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[書評]のメルマガ vol.299
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■■ [書評]のメルマガ   2007.2.13発行

■          vol.299
■■  mailmagazine of book reviews  [ ぼくの猫さん 号]
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[CONTENTS]------------------------------------------------------
★近事雑報「南陀楼綾繁のホンのメド」
 →本をめぐる情報+アルファの雑談です。古本イベントいろいろ。
★最終回「たった一本の本棚から」岡田@川崎追分町
 →病気療養の日々を綴ったあのブログの主が、大事に読んでる本の話。
★「大阪豆ごほん」郷田貴子(ちょうちょぼっこ) 
 →大阪のふたつの「本スポット」から届く、楽しくて美味しいお便り。
★「食の本つまみぐい」遠藤哲夫
 →〈大衆食堂の詩人〉エンテツが料理文化史の重要本を紹介します。
★「酒とつまみと営業の日々」大竹聡
 →各方面で話題沸騰のミニコミ「酒とつまみ」の営業秘話です。大好評。
★「版元様の御殿拝見」塩山芳明
 →新幹線通勤中に毎日一冊は本を読む男が版元の社屋を徘徊します。
★「楽しみと日々 古書展と書簡をめぐるあれやこれや」つばめ
 →やたらと本に詳しい謎の人物「つばめ」による書誌探求の余談です。

*本文中の価格は、すべて税抜き(本体)価格です。

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■南陀楼綾繁のホンのメド 
新刊、古書、マンガ、雑誌、ウェブサイト、書店、イベントの近事雑報
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★京大で大伴昌司展
昭和の高度成長期に、少年誌の巻頭グラビアの企画構成や怪獣図鑑、放送脚
本など、ポップカルチャーの分野において先駆的な仕事を残した伝説の天才プ
ランナー・故 大伴昌司。今回、その膨大な原稿・原画や貴重な資料が京都大
学に寄託されることになりました。
 独自の「図解」の方法論を、ありとあらゆる分野に当てはめ、少年誌の枠を
飛び抜けて、その範囲は未来工学、DNA、国際問題などのシリアスなトピッ
クにまで。当時、その内容の先進性に驚いた立花隆が「少年マガジンは現代最
高の総合雑誌か」と評しました。とりわけ、横尾忠則とのコラボレーション企
画は今も語り草になっています。
少年誌を舞台に彼が確立したビジュアル・コミュニケーションの方法論は、
その後の日本の雑誌文化のベースとなっているのです。
懐かしくて奇想天外な大伴昌司の世界にタイムスリップしてみてください!

「ビジュアルジャーナリズムをきり拓く 元祖オタク OH 大伴昌司の世界」
会期:1月30日(火曜日)〜2月23日(金曜日) 9時30分〜17時
会場:京都大学百周年時計台記念館 歴史展示室内(企画展示室)
入館料:無料
問い合わせ先
京都大学大学院文学研究科現代文化学専攻
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
TEL 075-753-2800

★「わめぞ」の地・往来座で「外市」
 近頃ときどき目にする「わめぞ」とは何ぞや? コレは早稲田・目白・
雑司ヶ谷をつなぐキーワードなのです。この謎の「わめぞ」のメンバーを中心
として、〈古書往来座〉で一日限りの古本市が行なわれます。

「外、行く?」
古書往来座 外市(そといち)〜軒下の小さな古本祭〜

日時:2月24日(土) 雨天決行(やや縮小します)
11:00〜19:00(往来座は22:00まで営業)

会場:古書往来座 外スペース
東京都豊島区南池袋3丁目8−1 ニックハイム南池袋1階
電話番号 03‐5951-3939
http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/

参加店舗
第一回ゲスト:bookcafe 火星の庭(仙台) http://www.kaseinoniwa.com/

わめぞ古本屋軍団:
古書往来座(雑司が谷)/古書現世(早稲田)/立石書店(早稲田)

わめぞオールスター:
武藤良子(雑司が谷)/旅猫雑貨店(雑司が谷)/リコシェ(雑司が谷)/
ブックギャラリーポポタム(目白)/琉璃屋コレクション(目白)/
退屈男(名誉わめぞ民)

一箱古本市スペシャルゲスト:
岡崎武志堂(岡崎武志)/古本けものみち(南陀楼綾繁)/
ハルミン古書センター(浅生ハルミン)/北條一浩(「buku」編集長)
他、往来座お客様オールスターズ約5名

★ダイバー第1回 古本寄港市
神保町の古本カフェ「ダイバー」を港というかバースに見立て、その内外にボ
ートや屋台が7日間だけ停泊するイメージで…。老若男女、個性豊かなニワカ
店主(実はお客様)たちが一箱ずつ、埋蔵品や均一本、お宝本(ホント?)を
持ち寄ります。どうぞ楽しい縁日気分で、覗きにいらしてください。お待ちし
ておりま〜す! ということです。コッチにも退屈男さんが参加。

期間:2月13日(火)〜19日(月) 11:30〜19:30
参加店主:退屈文庫、古書無人島、バナナポート、うずしお書店、野窓書店、
ぐるぐる丸 ほか

古本カフェ ダイバー
〒101-0051 千代田区神田神保町2―12 川島ビル1F
TEL&FAX 03-6657-3277

★ポポタムの展覧会

◎いちむらみさこ・小川てつオ 本本<BONBON>展
2月13日(火)〜2月17日(土)

「Dear.キクチさん、ブルーテント村とチョコレート」「このようなやり方
で300年の人生を生きていく」(ともにキョートット出版)の著者二人が、
これまでにつくってきた手作り本<BON>の展示です。
旅の記録、アート活動の副産物、手作りの読み物……気負いなく柔軟な本の形。
それぞれの本を体験する読書空間〜インスタレーションをお楽しみください。

トークイベント 
2月16日(金)18:30〜20:00(参加費500円/お茶付)
いちむらさん、小川さんを囲んで本づくりの話など。

◎村尾かずこ個展/漆喰でつくる楽しいお店の看板展
2月20日(火)〜2月24日(土)

伝統的な壁を塗る材料や技法として使われる漆喰、土、フラスコ画法でつくっ
た絵看板の作品展です。 「銭湯、金魚屋、居酒屋、本屋、小鳥屋、たまご屋、
ねこの花屋……。本当にありそうなお店とあまりなさそうなお店の看板をつく
ってみました。」 職人でもある作家が左官の仕事を描いた絵本「どぞう」(SA
BU出版)の原画展も同時開催。

会場 ブックギャラリー ポポタム
東京都豊島区西池袋2−15−17
03-5952-0114 日・月休み 12:00〜18:00
http://popotame.m78.com/shop/

★池田憲章、徳島で佐々木守を語る
石川県出身の佐々木守(1936-2006)は、戦後日本を代表する脚本家だった。
彼が手がけたのは「ウルトラマン」「怪奇大作戦」「アルプスの少女ハイジ」
「七人の刑事」「コメットさん」など、そのまま戦後テレビドラマの歴史とい
ってよいほど多彩だ。佐々木が作品に託したもの、彼がめざしたものとは何だ
ったのか。佐々木から薫陶を受けたSF特撮研究家・池田憲章が万感込めて熱く
語る!

池田憲章 講演会「故郷は地球〜脚本家・佐々木守がめざしたもの」
日 時:2月25日(日) 14時30分から
会 場:北島町立図書館・創世ホール 3階多目的ホール
〒771-0207
徳島県板野郡北島町新喜来字南古田91
TEL.088-698-1100 FAX.088-698-1180

★POPって何?
 京都精華大学が運営するショップ/ワークショップスペース「shin-bi」
で二ヶ月に渡り行われる「POP」についてのシリーズ企画。2月16日(金)
の第1回は、細馬宏通、安田謙一、山本精一三氏による「感覚を拡げる 鼎
談・POP?」。コミュニケーション論の研究者であるとともに、ポップソング
論を多く執筆し、自ら音楽活動も行っている細馬氏、大通り・路地裏を問わず
片隅に蠢くものを拾い集めるロック漫筆家の安田氏、様々な領域に素足・素面
で踏み込んでいく音楽家であり、執筆家としても知られる山本氏が、「POP」と
は何かを捉え直す、とのこと。

2007年2月16日(金) 19時から
「shin-bi」(しんび)
参加費:1800円
京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸 3F
http://www.shin-bi.jp/

★大正レトロ・昭和モダンポスター展 〜印刷と広告の文化史〜
 明治末から昭和戦前期にかけて制作されたポスター及びポスター用原画約160
点を通じて、印刷技術の変遷や広告としての特性に焦点を当てた展示を行う。

2月10日(土) - 3月25日(日)※
10時 〜17時(入場:16時30分まで)
姫路市立美術館
観覧料:一般800円/大学・高校生500円/中学・小学生200円
姫路市本町68-25
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/
※休館日については、上記ウェプページでご確認ください。

★絵本酒場「コクテイル」
2月14日・バレンタインデーから3月14日・ホワイトデーまで、「酒と
愛と絵本の日々」ということで、「古本 海ねこ」の棚がコクテイルに登場して、
絵本・雑誌などを出張販売いたします。

「絵本酒場コクテイル」は、酒場ですので通常の営業は19:00〜25:00で
すが、期間中の土曜、そしてイベントがある日曜(2月17日・2月24日・
3月3日・3月4日・3月10日)は15:00から営業。海ねこも店番いた
します。

◎トークショー(対談)
「収集家 VS 古本屋──本とレコードと懲りない面々」
編集者・収集家 沼辺信一さん
音羽館・店主  広瀬洋一さん

日時 3月3日 ひな祭り(土曜)17:00〜19:00 
チャージ 700円

◎トークショー(対談)
「絵本作家と編集者 幸福な関係」
児童文学者 渡辺鉄太さん
編集者   小宮由さん
日時 3月4日(日曜)17時〜
チャージ 700円

お電話、あるいはメールにてコクテイルまで。
不在の折は、留守番電話になっています。
03−3310−8130 cocktailbook@hotmail.co.jp

コクテイルでは、移転3周年を記念して、ほかにもいろいろ
イベントを行います。詳しくはサイトをご覧ください。

古本酒場コクテイル
高円寺北2−24−13 あづま通り
03−3310−8130
営業時間 19:00〜25:00
コクテイル ホームページ
http://koenji-cocktail.com

★ネーポン祭
探偵ナイトスクープや中島らも氏のエッセイ等々でも取り上げられ、幻のド
リンクとまで呼ばれた『ネーポン』の生産終了を偲んで『ネーポン祭』を開催。
『ネーポン』を題材に、WAKKUN(涌島克巳)さん や永田収さんなどなどアー
ティストの方による作品を店内にて展示。
2/24(土)20:30より かつてTVで取り上げられたネーポンにまつ
わる番組の上映会を行います。(入場無料)
ネーポンはモチロン、製造元ツルヤ食品研究所に関する商品なども販売予定。
神戸発祥の味の最後を堪能していただければ。

2月17日(土)〜28日(水)

トンカ書店
神戸市中央区下山手通3−3−12 元町福穂ビル2D
078-333−4720(TEL&FAX)

*情報提供 貴島公さん、北村知之さん

なお、ココに載せられなかった新刊、イベントなどの情報は、随時以下に
掲載しています。ときどきご覧ください。
「ナンダロウアヤシゲな日々」
http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/

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■たった一本の本棚から  岡田@川崎追分町
第5回(最終回)  病院は辛いよ
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ソルボンヌ景子『入院対策雑学ノート』ダイヤモンド社、2000年

 ソルボンヌ景子は唐沢俊一の奥さんです。この本は、彼女が20歳の際に、
クモ膜下出血で2ヶ月、そして、翌年、肝炎で4ヶ月入院した体験記です。
(そして、この体験を漫画化した作品を読んで、唐沢俊一が感動したことがき
っかけで、二人は結婚します)

 この本には、色々な意味で「怖い」ことが書かれています。まず、入院する
と、(病気の種類にもよりますが)すごくお金がかかる。これは、著者の友人
の貧乏脚本家夫妻が、夫が奇病にかかり、必死に入院費を捻出した文章が収録
されています。
 また、病院では、手術や治療の前段階として、検査や注射や点滴などが、日
常的にあり、それらのほうがよほど、不快だったり、痛かったりする。
 ただでさえ病人で辛いのに、「病気を治すため」とはいえ、さらに辛い辛い
体験をしなくちゃいけないのです。おそろしい話です。

 ところで、私は1年半、「病気」で仕事を休んでいるのですが、西洋医学的
には「病気」と認めてもらえておらず、自宅で東洋医学で治しています。 
 その1年半の「病気」体験で、重々わかったのが、自分が精神的にも肉体的
にも、「まったく我慢強くない」ということです。
 ちょっとあちこち痛いだけで「痛いよ、辛いよ」と口に出して大騒ぎする。
病気が停滞するとすぐ落ち込み、妻に愚痴ばかりこぼす。

 また、病気が長引くと怒りっぽくなり、あちこちに抗議の電話のたぐいを入
れまくる。
 ついには、自転車のカゴに毎日のようにゴミが捨てられていることに腹を立
て、住んでいるマンションの住人全員のポストに、「クレーム」のビラを投函。
結果として待っていたのは、大家さんからの、「みんなが怖がっているから、
このマンションからすぐ、出ていってほしい」というお言葉でした。

 さて、こんな私が、医者が認めてくれるホントの「病気」になり、入院した
ら、どうなることでしょう。
 検査の痛さや辛さなどに耐えられるでしょうか。たとえば癌になった時など、
おそらく、「痛い、痛い」とわめく、見苦しい患者になるでしょう。
 漫画『おたんこナース』に、看護婦に向かって「あなたは健康なんでしょう。
あなたが憎い」と恨みをいだく患者のエピソードがありましたが、私もそんな
ヤな患者になりそうな予感がします……。

〈おかだ@かわさきおいわけちょう〉
というわけで、引越し先を早急にみつけて、引越しをしなければならなくなり、
この連載は最終回にさせていただくことになりました。しかし、「それでも人
生は続く」です。皆様のご健康をお祈りいたします。

〈追記〉
前回のこの連載でとりあげた、『フィンランドに憑りつかれ、裏切られた男』
の著者・小野寺誠さんに出版社経由で手紙を書いてみたところ、なんとお返事
をいただきました。
67歳の今もバックパッカーとして世界中をあてもなく放浪、先日までタイ北
部にいたそうで、今度は中央アジア方面に向かうそうです。実に、壮絶な人生
です。
なお、小野寺さんは、昨年、20数年ぶりにフィンランドに赴き、昔なじみの友
人たちと再会されたそうです。

「腰痛日記@川崎追分町」
http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/

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■大阪豆ごほん  郷田貴子(ちょうちょぼっこ)
(34)散歩しましょ、ぼくの猫さん
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前々回、杏さんが猫の話をしていました。前回、真治さんが犬の話をしてい
ました。今回はまた猫の話。ちょうちょぼっこでは2月から3月にかけて、
「にのにのいち」と「ねこねこいち」を開催します。「にのにのいち」は、以
前、「おとなの古書市」などを開催してくれたオリタさんが、200円の古本
を200冊売りにきてくれます。レコードもあるそうです。でも珍しい本はな
いそうです。ちょうちょぼっこのサイト の日記に、オリタさんが「にのにの
にっき」を連載中なのでそちらを参照くださいませ。「ねこねこいち」は『L
マガジン』が猫の特集をするというので、それにあわせてなんとなく集めてい
た猫の本を売ることになりました。

ちょうちょぼっこの4人はみんな猫が好き、というわけでもありません。福
島さんは「こたつ」という猫をずっと飼っていたし、真治さんは実家に何匹か
猫がいて、今もすごく飼いたいけど諸事情によって飼えないそう。そんな2人
は猫が大好き。古本が好きな人は猫が好きな人が多いのかしらというほど猫、
猫、猫とみんな言っている気がします。でも 次田さんは、特に好きとか嫌い
とかないみたい。次田さん自体が猫とか犬とかの動物に近いような気がします。
食べてる時とか、考えている時とか。

私の実家にも猫(みーちゃん)がいますが、玄関でつながれて飼われてたり、
妹は猫が近づくと「ぎゃあ」などと言ったりするくらいあんまり誰にも可愛が
られていません。室内猫なのに、家の中で野良猫のようになっています。私が
実家に帰っても狭い家の中でぜんぜん出会うことがありません。たまにその姿
をみつけると、ずっと寝てていいなぁと羨望のまなざしでまじまじとみつめる
くらい。そのまなざしにほとんど愛はありません。

以前、猫が大好きという友人に「ぜひ読んで読んで」と、やまだ紫の『性悪
猫』という漫画を渡されました。確か、ちくま文庫のものだった。可愛らしく
ない絵だなぁなんて思いながら読み進めると、あらまぁ猫が喋っているよ、し
かも嘘っぽくない! 描かれている猫の表情に見入りました。どの猫の表情も
何かいいたげで、何か思いふけっているので す。実際の猫をあんまりよくみ
たことがなかったけれど、なんだか猫の気持ちがわかったような気にさえなっ
てしまったのです。しみじみ読んだ漫画はそれがはじめて。ちょうちょぼっこ
には青林堂からでているハードカバーもあります。

ずっと飼われている猫と、拾われてきた猫の会話があります。

「どうしたね、恐いものなぞないとさっき言ったろうに」
「『守らねばならぬものなど今更もちあわせない』と言いすてたのじゃなかっ
たか」

「わたし野良だもの なんだって平気よ
「衣はすりきれて 食は饐えて 住いは朽ちて 持たないことは恐くないよ」
「持ってしまうと恐くなるよ 失くすのが恐いよ」

猫がこんなに難しい漢字で喋っているのに、全然違和感がない。
遠い目をする拾われてきた猫はほんとにそう思って佇んでいるとしか思えない。

猫「わたしはおかあさんであるから 素直に言えないこともあるよ、
  あのさ 仔猫みたいに 抱いてよ 砂袋みたいに 抱いていてよ」

おかあさん猫が、飼主である人間のおかあさんに喋りかける場面も、文字だ
けではわかりにくいのですが、甘える姿と表情が切なく愛らしくなんとも言え
ません。どの猫がおかあさんだとか、考えたことがなかった私は、はっとしま
した。

最後に、日向ぼっこして眠る猫のひとりごとです。

「せけんなど どうでもいいのです
 お日さま いっこあれば……」

ほんとほんと。猫好きのみなさま、ちょうちょぼっこでお待ちしております。

〈ごうだ・たかこ〉
節分の豆を食べながらネット上をうろうろしていたらしばらくお会いしてない
おまめさんの本『おまめの豆本づくり』(白泉社)をみつけて驚きました。
立春ですね。「さんぽしーましょぼくのねーこさん」とうたいながら散歩した
いものです。

貸本喫茶ちょうちょぼっこ
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-14-21 第一北堀江ビル402
http://www.geocities.co.jp/chochobocko/
*営業日は、第1〜3週末です。 金18:00-21:00、土日 13:00-21:00

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■食の本つまみぐい  遠藤哲夫
(22)日本人はコクですよ
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伏木亨『コクと旨味の秘密』新潮新書、2005年

岡崎武志さんは、『サンデー毎日』9月12日号の「文庫王の一冊」で、拙著
『汁かけめし快食學』を紹介評し、「ピケを張り、革命旗を掲げる」「これは
「食」を通しての、著者による階級闘争なのだ」と書いた。ま、じつは、その
つもりだ。階級闘争だの革命だのとかは、あるいは近頃の「改革」もそうだが、
目に見える外側の派手な言動や行動が注目されやすい。が、しかし、イチバン
問題なのは、人びとの内側なのだ。

たかがカレーライスを、いつまでもインドが元祖でイギリス経由の伝来だな
んていっているアタマで、政治だの経済だの文学だのを論じてみたところで、
茶飲み話のようなものだ。ま、茶飲み話なら、それはそれでよいのだが、なに
やら、ジャーナルだの編集だの評論だのエッセイだのと、いっちょうまえの仕
事をしているツラしているから笑ってしまう。かくて、現実の腐りきった現状
は何も変わらない。っつうことなんだね。自分が食べているものを正しく認識
することは、自己認識と社会認識の第一歩だと思うが。ま、事大主義におかさ
れたアタマには、そんなこといっても、わからんだろう。

『汁かけめし快食學』は2004年7月の発行、そのもとである『ぶっかけめし
の悦楽』は1999年の発行、そして本書『コクと旨味の秘密』は2005年だ。

『ぶっかけめしの悦楽』は、いろいろなメディアで紹介されたが、『汁かけめ
し快食學』のときも同様、その評のポイントは汁かけめしにあって、カレーラ
イスを汁かけめしの歴史に位置づけたことについては、あまり注目されてない
か、ま、判断できかねている様子がアリアリだった。そんな中で、『日経ビジ
ネス』2000年2月4日号「話題の書」は、無署名ながら、「今や国民食の代表
と言われるカレーライスは、一体どこから来たのか──。インドが「本場」で、
英国から伝来したというのが通説になっているが、本書の著者は室町時代の武
士が始めた“汁かけ御飯"以来の、日本固有の食文化から生まれたものだとい
う持論を展開する」「かけ御飯の進化の過程を辿り、「旨味のある汁、そこに
味噌をとけば味噌汁、醤油と片栗粉をとけばあんぺい汁、カレー粉と片栗粉や
小麦粉をとけばカレーである」とカレーライスの本質を説く著者。かけめしに
焦点を当て、日本の食文化の特徴をとらえた会心作だ」とした。

日本人の大勢が、とりわけ「コク」と「ウマミ」を意識したのは80年代、ア
サヒドライの広告「コクがあるのにキレがある」あたりからだろう。それまで
は、まとめて「ダシ」というかんじだった。つまり「ダシがきいている」とか
「きいてない」というふうに。

まず「ウマミ」が、化学的に抽出され「具体的な物質」の味として、国際語
になった。しかし、「コク」は、依然としてアイマイだった。それは、単なる
感覚的な主観的な味覚なのかもしれない。2004年の『汁かけめし快食學』のこ
ろでも、学界はともかくとして、一般的に得られる知識としては、そんな状態
だった。ただ「コク」という言葉は、いたるところで使われるようになっていた。

だから拙著では、汁かけめしを特徴づけるのは「コクとウマミ」である、そ
して、インドやイギリスのカレーと、日本で国民食といわれるほど普及したカ
レーライスは、おなじような名前であっても、まったく調理と味覚がちがう。
それは「コクとウマミ」を得る調理があるかどうかであり、伝来といわれるも
のには、それがない、ちがう料理なのだ。伝来した料理を日本流に変えて普及
したのではなく、「コクとウマミ」による汁かけめし料理が、伝来のカレー粉
を生かしたのがカレーライスだ。と述べながらも、コクについては科学的な根
拠があっての話ではないので、主観と体験にもとづくものだとした。ただ、「料
理とはなにか」から始まり、論理的な根拠は、それなりにシッカリしていたの
だが。ま、有名人や大学者や専門家のいうことじゃないと、なかなか信用され
ないものだ。

で、本書だが、その「コクの構造」を科学的に解剖している。それと、拙著
で論理的につめた、コクに関する基本的なことは、ほとんど近い内容だ。カレ
ーライスについても触れているが、おれの主張とピッタリ重なる。やはり、お
れは天才なのだ。たとえば、コクは、アイマイなものだが、日本人にはナント
ナクわかる、それが日本人の証明であるかのように、テナことをおれは書いた。
伏木さんは、コクは「日本のおいしさや満足感の中心に位置しているとさえ言
えます。日本人の好みや趣味にまで深く関わっているようにも感じます」と書
く。日本人のアイデンティティからコクをはずせないだろう。

ま、そういうわけで、本書は、ものを食べる日本人なら、必ず読むべきもの
であり、これを読んで拙著『汁かけめし快食學』を読めば、拙著は先見性や洞
察力や観察力や思考力など……頭脳のよさに富んだ、ようするにコクのある本
だと理解できるはずだ。

どうもちかろごは、文章の長さだの、カタカナの多さだの、表現の瑣末をあ
げつらねてよろこんだり溜飲さげたりしているコクのない本読みが多いようだ
が、やはり、人間もコクがないと薄っぺらなことばかり言うようになるから、
いけないね。ひとのことはいいから、自らコクのある人間になること、それが
革命や改革への道なのだ。ちょっと自慢がすぎ、本書の紹介になっていないか?
ま、読めば、わかる。

〈えんどう・てつお〉フリーライター。昨年、ほったらかしにしていた次の本、
新年早々に編集者から刃つきラブメールをもらった。しかし、夜中に酔って見
たらしく、まったく記憶になく、そのまま一月がすぎ、またメールをもらって
しまった。今年は実業のほうをやるつもりで始まっているし、どうなるのだろ
うか、この本。って書くと、ヤバイかな。やります、やります、必ずやります。
「ザ大衆食」 
http://homepage2.nifty.com/entetsu/

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■酒とつまみと営業の日々  大竹聡
(45)1日30冊を出荷した歓喜の5月
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『酒とつまみ』8号が納品されてから、朝日新聞の亀和田武さんのコラムで紹
介していただき、TBSラジオにも出演させていただいたことはすでに書いたが、
実は4月中に、月刊誌『dancyu』のWebでも、編集者さんのお気に入
りの1冊として、もったいなほどありがたい紹介文を掲載していただいていた。

 それらの反響が5月に噴出した。TBSの『ストリーム』というラジオ番組で
は、放送した内容をホームページからダウンロードして再生することができる。
そのことを私は、このとき初めて知った。さらに、『dancyu』の紹介文
の末尾には、小誌のホームページのアドレスを掲載していただいていた。 
 インターネットに非常に疎い私が、その威力を知ることになった。ネットを
介してラジオ番組を聴いてくださった方と、『dancyu』のホームページ
から小誌のホームページへと飛んできてくださった方たちが、ネットを通じて
直販を希望されたのである。

 その数がすごい。編集部には『酒とつまみ』の各号ごとに出荷ノートがある
のだが、その5月のページを繰ってみると、毎日びっしりと出荷の記録が残さ
れている。
取次店である地方・小出版流通センターへの追加の出荷は460冊。編集部
と直接取引をしていただいている書店さんへの追加発送分(初回配本を除く)
が約230冊。いつも激烈に注文をくれる銀座のバー『ロックフィッシュ』へ
の追加が100冊。そして、ネットを通じて注文をくださった個人読者への送
本が、128冊を数えた。これだけで、900冊を超える。1日30冊の超ハ
イペースだ。

 私が本当に驚いたのは、個人の読者さんからの注文数が、取次店からの追加
注文数の約3割にものぼったことである。
 本を作ったら、それを買っていただく必要がある。弱小も弱小。零細企業と
呼ばれる会社さえ、私たちから見れば立派すぎるくらいの大企業。それほどの
弱小所帯ではあるが、作った以上は売らなくてはならない。買っていただいて
初めて、次の号を作ることができるからだ。

 そんなスタッフ一同にとって、メディアを通じて知っていただいた方から、
よし、見てやろうかという意思表示を直接いただけることは、驚きであり、心
底ありがたいことだった。

 毎日来る注文に、コツコツと対応したのは編集Wクンである。私はどうだっ
たか。私は酒を飲んでいた。できたばかりの創刊号を持って地方・小出版流通
センターに飛び込み営業をかけ、200冊の注文をいただいた頃のことを、そし
て、書店の店頭で「この本を置いてください」と勇気を振り絞ってお願いした
日のことを、ゆっくりと思い出しながら、ホッピーやレモンハイ、ウイスキー
のソーダ割りなどを飲んでいた。
 ありがてえや。本当にありがてえ……。
平成18年の5月は、静かな歓喜の1ヶ月だった。

〈おおたけ・さとし〉酒とつまみ編集発行人
1月22日、ようやくのことで『酒とつまみ』第9号が印刷所から納品された。
目下、全国の直接取引をしていただいている書店さんや個人の読者の皆様への
配本作業を必死で継続中です。発送が遅れ、たいへん申し訳ございません。今
号も、なにとぞよろしくお願いいたします。
http://www.saketsuma.com

ブログ「『酒とつまみ』三昧」
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■版元様の御殿拝見  塩山芳明
(54)図書新聞社の巻  神保町が全滅しても生き残りそう
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“本屋でくれる新聞”の『週刊読書人』や、“全共闘のシンパ新聞”の『日本
読書新聞』に比べ、地味な『図書新聞』は昔から座敷わらしのような存在だっ
た。 “御殿”があるのは、千代田区神田神保町2ー1ー8。白山通り裏手で、
露地を隔てて天ぷら「いもや」。白い4階建ての鈴木ビルはややすすけている
が、同社の白地に黒い極太明朝体文字の看板は、よ〜く目立つ。2階がメイン
のようだが、1階も倉庫に(一時、売れそうにない本も出してたヨ)。

 露地に御殿も看板もよくなじんでいる。当然で、筆者は学生時代から数え、
付近を歩き回るようになり約35年になるが、『図書新聞』はズ〜ッとここに。
何しろ近所には、男なら99パーセントの確率で行ってるはずの、エロ本の殿堂
「東西堂書店」が。学生時代はもっぱら実用に、今は仕事でここへ(エログラ
フ誌類から、ブラシ絵用の写真資料をパクるため大量買いを。ここ、新刊も
「日本特価書籍」同様に一割引き)。

 そんな際、ふと露地を見ると必ずこの看板が。「まだあるんだな〜。どこで
売ってるんだろな〜。誰が買ってるんだろな〜。大きなお世話だな〜」。暇だ
と余計な事も考えたり。引っ越さないトコ見ると、よっぽどいい大家さんなの?
(アコギな三菱銀行の貸しはがしに遭った、我が栄昇ビルの旧大家さんのよう
に)。座敷わらしにふさわしいたたずまいだ。

 逆にふさわしくないのが、同社HP。中でも、“ゴリゴリ・レビュー”であ
るとのキャッチの付いた店主敬白は、石原“激親馬鹿”慎太郎知事のドタマ並
にイカれまくり。“思想の本舗・図書新聞では創業55年一貫して知のトレンド
を練り続け、アヴァンギャルド・シーンの生きた批評を完全パック、産地直送
させて頂いております。媚びない。退かない。甘くない。そのラジカリズムに
徹した辛口の本格書評は…”。最初はギャグのつもり? と思ったが、結構本
気らしい(55年も練り続けたら、粉も空気になっちまうよ)。

 で、昨年数十年振りで同紙を買う(自分の本の書評が出てたため。コレが20
代の時であれば、うれしくて数十部買い占め、親類縁者に配りまくったかも。
さすが50代になると…)。紙面の感じは60〜70年代のまんま。シーンと静まり
返っている。キッチリとレイアウトされて読み易いのだが、サッパリ面白味が
ない。文章の中身で勝負せよなのか?(北朝鮮や創価学会のマスゲームと、ど
っかムードが似ている)

 さっきも昼飯ついでに「東西堂書店」に寄り、看板をチラリ。もちろんいつ
ものまま(隣のヤマト樹脂光学がビルを建築中で、ちょっと息苦しそうだが)。
近くの定食屋「マミ−」は健在だが、「グラン」はまたも長期休業中。個人商
店が次々と廃業に追い込まれる中、白地にスミ文字の同社の看板は不敵ですが
すがしい。神保町が大火で全滅しても生き残りそうだ。いや、『図書新聞』が
廃刊になってもか?(チ〜ン…) 
〈しおやま・よしあき〉エロ漫画編集者。編プロ「漫画屋」を率いる。著書
『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(一水社)。『嫌われ者の記』をベースにし
た新刊『出版業界最底辺日記 エロ漫画編集者「嫌われ者の記」』(ちくま文
庫)が好評発売中。
なお、この連載に関しての批判・苦情・お叱りは筆者本人まで、どうぞ(た
だし、謝るとは限りません)。
mangaya@air.linkclub.or.jp
http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/

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■楽しみと日々 古書展と書簡をめぐるあれやこれや  つばめ
第13回 中上健次と二人の死刑囚 その1
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 平成17年10月16日午後7時。東京古書会館。地下室の古書展。『極私的東京
名所案内』刊行記念。坪内祐三トークショー。たまゆら。たまもの。orchis.聞
き手亀和田武。目覚めよと呼ぶ声あり。1968年。新宿。ジャズ喫茶ビレッジ・バン
ガード。ウエイターのバイト、北野武。常連客、中上健次。そしてもうひとり、
客とも同僚とも目を合わせない陰気なボーイ、永山則夫。暗いあんちゃんたち。
ちょっとデキすぎた伝説。「その三人が、本当にそこで出会っていたのかどう
かを、じつはぼくと亀和田さんでここ十数年、調査しているんです。」。彷書
月刊2005年12月号31頁。

 わたしは、真相は藪の中だと思うものの、本当に三人が出会ったという証拠
はないと思う。以下に記したのは、そのことを調べたときに、資料から抜き書
きしたメモである。

【連続拳銃魔永山則夫の物語】
 永山則夫(1949.6.27-1997.8.1)19歳。

(拳銃を盗む)
 昭和43年10月初め、「駅馬車」、横須賀基地、22口径小型拳銃(婦人の護身
用)、実包50発くらい、米国製ジャックナイフ、8ミリ撮影機、ハンカチ2枚、
ドル紙幣十数枚。

(東京プリンスホテル射殺事件)
 東京タワー。10月11日午前零時50分、東京プリンスホテル、弾丸2発、綜
合警備保障株式会社派遣警備員27歳、独身。増上寺。有栖川宮記念公園。

(京都八坂神社射殺事件)
 見物するところの多い京都へ行こう。大きな噴水のある寺。鳩がたくさんい
たのでしばらく遊ぶ。新京極。「ヒットラー十三階段の道」。10月14日午前1時
35分、京都八坂神社境内、「ぼん、どこへ行くのや」、2発、「そんなことよさん
か」、4発、警備員69歳、妻と6人の子、一日三合の晩酌が楽しみ。

(北帰行)
 池袋の兄に9000円無心。上野。青函連絡船。函館。札幌。長万部。「私の故
郷(北海道)で消える覚(後)?で(帰)たが、死ねずして函館行のどん行に
乗るこのone weekどうしてさまよつたのか分らない/私は生きるせめで二十
歳のその日まで、罪を最悪の罪を犯しても、残された。/日々を、せめて、み
たされなかった金で生きるときめた。/母よ、私の兄姉妹とよ許しは問わぬが
私は生きる。寒い北国の最後のと思われる短かい秋で私はそう決めた。」福音
館書店の社会科学習小辞典余白[映画「裸の十九才」では金田一京助編『明解
国語辞典』を使用。新明解は1972年初版発行]。

(函館のタクシー強盗殺人)
 10月26日午後11時13分、亀田郡七飯町、弾丸2発、帝産函館タクシー会社
勤務31歳、妻と2人の幼子、7200円。

(名古屋のタクシー強盗殺人)
 11月5日午前1時25分、名古屋市中川区、「港へ何しに行く。今行っても何
もないよ。」「あんた、東京の人でしょう。今晩どうする。」、4発、八千代タ
クシー株式会社勤務22歳独身、7000円、セイコー腕時計。

(逮捕)
 昭和44年4月7日午前1時40分、原宿駅近く、一橋スクール・オブ・ビジ
ネス、2発命中せず、日本警備保障株式会社東京支社警備員22歳。残り十七
発所持。

(第1審の判決書より)
 昭和43年12月から新宿の深夜喫茶店スカイコンパでボーイ見習として働き、
昭和44年1月から新宿の喫茶店ビレッジバンガードに移り、原宿事件で逮捕さ
れるまで、同店でボーイとして働き、その間恋人もでき、同棲生活を送るなど
約四か月間普通の生活を送っていた、いわゆるゴーゴーなどに熱中して明るく
勤務していた、スカイコンパ支配人「素直で忠実で非常に若さあふれる」、ビ
レッジバンガード支配人「他の従業員より明るい」、東京地裁昭和54年7月10
日判決・刑集37巻6号690頁(死刑)。

(第1次控訴審の判決書より)
 昭和43年11月末に上京し、幸荘に住んで、12月4日からスカイコンパに、
昭和44年1月8日から深夜喫茶店ビレッジ・バンガードにボーイとして勤務、
東京高裁昭和56年8月21日判決・刑集37巻6号733頁(無期懲役)。

(検察官の上告趣意より)
 昭和43年12月4日から同月末まで新宿区所在のマンモスバー「スカイコン
パ」に、昭和44年1月8日ころから4月5日まで同区所在の喫茶店「ビレッジ・
バンガード」に、それぞれ店員あるいはボーイとして勤務したが、勤務先上司
の証言によれば、勤務態度は大変まじめで明るかったという。最高裁昭和58年
7月8日判決・刑集37巻6号609頁(破棄差戻)。

(佐木隆三『死刑囚永山則夫』より)
 ビレッジバンガード支配人の証言。「ビレッジバンガード」は、喫茶もやれ
ば酒も飲ませるモダンジャズの店で、午後一時から翌日の午前九時まで営業す
る。当時の従業員は十三人で、勤務時間は、昼は午後一時から九時、夜は午後
九時から翌朝朝五時まで。午前五時から九時は夜勤の者が交代で残業していた。
ボーイの永山は夜の勤務で、よく午前九時まで残業をした。たいへん真面目で
明るい性格だった。永山は体が小さく、明るい顔をしてお客さんと踊ったりし
て、可愛がられていた。「一〇八号事件」のあと明るいというのは、とても普
通ではなく、故意に明るくしていたのかもしれない。給料の支給額は、本給が
二万七〇〇〇円で、残業手当と歩合がある。歩合は日払いだから、総額として
は四万から四万五千円くらいだった。

(教訓)
 殺人者が、常に、暗い、陰気な、表情を見せている、とは限らない。
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