[書評]のメルマガ

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[書評]のメルマガvol.302
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■■ [書評]のメルマガ                2007.2.28.発行
■■                              vol.302
■■ mailmagazine of book reviews           [ダブル書評]
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■コンテンツ
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★「極私的読書日記」/石飛徳樹
→今回もお休みでーす

★「面白すぎて、♪どうにも止まらねぇ!」/ミラクル福田
→超話題作、なんとダブル書評! そういえば新人類と呼ばれた年代も、もお
じさんまっさかりの年頃ですね(笑)

★「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
→ダブル書評第二弾、生まれたときからの消費者の行く末は……

★「あんな新刊こんな新刊」/荻原千尋
→乙女のデートコースはダムだった?

★「本の香りだけ」/守屋淳
→傑作料理本を復活してくれーと叫ぶ評者でした。
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■「面白すぎて、♪どうにも止まらねぇ!」/ミラクル福田
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わたしは「新新人類」となかよくできるだろうか?

『下流志向』 内田樹著 講談社 本体価格:1400円

早いもので、今年ももう3月です。
大きな会社だと、新しい人たちが入ってきて、
会社のなかが、すこしピリッとした空気になるそんな季節です。
まあ、三十半ばでもまだ若手といわれるような会社に勤めていると、
新しい人もなかなか来ず、
会社のなかでは、そんなさわやかなこともないのですが。

さてさて、
若い人というと、ちょっと前までは、若い世代の不可解な言動が
「新人類」という言葉で取りざたされていました。
この言葉ももう死語になったのか、
すっかり耳にすることは。なくなっております。
それに変わる新しいキャッチフレーズはいまだ現れていないようですが、
若い世代を表す言葉が、どうも過激になっているようです。

去年、売れた『他人を見下す若者たち』(講談社現代新書:速水敏彦)のオ
ビに、「自分以外はみんなバカ」(←あいまいですが)という文言がありま
した。この本については、
「著者自身が若者をバカにしている」などという批判もありましたが、
実際によく売れたので、
多くの人が、ここ最近の若い人の「他人を見下している」ような傾向を
感じているのだと思います。
(こう言ってるわたしも、オビにひかれて買ったクチではありますが)
このどことなく他人を見下しているような様子を
最近出た『大切に育てた子がなぜ死を選ぶのか?』(平凡社:田中喜美子)
でも「王様意識」という言葉で表現したりしています。

『下流志向』では、こうした
「エラそう」な人たちが、なんでエラそうになってしまったのかについて、
わかりやすく解説しています。
といっても、「エラそうな人」というのではなくて、
「下へと志向する人」としてですが。

著者にいわせると、「学ばない」「働かない」といった人たちは、
合理的に選択した結果、勉強も仕事もしないのだといいます。
なぜ、合理的なのかというと、
勉強しても、仕事をしても、その甲斐がないから。

小さな頃から、お客として慣らされてきた結果、
消費者としての「構え」ができてしまって、
すぐに見返りがないと、反応しなくなってしまっているんだそうです。
「王様意識」ではなくて、「消費者意識」といったところでしょうか。

現代の学生の様子なども随所に記されていて、
遠く来し方を振り返る身となったいま、
「新しい人:新新人類」の様子に、深い感慨を覚えるとともに、
かなり不安を覚える一冊でありました。

(ミラクル福田 編集者)
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■「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
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 希望のない日本の未来に希望を!

 aguni です。私事で恐縮ですが、巻末に紹介しているブログですが、現在、
発売中の一流ビジネス週刊誌「プレジデント」“情報の達人”にて紹介いた
だいています。ありがとうございます! 皆様、是非チェックお願いします!

『下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち』
 内田 樹著 講談社(2007.1)
 http://www.bk1.co.jp/product/2738070/p-aguni00047

 この本にはたくさんの不思議がある。

 まず最初に不思議なのは、この本がベストセラーになっていること。こん
な救いのない本を買っている人がそんなにいるということに、まずは驚かさ
れる。

 そしてもちろん、内容にも。もちろん学級崩壊とかニートの問題というの
は認識していたが、これほどまでに日本の未来が崩壊の危機にあるというこ
とに、驚いた。いや、もう崩壊している、ということのかもしれない。わが
子に身の覚えのある親がこの本を買っているのかもしれない。

 著者は神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス思想、映画論、武道論。
教育の専門家でも社会学の専門でもないが、最近は専門外の人の方が言いた
い放題言える世の中だから、ちょうどいいのかもしれない。

 この本のテーマは、「アメリカンモデルの崩壊と、教育・労働から逃げる
子ども・若者達」。で、ちなみにソリューションは提供されていない。

 子どもはそのロールモデルを親に求める。親はどうか。父親は自分を犠牲
にして妻のため、子どものために働いている。妻は働く旦那のため、自分を
犠牲にして旦那に尽くす。子どもは思う。何で自分を犠牲にして何かをしな
ければならないのだろう・・・。

 そして教室で訴える。自分が机に座って勉強することで、何を自分は得ら
れるの? 社会に訴える。自分が時間を拘束されて労働することで、何を得
られるの?

 そして彼らは結局、純粋な消費者になった。ゲームをしたり、ネットを見
たりして時間を過ごす。特にニートを養っているのが両親だとすると、彼ら
は親への復讐かのごとく、消費をし続ける。引きこもっていても消費ができ
るのが、ネット時代の恩恵だとしたら、これはかなり悲しい。

 ここからはちょっとこの本から外れるけれども、これは結局、今の日本の
商業主義の結果なのかもしれない、と思う。

 私が学生の頃、子どもの頃にはありえなかった風景が、今では当たり前に
なっている。子供向けブランド服。子供向け美容院。子供向けケータイ。学
生向けクレジットカード。全部、ありえない。

 きっといつの頃か、日本のビジネスマーケットは子どもに市場を広げるこ
とを考えた。その前提にはもちろん、人口が減少する社会において、なんと
か販売数を上げたい、生産性を向上さぜたい、という意図があったことだろ
う。そのために、いろいろなロジックを講じる。これは企業努力だ。曰く、
子どもの居場所がわかるから安心。普段使いのクレジットカード。お財布ケ
ータイ。クレジットカード機能搭載・・・。

 しかしそれは子どもを「稼ぐ」前に「使う」ことができる習慣をつけるこ
とを意味していたのかもしれない。そしてその習慣を心なくも用意するため
に、稼ぐ金額、与える金額を増やした両親・・・。

 子どもにお金や商品、サービスを与える前に、子どもの未来について話を
する機会を増やすこと、人生において、学びと労働の喜びについての話をす
る時間を増やすことが、ゆっくりだけれどもいちばんの特効薬かもしれない。

(aguni ビジネス書評者/認定コーチ&日本経営品質賞セルフアセッサー
 メルマガ・ブログ「bizbook.tv」主催 http://bizbook.tv/ )

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■「あんな新刊こんな新刊」/荻原千尋
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皆さんこんにちは。
つい先ほど、迷いに迷って本屋大賞二次投票を完了させました。
締め切りぎりぎりでした。間に合ってよかった・・・。まあ、自己満足か
もしれませんが、大切な役目を完了させた気分です。
本屋大賞は、書店員が、「もっと売りたい」本を選ぶ賞。「好きな本」
と「売りたい本」は、同じ場合もあるし違う場合もあるんですよね・・・。
ノミネートされた10作を読みながら、どれに投票するか迷いながら、
いろいろなことを考えさせらました。

さて、今月は久々に写真集を紹介させていただきます。乙女派書店員
の私が、なぜか最近注目していた「ダムサイト」管理人の方による
史上初のダム写真集が発売になりました。
その名もシンプルに「ダム」(萩原雅紀・著 メディアファクトリー)。
その潔さ、かっこいい!

世の中に、「ダム好き」という人々がいることを知ったのは今から5年
ほど前でしょうか。職場にダムマニアな人がいたのです。
当時は、ダムの魅力をよく知らず、環境破壊のイメージしか持ってい
ませんでした。ダムの魅力について熱く語られたりしたら、反応に困
るだろうと思い、そのマニアな人との長い会話をなるべく避けるよう
にしていました。
しかし、その後、旅行先で偶然ダムの近くに行くことが何度かあり、
気がつくと旅先でダムの所在を探すように・・・、というほどのことはな
いのですが、なかなか感じるところの多い、インパクトのある巨大建
造物として、興味を抱くようになりました。
だからって、自分がダムの写真集を自分の金で買う日が来るなんて、
思いもよりませんでしたが・・・。

本に話を戻しましょう。この本は、幼少の頃からの筋金入りの
ダムマニアである著者による、ダム素人にもダムの楽しみ方がわかる
写真集なのだそうです。
「人々がどうしてダムに注目しないのか」と幼い頃から思っていたと
いう著者のダムに対する強い気持ちに、ちょっとけおされます。
この本を読むと、「日本でもトップクラスにダムを語れるようになるは
ず」なのだそうですが、・・・別に語りたくはないし、誰と何を語れとい
うのか?

そんな風に突っ込みつつも、いろいろなダム写真を見ているうちに、
どんどんダムが好きになる自分を抑えられなくなってきました!
「堤体」だの「洪水吐」と言った覚えたて専門用語でひとつひとつの
ダムの違いを理解しようとする自分にハッとしました。その巨大ぶり
や、放流のダイナミックさを見ていると、著者がそこまでダムを愛す
る気持ちも、なんだかわかってきてしまいます。
それぞれのダムに対し、著者が寄せている短いコメントが、なかなか
いい味を出しています。専門用語に慣れていない者にはいまひとつ
イメージがつかみにくいホメ方をされていたりもするのですが、
「粋な計らい」だの「ヨーロッパの古城か宮殿にでも迷い込んだよう
な」だの、ダムに対するコメントとは思えない表現や、「周囲を取り囲
む発電ダムたちに対する威嚇か」というようにダムを擬人化する表現
に、並々ならぬ愛情を感じ、思わず笑いがこみ上げます。自分の好き
なものの魅力を、一生懸命人に伝えようとする、小学生男子のような
ひたむきさに心を打たれました。

本の作りも、ダムをよく知らない人が、もっと知って楽しむための
仕掛け(ダムめぐりの方法など)が用意されており、値段も1680円
と手に入れやすい金額。決してマニア向けの本ではありません。
いろいろな角度から取られた壮大なダムの写真は、素人目にも迫力が
あって面白く、ちゃんと中を見れば興味を持つお客様も多いだろうな
あ、と思います廃墟ブームや地下ブームの流れで、「ダムブーム」が来
れば、結構売れてしまうかも。人気のあるタレントが、「ダム最高!」
というような発言をどこかでしてくれればいいですね。

これからは、旅行に行くたびに訪れた先でダムを探して訪れてしまい
そうです。いや、日帰りできるダムに、来週にでも出かけてしまうかも。

次は、もう少し価格を高くしてもいいので、ダムの迫力がわかる大きめ

の写真集を刊行してほしい・・・、などと考えてしまうのですが、

もしかしてもうダムマニアになってる?

(一応、乙女派なんですけど、両立できるんでしょうか?)



皆さんも、店頭で見かけたら、ぜひ手にとってみてください。

そうそう、最後に一言。本屋大賞の結果発表は4月5日です。

どうぞご注目ください。

(荻原千尋 美人乙女派書店員 カレーが好きとの噂)

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■「本の香りだけ」/守屋淳
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ぜひ復刊を望みたい一冊

『異国のメシーる』たけだみりこ と ねじれた空間 
メディアファクトリー 951円(税抜き)

社会人になって以来、ずっと一人暮らしだったわたくしは、それなりに自炊
をやっていたんですが、結構ひどい料理を作りまくりでした。ま、失敗すれ
ば自分で食べればよかったので、冒険が出来ちゃうんですよね(笑)

そんななかで、味も良く、栄養のバランスも満点な一品が「三色丼」でした。
どういうものかというと、ご飯の上に納豆と、メカブコンプと、温泉卵をか
けて食べるというもの。え、料理じゃない? 乗せただけ? いやいやそん
なことはないはずなんですが……(笑)

そんな中でお勧めしたい料理本がこれ、なぜ品切れ(絶版?)になっている
のかわからない、傑作料理本だと思います。

内容としては、世界各国の料理を、身近な材料だけで作ってしまおうという
なかなか大胆なもの(笑)出版された1992年当時は、モロヘイヤさえ一
般的ではなかったので、オクラで代用可になっています。他にも、
ナムプラー・ヌクマム→しょっつる、ダシしょうゆ
クミン・コリアンダー→カレー粉
洋ナシ→りんご
トポポス→春巻きの皮の唐あげ

など、まあ似てれば何でもいい感じ(笑)。それで出来ます料理が、

ベトナムの「ブン・テット・ポー」
イラクの「マクルゥバ」
エジプトの「タァメーヤ」
ネパールの「ククラコ・マスコ・カリー」
ケニアの「ンコンベ」
などなど、凄いでしょ。

しかも知人友人に振舞っても、元の味を誰も知らないから、失敗作でも誰も
わからない(笑)おもてなし料理にはうってつけ(おいおい)。

もちろん、本物とはちょっと違うものが出来てしまうのでしょうが、こう
いったものを自分で作ってみると、その国なりの料理の考え方――それは文
化と言っても良いのでしょう――が見えてくるところがあって、勉強になる
部分もあると思います。

僕が実際に作ってみて美味しいなあと思ったのは、チレ・コン・カルネ
(一般的にはチリ・コン・カルネと表記されます)ですねー。おせちの黒豆
や、フジッコのお豆さん辺りしか知らなかった私目にとって、豆がご飯のす
すむおかずになる、というのは、日本にはない知恵だよなーと思いました。

文庫や新書の新刊ネタにつまっている出版社さん、いいネタまだ残ってます
ぜー(笑)ぜひお願いします。


(守屋淳 今まで呼ばれたことのある肩書……ライター、書評家、兵法評論
家(うさんくさい・笑)、中国古典研究家、中国文学者、面倒くさいので自
称作家(笑) 41歳)
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■あとがき
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>実は今回ダブル書評となった内田先生の本、読んではいないんですが、
>はあはあ
>aguniさんの書評読むと、実は前にこのあとがきで書いた「消費者のモラル
と製造者のモラル」が乖離していると言う話と同じだなーと思ったんです。
似た話は『使える新書』という本の出産と育児のとこでも昔書いたのですが、
やはり小売や教育の現場にいると同じことを考えるんだなーとも思いました。
>まあ、より楽に、より便利に、より速くになれると、自分が苦労して何か
を作ることなんて嫌になってきちゃうのかもしれませんねー
>ま、出来たものを評論している方が、楽ですしねー。その点、このメルマ
ガ書いている人は、みなさん自分で大変なことを成し遂げている方ばかりと
いう背景があるので、実に心強いですねー
>おお、自分のことはヘナヘナなのに、他のみなさんのことだとエバリます
ねー
>そうそう、自分はエバリようがなく、それしかエバルとこないから(笑)
こんな感じで三百回も超えましたがなにとぞよろしくお願いします。
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