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[書評]のメルマガ vol.332
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■■ [書評]のメルマガ   2007.10.15発行

■          vol.332
■■  mailmagazine of book reviews[ スピード感とリズム感 号]
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[CONTENTS]------------------------------------------------------
★近事雑報「南陀楼綾繁のホンのメド」
 →本をめぐる情報+アルファの雑談です。秋は神保町が賑やかに。
★「関西古本女子だより」郷田貴子(ちょうちょぼっこ) 
 →大阪と神戸の「本スポット」から届く、楽しくて美味しいお便り。
★「食の本つまみぐい」遠藤哲夫
 →〈大衆食堂の詩人〉エンテツが料理文化史の重要本を紹介します。
★「酒とつまみと営業の日々」大竹聡
 →各方面で話題沸騰のミニコミ「酒とつまみ」の営業秘話です。大好評。
★「版元様の御殿拝見」塩山芳明
 →新幹線通勤中に毎日一冊は本を読む男が版元の社屋を徘徊します。

*本文中の価格は、すべて税抜き(本体)価格です。

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■南陀楼綾繁のホンのメド 
新刊、古書、マンガ、雑誌、ウェブサイト、書店、イベントの近事雑報
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★ブックオカが開催中
 昨年からはじまった福岡の本イベント「ブックオカ」。今年は10月ぜんぶに
イベントがまたがるという凄さ。「福岡の書店員が選んだ激オシ文庫フェア」
「書店員ナイトin福岡」「カフェで再現! ブックレシピ」など20近くの
企画が。そのなかからいくつか紹介。

◎「全国リトルマガジンフェア」(〜31日) 丸善福岡店
書肆アクセスの選んだリトルマガジンが並びます
26日(金)18:30〜 南陀楼綾繁トーク「全国リトルマガジン紀行」

◎「一箱古本市」
27日(土)11:00〜16:00 けやき通り(雨天の場合は翌日)

◎「ブックオカアカデミー」 石村由起子、福島杏子、内沼晋太郎
27日(土)13:00〜

イベントの詳細はサイトを↓
http://www.bookuoka.com/

★書肆アクセス、店内最後のフェア
第6回 書肆アクセスフェア
「けものみち計画」が選ぶ 書肆アクセスの30冊

期間;2007年10月15日(月)から11月2日(金)まで
会期中、フェア対象書籍お買い上げのお客様には、オリジナル小冊子をプレゼ
ントします。

地方・小出版流通センター 直営店 書肆アクセス
千代田区神田神保町1−15
03−3291−8474
http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/

★神保町シアターで「東京映画」
神保町シアター特集プログラムの第2弾、「川本三郎編 映画の昭和雑貨店2 
昭和30年代ノスタルジア」が10月20日(土)より11月2日(金)まで上映
されます。評論家・川本三郎が昭和の日本映画の中から選んだ17作品を、1日
4作品ずつ上映。「洲崎パラダイス 赤信号」「たそがれの東京タワー」「東京
の孤独」「渡り鳥いつ帰る」など。ナカでも、古書市場が出てくる、三島由紀夫
原作の「永すぎた春」は神保町で観るのにふさわしい映画。

★大崎梢・南陀楼綾繁トークショーin神保町ブックフェスティバル
「本屋さんには謎がいっぱい」

 書店員が活躍するミステリなどで人気のある作家・大崎梢さんと南陀楼が書
店の「謎」について語り合います。大崎さんはコレがトーク初登場とのこと。

10月28日(日)13:30〜
会場:岩波ブックセンター3階
入場無料

申し込み方法
(1)はがきに〒・住所・氏名・電話番号を明記して
〒100-8502 東京新聞広告局「本屋さんには謎がいっぱい」係へ
(2)同じくファクス03−3595−4877 
(3)東京新聞HP http://www.tokyo-np.co.jp/book/zinbocho/ で申し込み
いずれも応募は1枚または1回でお一人分。応募多数の場合は抽選。
締め切りは10/17日必着

★「ハンガリー絵本原画展 ―レイク・カーロイを訪ねてー」
 オンライン古書店の〈パビリオン・ブックス〉が企画する、ハンガリーの国
民的芸術家レイク・カーロイの展覧会。日本初公開となる原画30点をはじめ、
貴重な絵本の数々をご覧いただけるまたとない機会です。

2007年10月22日(月)〜11月4日(日)/東京 Amulet(アミュレット)
東京都千代田区神田神保町1-18 三光ビル1F
tel/fax 03-5283-7047
11:00〜19:00(初日のみ13:00〜) 会期中無休

2007年11月29日(木)〜12月23日(日)/奈良 Gallery OUT of PLACE
奈良市今辻子町32-2
tel/fax 0742-26-1001
12:00〜19:00 月〜水曜定休

2008年1月15日(火)〜1月28日(月)/京都 恵文社一乗寺
ギャラリーアンフェール
京都市左京区一乗寺払殿町10
tel/fax 075-711-5919
10:00〜22:00(最終日のみ18:00まで) 無休

(イベント)
アニメ上映 スライド&トークショー
2007年12月1日(土)16:30〜19:00
会場/奈良 Gallery OUT of PLACE 参加無料

パビリオン・ブックス
http://pavilion-b.ocnk.net/

なお、ココに載せられなかった新刊、イベントなどの情報は、随時以下に
掲載しています。ときどきご覧ください。
「ナンダロウアヤシゲな日々」
http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/

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■関西古本女子だより  郷田貴子(ちょうちょぼっこ)
 *「毎日が本のなか」を改題します
(2)愛しのトンカさん
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10月は、大阪でもあちこちで古本市がひらかれてます。ちょうちょぼっこは、
京都にて、秋のまほろば古本市に参加します。これを書いている今日のこと。
あやしかった天気に、陽の光が。主宰の扉野さんの念力ですね。手廻しオルガ
ンのオグラさん、萩原魚雷さん、そのほか出品者のみなさんとの、鴨川沿いの
ゆうべは楽しそう。私は、行けないので、あとの2人におまかせ。

さて、大阪豆ごほんというタイトルの連載は、おまめさんが忙しくて、いつ
のまにか終了の運びに。今度は、トンカさんと一緒の連載ということでうれし
いです。トンカ書店には、こないだ、ちょうちょぼっこ在阪組の3人でお邪魔
してきました。「ほんの手帖展」をみにいったのです。大島さん秘蔵のミニコ
ミ誌古本の展示販売などの中に、「ボブ」と「ちょうちょぼっこ図書目録」も
ありました。自分たちもひさしぶりに思い出して、まほろば古本市にも持参す
ることに。なつかしの「ボブ」には、書肆アクセスの畠中さんにも、ミニコミ
を扱うお店の人として、書いていただいたのでした。

トンカ書店には、わたしたちがお邪魔してる間も、お客さんがたくさんおと
ずれ、トンカさんのさわやかな「いらっしゃいませ」と「ありがとうございま
した」を何度もきき、「すげー」とささやきあう三人。でも本当に、トンカさ
んのお店には用がなくても、立ち寄りたくなるのです。私も元町で働いてたら、
仕事帰りに「きいて、きいてトンカさんー」とあそびにゆくにちがいない。

トンカさんに向かう前に、どこかでごはんを食べようと繁華街をうろうろし
て、途方にくれ、東京の杏さんに「どこか食べる店おしえてくれ」と電話をし
て、あきれられる。おしえてもらったピザ屋にもたどりつけず。杏さんは、今
月末、福岡のブックオカというイベントの、ブックオカアカデミーという講座
に登場するので、お近くの方はぜひどうぞ。最近福岡にできたらしい珈琲と古
本のお店、coffonとやらも気になります。

最近、漫画ばかり読んでいて、きちんと本を読んでないのだけど、この間や
っと読み終えたのは、岩阪恵子の『淀川にちかい町から』という短編集。少し
歩くと淀川の土手にでることのできる、旭区大宮や千林あたりに住む人々のく
らし。梅田にでかけても、おいしいと思えるものがなくなったねぇと、家で芋
のお粥を食べる老夫妻や、うどんやで食べるあったかいきつねうどんの味など
を、しみじみ思いうかべながら、読む。同じ著者の『ミモザの林を』という詩
集をみつけたい。

〈ごうだ・たかこ〉貸本喫茶ちょうちょぼっこのメンバー。
10月のちょうちょぼっこでは、チェンマイのこどもたちの作品がたくさん。
通常の営業時間外にも、オープンしてます。詳しくはHPを。
http://chochobocko3.seesaa.net/article/54654460.html

貸本喫茶ちょうちょぼっこ
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-14-21 第一北堀江ビル4F
http://www.geocities.co.jp/chochobocko/
*営業日は、第1〜3週末です。 金18:00-21:00、土日 13:00-21:00
貸本喫茶ちょうちょぼっこ
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-14-21 第一北堀江ビル402
http://www.geocities.co.jp/chochobocko/
*営業日は、第1〜3週末です。 金18:30-21:00、土日 13:00-21:00

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■食の本つまみぐい  遠藤哲夫
(25)スピード感とリズム感のある料理
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瀬尾幸子『簡単!旨いつまみ』学習研究社、2007年

『酒とつまみ』の「瀬尾幸子のつまみ塾」が早く本にならないか、だけどあの
編集部はそれどころではなさそうと思っていたら、こんな本が出た。瀬尾さん
は近頃「つまみ本」が続いているらしい。「私、つまみ研究家にされちゃいそ
う」と言っていた。瀬尾さんの肩書は「料理研究家」だ。「つまみ」は料理で
はないのか? といえば料理だし、やはり本書は「料理論」があるひとの本に
なっている。むしろ高邁な本格的なこけおどしのきく料理より、それが際立つ
ようだ。

「アイデア自慢の速攻レシピ102品」満載。「瀬尾幸子のつまみ塾」もそうだ
が、瀬尾さんの料理には、独得のスピード感とリズム感がある。まさに「速攻」
なる言葉がふさわしいのだけど、リズム感は料理の原則や構造から生まれるか
ら、それがわかっていないと表現されない。アイデアとスピードだけで奇をて
らったものになる。

「酒のつまみ5か条」の中から、「ササッと作れてすぐ食べられる。これ、つ
まみの最低にして最大の条件」。「酒のつまみは、”おかず”ではない」「腹が
さほど膨れない、チマチマとしたものがいくつかあるというのが嬉しいのだ」
「ときにはチープな味もよし」。この最後があるから「素材の味を生かしたも
のがいい」「旬も大切にしたい」が、教条ではなく生きてくる。インスタント
や既製品もドンドン使うのだけど、それでもよいところ、それではいけないと
ころの区別がある。

 無造作のようでいて原則がある。たとえば最初の「刺身のごまじょうゆ和え
二種」では、「白身には白ごま、脂ののっている青魚には黒ごまが鉄則」と。
この鉄則が大事なのだが、ごまをタップリまぶした刺身、うめえんだよなあ。
「魚肉ソーセージ焼いただけ」では、「魚肉ソーセージは斜めに5佗に切る」。
「酒のつまみにぴったりの甘くない卵焼き」では、みじん切りの「長ねぎがし
んなりしてきたら、強火にし、卵を一気に流しいれる」。これらは、レシピの
表現以前に、料理の原則や構造に対する理解があってのことだ。ま、料理研究
家なら、それぐらいアタリマエなのだが、これが昔から、そうでもないのだ。

「感涙つまみ」という囲みが4つ。中でも「ねぎ塩のつまみ」と「みそ漬け」
は、原則や構造をコンパクトにまとめたものといえる。ねぎ塩やみそ床を作っ
ておき、いろいろに利用するのだけど、このやり方を知っておくと、じつに簡
単にさまざまな料理を楽しめるようになる。さらに第4章は「いつかは作って
みたかった 魚に勝負を挑む!」は、「あじをおろす!」「いかをさばく!」
「干ものを作る!」「しめさばに挑戦!」。ま、楽しい料理の入門書としても
よい。

 瀬尾さんは酒好きだ、もちろん量もいける。最近は、よく一緒に飲んでいる
ので、チトほめすぎたかも知れないが、酒好きの料理研究家じゃなきゃできな
い一冊であることは確かだ。ところが、この本、奥付には瀬尾さんの写真入プ
ロフィールがあるのに、表紙まわりには、どこにも名前が出てない。ムックに
しても、タイトルに「瀬尾幸子の」とか入れようがあるだろうと思って聞いた
ら、ご本人もほか関係者、そんなことはスッカリ忘れていたらしい。

〈えんどう・てつお〉フリーライター。
10月25日発行の「雲のうえ」5号は、北九州市の食堂特集「はたらく食堂」。
38ページに27店。編集=大谷道子、アートディレクション=有山達也、絵=牧
野伊三夫、写真=齋藤圭吾、文=おれという顔ぶれです。よろしく〜

「ザ大衆食」 
http://homepage2.nifty.com/entetsu/

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■酒とつまみと営業の日々  大竹聡
(53)人生初のトーク&サイン会
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 テレビに出させてもらったり、本の雑誌のみなさんと酒をご一緒させていた
だいたりで浮つきまくっていた2006年9月の末、極めつけのイベントの日がと
うとう来てしまった。

 重松清さんが参加を快諾してくださった、トーク&サインの会なのである。
場所は、ジュンク堂書店の新宿店特設会場。ここで私は、自著である『中央線
で行く東京横断ホッピーマラソン』と、小誌『酒とつまみ』について、語り合
い、サインなどもするという、すごい話になっていたのだった。

 私は、あがり症だ。とても、緊張する。遅れたらたいへんと思い、とても早
い時間から新宿へ到達、ドキドキする胸をかかえて、さて、ビールでも飲んじ
まうかなんて、自分自身に減らず口をたたいてみるものの、とてもではないが
そんな勇気もなく、まだ、誰も来てないよなという時刻には、会場へ着いた。
 するとしばらくして、小誌を店内で販売してくださっている銀座の酒場の常
連さんがふらりとやってきて、「やあやあ、ここですか、立派な会場じゃない
ですか」とにこやかに声をかけてくださった。わざわざ、この日の予約までし
て、たいへん忙しい方なのに、ずいぶん早い時刻から来てくれたのだ。参った。
ぐんぐんと緊張が高まってしまう。

 そのうちに、書店のスタッフの方に加え店長さんにも挨拶をいただき、アワ
アワ入っている間に、小誌スタッフと前後して、以前から応援してくださって
いる顔見知りの方々も続々と来場された。ああ、もう、いけない。

 そこへ重松さんも登場。奥の喫茶室で、
「まあまあ、オレに任せておいてよ。まずオレが出て行ってあなたのことを少
し喋ってから呼ぶからね。そうしたら出てきて。あとはこっちで突っ込むから
心配いらない」
 重松さん、それだけ言ってにこりと笑い、会が始まるや本当にそういう流れ
になって、私はもう、ただただ、マイクを持つ手が震えているのをどうやって
隠すかに専念していたのだった。

 話は、今回の単行本の企画の経緯やら、酒とつまみは今後どうするのか、と
いった、非常に広い範囲に及んだと思うのだけれど、実はあまり覚えていない。
頭真っ白というけれど、まさにそんな感じで、恥ずかしながら、ひとまず会が
終わりかける頃になって、やっと人心地がついた次第だった。

 ただ、よく覚えていることもある。重松さんが、「これだけ酒場のことを書
ける人はなかなかいないよ」というようなことを発言してくれたこと。とても
恥ずかしかったが、同じくらい嬉しかった。初めて体験する種類の嬉しさだっ
たように思う。

 それともうひとつ、会の終わりに、たいへん多くの方が、私の本を買ってく
ださり、サインを受けてくださったことである。このときになって私は、ふた
たび、手が震え始めた。早くビールの1杯も飲まないと、いや、ビールでは間
に合わない、ウイスキーをひと口ふた口飲まないとまともに字が書けない……。
 そんなことを思いながら、必死で手の震えを抑制していたのだった。(禁断
症状ではないと思います、一応)

〈おおたけ・さとし〉酒とつまみ編集発行人
痛風ってのはなかなか痛えもんだなあなどと、実はビビッているくせにデカイ
口をたたいていたら、今度は血尿が出ました。これは、けっこう、怖いもんで
すねえ。とても怯えて2日間くらい酒をやめようとか思いつつ、ビールをチビ
チビつないで、3日目にヤケクソでウイスキー飲んだから、きれいな尿が出て
ほっとした次第。

http://www.saketsuma.com
ブログ「『酒とつまみ』三昧」
http://blog.livedoor.jp/saketsuma/

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■版元様の御殿拝見  塩山芳明
(61)多賀出版社の巻  ミッフィーちゃんのいる“中国製カツラビル”
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“社会科学図書出版の多賀出版”が入居する、UNOビルは千代田区飯田橋3−
2−4。目白通り沿いの潮出版社ビル裏手の路地で、2軒隔てた飯田橋駅寄り
には現代書館のビル、より駅寄りには三笠書房(フランス書院)の御殿も建築
中。やたら本連載への登場頻度の高い版元が並ぶが、何の事はない、筆者の毎
日の通勤コース(テヘへヘ…)。

 UNOビル(多賀出版は1階)が出来たのはまだ10年位前だと思うが、当初は
見る度に神楽坂の某版元のビルを連想。英知出版だ。コンクリートを打ちっ放
しの外観がソックリ。英知のそれが建った頃は、まだまだエログラフ誌に勢い
があった頃(既にどこかに叩き売られたらしいが…)。一方、当時のUNOビルに
は、ミッフィーちゃんの著作権管理会社、デイック・ブルーナ・ジャパンが入
居。受け付けには人間大の例のキャラの置き物も。両セメントビルのイメージ
の落差に、内心クスクス(暇な奴だ…)。

 スミアミ55パーセント前後の同ビルは4階建て。窓枠のみスミベタ。所ど
ころにポツンポツンと小さな黒い穴。正面向かって1階右端に1台分の車庫
(金属のすだれ状シャッターはシルバー)。左側端にアーチ型階段。階段入口
前に花壇(ビデオで監視中とのヤボな警告あり)。つまり、スミアミ、ブラッ
ク、シルバーで決めた、シャレた建物なのだ。

 が、設計者の努力を水の泡にしてるのが、屋上のせこいプレハブの存在。上
等のスーツで決めた紳士が、バレバレの安物カツラを付けたとでも言うか(笑
いをこらえて全員知らぬ振り)。箱をいくら立派にしても、持ち主の品性次第で、
公園の青テント以下の御殿にとの見本。設計者のむせび泣きが聞こえるようだ
が、ここ店子が良く変わるような。ミッフィーちゃんと多賀出版の間にも確か…。
一見はシャレてるので(中国製カツラだが)、家賃が高い?

 同社、75年に府中市で設立と。社長は多賀省次(似たような名前の公明党の
代議士、昔おったね)。『都市観光のマーケティング』『現代的経営管理論の研
究』『ポーからジュール・ヴェルヌ、ランボーへー冒険物語の系譜をたどる』
『エクセルで政策評価ーすごくよくわかる実践的統計分析マニュアル』『憲法
を身近に』『公会計情報と政策情報システム ソフトネットワーク戦略研究叢
書第4巻』…。

 高岡厚子という人の、『ポーからジュール・ヴェルヌ〜』を除けば、まず読
書意欲の湧きようのない出版物ばかりだ(これとて定価3360円と聞いてはチ
ョット…)。既に700点以上刊行と。年に22冊前後。1階のあのフロアーだけ
で出してんじゃ、多いよなやっぱ(こういう趣味外の版元様、もっと幅広く研
究する必要が)。

 UNOビル、管理面でも種々うるさいのか、“多賀出版株式会社”との小さな
プレートが、ブラインドの隅にひっそり。“中国製カツラビル”が、粋がって
んじゃねえよ。

〈しおやま・よしあき〉エロ漫画編集者。編プロ「漫画屋」を率いる。著書
『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(一水社)。『嫌われ者の記』をベースにし
た新刊『出版業界最底辺日記 エロ漫画編集者「嫌われ者の記」』(ちくま文
庫)が好評発売中。
なお、この連載に関しての批判・苦情・お叱りは筆者本人まで、どうぞ(た
だし、謝るとは限りません)。
mangaya@air.linkclub.or.jp
http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/

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