(順不同)】
1 『桂枝雀爆笑コレクション』(刊行中)
2 京須偕充『志ん朝の高座』
3 『志ん生の噺』全5巻
【理由】
 いまさらの感もありますが、やはり筑摩書房は偉大です。落語ブームなどと
騒がれる前から『志ん朝の落語』『桂米朝コレクション』などを続々とちくま
文庫に入れ、落語を読む楽しさを味あわせてくれました。昨年もその姿勢に変
化はありません。『志ん朝の高座』の豊富な写真もうれしい。次はぜひ円朝全
集を出してほしいものです。
 落語以外では種村季弘編『東京百話』の復刊もうれしいことのひとつでした。


渡辺洋(詩人・編集者) http://www.catnet.ne.jp/f451/
●影書房  http://www.kageshobo.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト1】
1 『竹内好集』
【エライ理由】
「戦後文学エッセイ選」という同社のシリーズ企画の1冊です。中国では評価
が高まっている一方、日本では今どき1000部も売れればという印象の竹内さん
のアンソロジーが出たことに感動しました。社主である松本昌次さんの文章も
栞として入っていて、まさに意志としての出版です。そろそろ出るはずの『上
野英信集』も楽しみにしています。S社の「21世紀の日本人へ」といった中
途半端な企画に比べて熱い気持ちが伝わってきます。


サワダトール(ブックギャラリー ポポタム) 
  http://popotame.m78.com/shop
●架空社(かくうしゃ)
【出版物・出版活動ベスト2】
1 小川 未明作 山福 朱実絵『砂漠の町とサフラン酒』
2 小川 未明作 石井聖岳絵『電信柱と妙な男』
【エライ理由】
 カワイイとかイヤシとかとはきっぱり一線を画す、キビシささえ感じさせる
筋の通った絵本をリリースし続けているのがエライ。小川未明、与謝野晶子の
テキストを現代の画家の絵でとらえなおすと、昔の偉い作家とだけ思っていた
のが意外とポップな方たちなのだと気づかされます。過去には片山健やスズキ
コージの超大型絵本も出版。ばかばかしくもすがすがしい、そんな企画を今後
も期待しています。


甘木(書店裏方)
●ロフトブックス  http://www.loft-prj.co.jp/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 『LOFT/PLUS ONE 10周年記念パンフレット』
2 『ニッポン放浪宿ガイド200』(山と渓谷社発行)
3 『オーケンのほほん学校』(イースト・プレス発行)
【エライ理由】
 ひとつ場所に集いし者たちがそこを語る本が好きです。タモリや山下洋輔、
赤塚不二夫に糸井重里そして荒木経惟、内田裕也、ビートたけしらが集いし酒
場、四谷ホワイト(75年開店、後に六本木へ移転)をそれぞれが語る『白く染
まれ』(IBC)は高平哲郎編集のもと錚々たる寄稿者たちで読ませたけど、あち
らがやがて有名人の隠れ家のおもむきなら、その対極というべき(?)が【1】。
 新宿は歌舞伎町の奥深く、夜な夜な濃〜いイベントが繰り広げられるトーク
酒場が10周年。インタビューを寄せるはリリー・フランキー、鈴木邦男、サエ
キけんぞう、宮台真司、唐沢俊一。コメントは江頭2:50、大川豊、大槻ケンヂ、
岡田斗司夫、岡留安則、塩見孝也、宮崎学、三浦和義ら過去出演者130人強から。
 白眉は細かい活字で組まれた10年の「全スケジュール」。眺めればサブカル
史の巨大一断面が立ち現れる。読みでがあります。と書きつつ実は私、プラス
ワンに行ったことありません。怖いから(?)。だからあやうく知らずに通り
過ぎるところだったこの冊子を「直」で仕入れてどんっと平積んでくれてた新
宿ヴィレッジヴァガードに感謝。
 2005年は6年近く沈黙を守ってきたロフトブックスが、にわかに動き出した
年(一人出版社らしい)。ネタの宝庫だもの。これからへの期待もこめて一票!


南陀楼綾繁(非営利ライター)
●ミリオン出版  http://www.taiyohgroup.jp/
【出版物・出版活動ベスト3】
1 畸人研究学会『しみったれ家族 平成新貧乏の正体』
2 木村聡『消えた赤線放浪記 その色町の今は……』
3 蜂巣敦『「八つ墓村」は実在する』
【エライ理由】
 エロ系・実話系の雑誌を多く擁する大洋グループの一会社であり、雑誌の
売り上げが会社を支えている(たぶん)せいか、ミリオン出版の単行本には、
儲けよりもオモシロさ優先で本をつくることができるという余裕が感じられる。
たんに雑誌連載をまとめただけの本はホトンドなく、雑誌掲載の原稿を大幅に
膨らませたものや、書き下ろしが多い。装幀も、内容にマッチしていてイイ。
しかも、一般市民の目に入ってこない「この世の果て」の人や事物を取り上
げるところが一貫している。
 このほど、藤木TDC ・ブラボー川上『まぼろし闇市をゆく 東京裏路地〈懐〉
食紀行』(2002年)がちくま文庫に入ったが、同社の単行本に注目している
文庫編集者は多いのではないだろうか。

--------------------------------------------------------------------
■おわりに
--------------------------------------------------------------------
 総勢27人による、26社の「この版元がエライ!」、いかがでしたか? 
 今年は、老舗出版社と、ほぼ一人の出版社(出版者)に注目が集まったよ
うです。初めて耳にする版元も多いのではないでしょうか?

 以下、毎年同じコトを書いてますが、こんな企画は書くほうも編集するほう
も、好きでやってるだけでナンの見返りも期待しておりません。ただ、無反応
なのは淋しいので、このアンケートをこんな風に使ってみては、という処方箋
を最後に。
 【版元】の編集さんは、「こんなところで取り上げられました」と社内外へ
のアピール、次の企画推進への脅迫材料として使ってください。サイトへの
転載も歓迎。営業さんは、書店周りの際の「一口ばなし」にどうぞ。あんがい、
身近な書店員が読んでるかもしれないですよ(書いてる場合も?)。
 【書店】では、いっそ「この版元がエライ!」フェアをやりませんか? 
まったく私的な「版元贔屓」だけでフェアを構成するという……。冒険ですけ
ど、つられて買うヒトは出てきそう。
 【読者】の方々には、ココで出てきた版元にちょっとでも興味を覚えていた
だければ、そして、書店でこれらの版元の本を手にとっていただければ、こん
な冥利に尽きることはございません。なお、紹介した版元中、直販のみで一般
書店に置いていないものもありますので、サイトなどでご確認ください。
 このアンケートを利用されたい場合は、南陀楼綾繁(kawasusu@nifty.com)
まで一声掛けてください。筆者に許諾をとった上で、テキストを提供します。
それでは、最後に。登場した版元も、登場しなかった版元も、ガンバレ!
そろそろ疲れてきたので、来年はもっと若いヒトが編集を担当してくれないか
なーと思いつつ、来年もやります……たぶん。 

 次号は「この版元がエライ! 特別企画・ちくま文庫復刊フェアをめぐって」
をお届けします。                        (南)

====================================================================
■ 電子メールマガジン「[書評]のメルマガ 」(毎月4回発行)
■ 発行部数 5250部
■ 発行:[書評]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を許可無く転載することを禁じます。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の執筆者が有します。
■ ご意見・御質問はこちらまで kawasusu@nifty.com
■ HPアドレスhttp://www.shohyoumaga.net/
■ このメルマガは『まぐまぐ』を利用して発行しています。
■ メールマガジンIDナンバー0000036518
■ 購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行って下さい。
======================================================================

| バックナンバー | 20:42 | comments(0) | trackbacks(1)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://back.shohyoumaga.net/trackback/375912
トラックバック
出版業界ニュースリンク 06年02月16日(木)
■自費出版漫画「アフロサムライ」、いきなり全米TVへ(読売新聞) 相当な中抜きだと思いました。 ■アマゾン、今春から直接仕入れで委託販売・迅速に配達(日本経済新聞) 相当な(以下略) ■[この版元がエライ!2006]([書評]のメルマガ) 「この取次がエ
| booplog | 2006/02/16 11:03 AM |
SEARCH
[書評]のメルマガ
本の虫の出版業界人が<徹夜した本>や<繰り返し読んだ本>、さらに新聞記者、出版編集者、プロの書評家による気鋭の書評など、書評メルマガの決定版。
発行周期発行周期:月4回
バックナンバーバックナンバー:すべて公開
マガジンIDマガジンID:0000036518

メールアドレス:

メールアドレス:
Powered by まぐまぐ
※読者登録は無料です

フリーラーニング Free-LearninG For Your Extention コーチ募集(コーチングバンク) 灰谷孝 ブレインジムラーニング 無料 コーチング 東京新都心ロータリークラブ カーディーラー経営品質向上 相続・遺言なら新都心相続サポートセンター 夢ナビ 実践写真教室 フォトスクール「橋本塾」 無料 eラーニング CSR コンプライアンス 経営倫理 実践研究 BERC 「付加価値型」会計アウトソーシング−株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル
LATEST ENTRY
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< January 2018 >>
ARCHIVES
LINKS