[書評]のメルマガ

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[書評]のメルマガvol.290
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■■ [書評]のメルマガ               2006.11.30.発行
■■                              vol.290
■■ mailmagazine of book reviews         [心にも免疫 号]
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■コンテンツ
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★「極私的読書日記」/石飛徳樹
→今回もお休みですが、『名古屋で書いた映画評150本』(徳間書店)が
絶賛発売中、ぜひ買ってくださいまし。

★「面白すぎて、♪どうにも止まらねぇ!」/ミラクル福田
→お仕事の関係で、今回はお休みでーす。

★「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
→いじめと自殺問題を考えるまじめな人文書を紹介します。

★「あんな新刊こんな新刊」/荻原千尋
→事情により今回はお休みでーす。

★「本の香りだけ」/守屋淳
→毎年恒例の雑誌の紹介です
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■トピックス
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●「講談社BIZ」シリーズの注目の新刊2点
・『サステナビリティ経営』三橋規宏著
日経新聞記者時代から「環境問題と経済」をライフワークにしてきた著者が、
そのテーマを真正面から扱った集大成というべき力作。
・『なぜおいしいアイスクリームが売れないの? ダメな会社をよみがえら
せる3つのレッスン』シビル・チョウドリ著 中山宥訳
「危機に瀕した会社を復活させるには何をすべきか」を、短い物語仕立て
で解説した一冊

●「墨のF1 垂井ひろし イラスト展」
F1を墨絵風に書くことで有名な垂井ひろしさんのイラスト展が、
2007年1月16日から21日まで、渋谷のギャラリー・ルデコ6Fで開催
されます。
渋谷区渋谷3−16−3 ルデコビル6F 5485−5188
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■「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
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 「自殺」を引き起こしているものは、何だ?

 aguni です。今日は渋めのこの一冊です。
 当然、書評の内容も、久々に、マジメです。

『自殺論』
 デュルケーム 著 宮島 喬 訳 中央公論新社(2000.4)
 http://www.bk1.co.jp/product/1947943/p-aguni00047

 ここのところ、自殺に関するニュースが多かった。自殺予告を文部科学省
に送り付ける子供。生徒の自殺を苦に自殺する校長。自殺者が出てもいじめ
をやめない子供達。

 報道を見ると、痛ましい事件だとか、いじめは悪いとか、そういう論調が
目立つ。しかしそもそも、これほどまでに安易に死を選ぶ人が増えているこ
とについては、何も触れられていない。

 今日、ご紹介する一冊は、19世紀、社会学という当時、最新の手法を用い
てこの「自殺」と社会的環境とのつながりを、徹底的に解明しようとした、
デュルケームの古典的名著。メインタイトルは自殺論、副題は社会学的研究。
デュルケームはこの一冊で、自殺という個人的・衝動的・精神的なものを社
会学の視点から見てみる、ということに挑戦している。

 分析の舞台はヨーロッパ。宗教別の自殺者の統計、アルコールとの関係、
人種や地域のデータ、気温と自殺の関係、昼の長さと自殺の関係・・・。社
会学的というよりは、統計的、と言った方がいいかもしれないくらいだ。

 デュルケームの著作はしかし、単に実証的であるだけではなく、彼にしか
導くことのできない跳躍がある。まあ、これが社会学が再現可能な科学なの
かどうなのか、という問題にもなるわけだけれども、そういう議論は学問の
現場に任せておくとして、彼の物語によると、自殺はきわめて社会的なもの、
ということになる。

 つまり、一般的な自殺の身近な原因とされる私的な出来事は、単なる自殺
のきっかけにすぎず、社会の中に既に、個人を自殺に追い込む仕掛けが施さ
れている、ということだ。

 逆に言えば、(ここからは私の跳躍だけれども、)今の日本の社会、特に
教育現場が、どこかに犠牲者なり生贄を求めるような構造を持ってしまって
いるのではないか、ということだ。自殺を選択する人は、周りの「空気」に
よって、自殺するしかない状況に追い込まれている。

 同様に、子供同士の、あるいは親が子を殺す殺人事件も同じことであろう
と思う。そういえば、同級生を殺してしまい、自殺した男子学生もいた。な
ぜ、殺してしまうのか。なぜ、死ななければならないのか?

 デュルケームが発明した概念に「アノミー」という言葉がある。人間の欲
求が社会的に満たされない形をとったとき、そのギャップによって人は苦し
むことになる。これが「アノミー」である。

 ただし、この「アノミー」という言葉は定義があいまいで、どこまで有効
な概念なのかは不明である。

 しかし、社会の中で、個人が幸福に過ごせなくなったとき、社会集団の期
待に答えられない自分を発見したとき、人は社会から逸脱するために自殺と
いう道を選択する。こういう考え方は有効なのではないか、と思える。

 そういえば、最近、若い人の間でキス病なる病気が流行っているという。
これは幼少期に他人の唾液に触れると抵抗ができる病気で、昔の日本人はほ
とんどかからなかった病気だという。母親が口移しに食事をしたり、同じ皿
から家族が取り分けたりしなくなった結果、また、子供を取り巻く環境が滅
菌消毒され、清潔になってしまった結果、免疫が出来ないまま成長し、大人
になってから誰かに愛情を覚えた結果、発病する、という現象らしい。

 人間は失敗するし、間違うし、挫折するし、人を傷つける。そんな中で人
の心にも免疫が出来てくる。教育の現場や家族が温室化してしまった結果、
心の抵抗力のない、逆に言えば、間違いを許さない社会が形成されているの
ではないか。

 社会学の古典を読みながら、そんな想像をして、少し怖くなった。

(aguni ビジネス書評者/認定コーチ&日本経営品質賞セルフアセッサー
 メルマガ・ブログ「bizbook.tv」主催 http://bizbook.tv/
 自称、デュルケーム社会学の正統なる後継者)
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■「本の香りだけ」/守屋淳
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今年を振り返って……

「現代用語の基礎知識 2007」自由国民社

最初に白状しちゃいますと、今年の「現代用語の基礎知識」、実は「本のメ
ルマガ」の15日号に執筆して頂いている柳瀬徹さんが編集に加わり、執筆
者に南陀楼綾繁さんや内澤旬子さんがいるということで、やや仲間誉めっぽ
くなっています。何卒お許しを(笑)

一年を振り返るといえば、出版界では『今年読む本一押しガイド』があった
んですが残念ながら、それも今はなく、「ああ、今年こういうのあったよ
ねー」「忘れてたけどこれも今年だったんだ」という感覚が年末に味わえな
くなっていました。でも、久々に「現代用語の基礎知識」を読むと、なんか
近い過去を思い出してちょっと嬉しい――そんな感覚が蘇ってきます。

まずは、写真で振り返る一年みたいな「カタログペディア」。そういえば
《人生ゲーム M&A》を買っとけば良かったなーと後悔しつつ
一年が始まり、
《PSEマーク》問題で中古家電が売れなくなると騒いでいたっけと思いつ
つ、
《起き上がらない起き上がり小法師》に前原代表のこわばっていた顔を思い
出し、
《99%チョコ》のまずさにびっくりし、
《まりもっこり》に安藤美姫のセンスを疑うなんてこともありました。

続いて、「ウェブのことば」。
今年、結構画面に見入ってしまったのが《ようつべ》。
万一ご存じない方は、以下でもどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=32zMqGaqApg
http://www.youtube.com/watch?v=lbFLOwgQqL8&search=japan
http://www.youtube.com/watch?v=JIRwU_3ZvQw

そういえば、ここってグーグルに買われちゃったんですよね。おそるべし
グーグル。知の世界帝国建国でも狙ってんのかしらん。
あと、最近、実はわたくしもSNSなぞをやっていまして、その意味でわか
るなーと思ったのが《mixi疲れ》。読んでくれる方、期待してくれる方がい
るのって勿論すごく励みになるんだけど、毎日はちと疲弊しますなー。
さらに、ちょっとへーと思ったのは《メーラーダエモン》。笑える小話に
なっていますので、ぜひ本誌でご一読を。

そして、「黒とグレーと白のカタログ」という項目もなかなか印象的で、
《川渕キャプテン次期監督発言》って、そうそう川渕キャプテンって見事に
責任とらずに居残っちゃったのねとあきれ、
《盗作》で、和田義彦VSアルベルト・スギ氏の盗作問題で、和田氏の言い訳
凄かったなーと苦笑いし、
《東横イン違法改築工事》では、社長の最初の会見と二度目の会見のギャッ
プがなんとも、とつぶやき、
《耐震偽造》でも、小島社長の国会答弁、ぶっちぎれてたな、と……なんだ
かまあ、オヤジってやっぱりずうずうしい生き者なのかしら(笑)と思わず
にはいられない一年でもありました。

あとは、本編の方の「社会風俗」を書いているのが、『金魂巻』でお馴染み
神足裕治さんなんですが、読んでいて思い出したのが、
《くまぇり》。似てる似てない、両説ありましたが、いつのまにかご本人も
TVであまり見なくなっちゃったのは気のせいでしょうか??

最後に、「サラリーマン川柳コンクール」から、印象的なものを。
《昼食は 妻がはセレブで、俺セルフ》
《会社でも 家でも 偉大なイエスマン》
《道たずね 防犯ブザーを 鳴らされる》
最後のって、そうえいば「発言小町」でも、子供を叱っていたら虐待通報さ
れてショックみたいなスレッドが作られていて、なかなかに難しい世の中に
なっていることが実感されますな……
(守屋淳 作家 41歳)
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■あとがき
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>最近、有楽町の交通会館の一番上にあるスカイレストランにいってみたん
です
>はあはあ
>食べ物はちとお高いですが、とても美味しくて、それはいいんですけど、
フロア自体が円形になっていて、一時間でぐるーっとまわる仕組みなんです。
>ああ、そういうのってたまに有りますよね。楽しそうじゃないですか
>そうそう、景色が変わって面白いんですが、なんか微妙に酔う気がするん
ですよ
>そりゃ、まわってますからね(笑)
>で、落としたい異性がいる場合、ここにつれてきて一緒にお酒を飲めば、
いい感じにお互い酔っ払えて良いのでは、と思ったんです(笑)。効き目が
薄い場合は、責任者の人にワイロ渡して「いつもより速くまわっておりま
す」みたいのできないのかしらん。
>あなたの場合、悪酔いして自爆するだけなんじゃないんですか??
>うう、そうかも、ダメだこりゃ(笑)
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