[書評]のメルマガ

配信済のメルマガのバックナンバーを見ることができます。また、記事に対するコメントもお待ちしております。
<< [書評]のメルマガvol.363 | main | [書評]のメルマガ vol.365 >>
[書評]のメルマガ vol.364
■■------------------------------------------------------------
■■ [書評]のメルマガ   2008.6.16発行

■        vol.364
■■  mailmagazine of book reviews [ 幻のマスコミ 号]
■■------------------------------------------------------------
[CONTENTS]------------------------------------------------------
★近事雑報「南陀楼綾繁のホンのメド」
 →本をめぐる情報+アルファの雑談です。今回はひとつだけ。
★「関西古本女子だより」真治彩(ちょうちょぼっこ) 
 →大阪と神戸の「本スポット」から届く、楽しくて美味しいお便り。
★「千駄木ドロナワ日記」川原理子
→地域雑誌『谷根千』の若手スタッフが綴る、日々のあれこれ。
★「食の本つまみぐい」遠藤哲夫
 →〈大衆食堂の詩人〉エンテツが料理文化史の重要本を紹介します。
★「酒とつまみと営業の日々」大竹聡
 →各方面で話題沸騰のミニコミ「酒とつまみ」の営業秘話です。大好評。
★「版元様の御殿拝見」塩山芳明
 →新幹線通勤中に毎日一冊は本を読む男が版元の社屋を徘徊します。
*本文中の価格は、すべて税抜き(本体)価格です。

-------------------------------------------------------------------
■南陀楼綾繁のホンのメド 
新刊、古書、マンガ、雑誌、ウェブサイト、書店、イベントの近事雑報
-------------------------------------------------------------------
すみません、情報集約している暇がなくて、今回はひとつだけ。

★『ぐるり』プレゼンツ 南陀楼綾繁のトーク十番勝負 
・その2
「東京アンダーグラウンド食味談義〜『続東京裏路地〈懐〉食紀行』刊行記念〜」

【出演】
藤木TDC(文筆業)
南陀楼綾繁(ライター・編集者)
【ゲスト】
塩山芳明(エロ漫画下請け編集者)
クドウヒロミ(『モツ煮狂い』発行人)

B級グルメなんてぶっつぶせ! すいとん、ホルモンスープ、鯨カツ、腸詰
などの怪しい闇市料理を食らうことで東京の裏面史を描いた名著『東京裏路地
〈懐〉食紀行』(ミリオン出版)の続編刊行を記念して、著者の一人、藤木TDC
さんとともに、シャレや酔狂では食えない味について語ります。休憩時間には、
モツ煮込みを販売します。

日時 2008年6月18日(水) 18:30開場/19:00開始
場所 古書ほうろう
文京区千駄木3-25-5 1F
電話 03-3824-3388
http://www.yanesen.net/horo/

入場料 1000円(ホッピー付、要予約)
予約方法 
(1)ビレッジプレス「ぐるり」編集部
info@village-press.net 03-3928-7699
(2)古書ほうろう 店頭受付のみ

・その3
「ぼくが『HEAVEN』の住人だった頃」

出演
近藤十四郎(ミュージシャン)
南陀楼綾繁(ライター・編集者)

1980代初頭に仇花のように咲いた、自販機雑誌『HEAVEN』。高杉弾、山崎春
美、羽良多平吉、隅田川乱一らがやりたい放題に暴れたこの伝説の雑誌に、創
刊からスタッフとして関わった近藤十四郎さんにたっぷりお話をうかがいます。
香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』の読者は必聴! 近藤さんの生演
奏もあるかも!?

日時 2008年7月25日(金) 18:30開場/19:00開始
場所 対抗文化専門古書 気流舎
世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ1F
電話 03-3410-0024
http://www.kiryuusha.com/

入場料 800円(予約優先、15人限定)
予約 ビレッジプレス「ぐるり」編集部
info@village-press.net 03-3928-7699

近藤十四郎(こんどう・としろう)
1954年岡山生れ。71年(高2)より東京。エルシー企画〜アリス出版〜群雄社に
て『HEAVEN』、豪華パンフレット『陽炎座』(鈴木清順監督)などを制作。その後
フリー。ソロ/バンドによる音楽活動も並行。「バカズ」〜「ゴールデンDAS」そ
して今夏、新生「水の底楽団」始動!

なお、ココに載せられなかった新刊、イベントなどの情報は、随時以下に
掲載しています。ときどきご覧ください。
「ナンダロウアヤシゲな日々」
http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/

---------------------------------------------------
■関西古本女子だより  真治彩
(10)かもめかもめ
----------------------------------------------------
十三の第七藝術劇場に3人で映画をみにいった夜のこと。映画がはじまるま
えに、ちらしをたくさんとって座っていたら、赤と青のちらしをみたしんじさ
んが、「あ、ヤーチャイカ」と言いました。しんじさんは、黒川創の『かもめ
の日』という本を読んでいて、ヤーチャイカっていうのは、わたしはかもめと
いう意味で、とおしえてくれた。手に持っていたのは、「ヤーチャイカ」とい
う覚和歌子の詩をもとにした写真映画のちらしでした。脚本と監督は、詩人で
ある覚和歌子と谷川俊太郎の二人。
http://yah-chaika.com/

その後、九条のシネヌーヴォで「ヤーチャイカ」をみた。写真映画というの
は、誰かに本を読んでもらっているように、ところどころ少し待つという感覚
が新鮮なようなもどかしいような。主演の二人が動かないのが少しものたりな
かったけれど、言葉と写真から、においや音がたちこめるようでした。それか
ら、めぐりあわせについていろいろ思う。

「ヤーチャイカ」が収録されている詩集『ゼロになるからだ』には、映画で使
われていない部分がありました。

 まだ若かった母が 縫ってくれた赤い帽子と
 それをかぶって歩く 麦の畑道
 ここから見える私の赤い帽子は
 海辺の町の外れを留める 光る小さな待ち針

小さな赤い待ち針をかもめのわたしが引き抜いていくのを遠くからみている
わたし。こないだひこうきにのったことをおもいだしました。それよりも、も
っともっとはるかな眺め。遠く遠く。わたしとは関係ない「ヤーチャイカ」と
いうその言葉が、映画のなかでささやかれるたび、なんだか懐かしいきもちに
なるのでした。

パンフレットはちらしの青と赤と対比するように、真っ白なかもめ色。UAや
内田也或子が文章を寄せています。それから、日本科学未来館長の毛利氏も。
日本科学未来館のプラネタリウムで上映されていた「暗やみの色」というプロ
グラムで朗読される谷川俊太郎の「闇は光の母」という詩も、宇宙につながっ
ています。この冊子、もう売ってないのかしら。
https://www.miraikan.jst.go.jp/j/goodstool/booksgoods/kurayami.html

谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』が、読みたいな。と思ったらこんな文庫
がでていたのですね。万有引力とは、引き合う孤独の力、でしたか。
http://www.amazon.co.jp/二十億光年の孤独-集英社文庫- た-18-9/dp/4087462684

『ゼロになるからだ』では
「今とても 母に会いたいです」という最後の一行が、映画では、
「今とても ひとりです」となっているのでした。

〈ごうだ たかこ〉ここ数ヶ月、働いていない。働いてない時間には、漫画ば
っかり読みたくなる。それで、おさいふの中身を気にせずに漫画がたくさん買
えるように、働こうという気がわいてくるので、健全であると思う毎日。

貸本喫茶ちょうちょぼっこ
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-14-21 第一北堀江ビル4F
http://www.geocities.co.jp/chochobocko/
*営業日は、第1〜3週末です。 金18:00-21:00、土日 13:00-21:00

-------------------------------------------------------------------
■千駄木ドロナワ日記 川原理子(谷根千工房)
(8)「仕方ない」なんて思わない
------------------------------------------------------------------- 
5月27日(火)
谷根千そぞろ歩き絵図の改訂で、印刷屋さんへ行ったら、地図に使っている
紙は、昨年から15パーセント値上がりしていて、6月1日からさらに値上がり
すると言われた。以前より外国で紙をたくさん使うようになり、日本の紙もよ
く売れて、値が上がっているそうだ。インクやフィルムなどの石油製品も上が
り、印刷屋さんは大変だ。

新聞を読めば、食料も上がっている。わたしはもともと、ひとにもらったも
のばかり食べているので、最近の値上がりの厳しさを実感しないままでいたが、
宅配をたのんでいるパン屋さんが、来月からの値上がりを決定。上げ幅が意外
に大きくて、驚いた。
東京都の銭湯料金も20円値上げで450円に。燃料が値上げだもん、仕方がな
い。浴場組合のホームページによれば、経営が厳しく、本当は480円にしないと
やっていけないそうだ。(値上げは理解するけど、あと15日間、入浴券の有効
期限までは待ってほしかった。券が期限内にお金を足さないと使えなくなると
いうのは、なんだかつまらない)

でも、それぞれの家や会社で出費が増えるのだから、どこかにお金が集まっ
ている、誰かが前よりもうけているのではないかと思うのだけど、それは、誰
だろう? そちらに対しては、「仕方ない」なんて決して思わない。

6月1日(日)
神奈川のKご夫妻が家の梅の実をもぐというので、手伝わしてもらった。梅
の実は熟しかけているのか青に赤み、黄みがかったものもあり美しく、よい香
りがした。小ぶりの木で、手を伸ばせば簡単に取れる。木の上のほうは、枝が
空に向かってまっすぐ伸びているので、イスに乗っても手が届かない。鳥のた
めかな。

梅の実を採ることだけに熱中して約1時間半、バケツ三杯ほど収穫できた。
わけてもらって、翌日、谷根千工房で梅サワーと梅ジュースをつくる。梅サワ
ーは、梅と氷砂糖を交互にし、酢を注いで2ヶ月。梅ジュースは梅に砂糖をま
ぶし毎日ゆする。ほかに、谷中の豆料理屋、ビーンズキッチンさんに教えても
らった方法でも梅ジュースをつくる。梅と砂糖を炊飯器に入れ、8時間保温し、
8時間ねかせると、あめ色のほろ苦い梅ジュースの出来上がり。水で割って飲
むと、おいしかった。

完全に熟した梅はそのまま食べることができると、あとで聞いた。

〈かわはら・さとこ〉谷根千工房社員
最近町の多肉植物にも目がいくようになった。育てている人が結構いる。多肉
植物の多くは、小さいときは瑞々しくかわいらしい姿をしているが、育つと茎
(幹?)がたくましくなり、うねうねと暴れたように伸びる。谷根千の町のあ
ちこちに砂漠を思わせる一区画がある。

「谷根千ねっと」
http://www.yanesen.net/

--------------------------------------------------------------------------
■食の本つまみぐい  遠藤哲夫
(28)自由化と国際化の中で、美味しい食文化ブームの始まり 。
--------------------------------------------------------------------------
『文藝春秋デラックス 美味探求 世界の味 日本の味』1976年2月号

出版文化史的には、1978年が「食文化流行」ということになっているようだ。
この連載の1回目の江原恵『庖丁文化論』は1974年。そのころすでに食文化本
ブームのきざしはあった。77年に男子厨房に入ろう会が発足した。ワザワザそ
ういうものができたのは、まだまだ男子厨房に入るべからずの空気は強かった
が、ここはひとつ男もやってみようじゃないかという気配が濃厚になってきた
ことがある。これという趣味もなく働くことが「生きがい」だったような男た
ちが、なんだか気がついたら「中流意識」で豊かな気分になって、すぐ安直に
手が届く趣味といえば「食」ということだったようでもある。

ありていにいえば、それは、男性自身の自らの解放的変化というより、70年
前後の「自由化」という「外圧」の波のなかで成長した食品産業や飲食産業に
煽られてということだったと思う。敗戦で占領軍に「解放」「民主化」された
構図と似てなくもない。そういった「事情」が、タイトルの「世界の味 日本
の味」から思い出せる。国際化する日本の「世界の味」それと一対の70年から
国鉄が始めたディスカバージャパン「美しい日本と私」の「日本の味」なのだ。

かくして、75年あたりを境に、髪を伸ばしてカウンターカルチャーやってい
た男たちも髪を切って市場と消費の担い手になっていったように、食べ物のこ
となんか口にするもんじゃねえといっていた男たちもヘラヘラ安直に流行を追
って食談義をやるようになった。

登場するのは、文藝春秋とツキアイの文壇系を中心に、食系の当時新進気鋭
と注目されていた筑波常治、江原恵。そして、「食味評論家」なる肩書で稼ぎま
くっていた、ガラクタのような知識蒐集とばらまきで困ったもんだオジサンの
多田鉄之助。伝統の格調高い、平野正章さん。といった面々。

カラーグラビアを飾るは、世界各国の食卓、田沼武能。この方も稼いでいた
ねえ。続いて、スコッチとワインとブランデーの写真と能書き。「自由化」日
本、「国際化」日本の中流男子は、これぐらい知っていなきゃあという感じだ
が、高級輸入酒に混じって赤玉ポートワインがあるのは愛嬌か。当時の歌舞伎
町の角打ちでよく飲んだ「アリス」なんていう、すぐ頭が痛くなる合成ウイス
キーはさすがに載ってない。滝田ゆうが、ホテルオークラでステーキを食べる
という「マジメ訪問」が笑える。陳舜臣が「人物・日本史記 北大路魯山人」
で、魯山人は「性格にカドがあるばかりか、人間性にも欠陥があったのであ
る」とバッサリ。しかし、その後の食談義は、その魯山人の悪いところばかり
を真似てきたような感じがあるな。

と書いていると長くなる。でも、これは書きたい、「アンケート特集 最後
の晩餐」。北杜夫、岡本太郎、佐藤愛子、小沢昭一、長部日出夫など、おもし
ろーいのだが、古山高麗雄がサイコー。「てめえが死ぬと決まったら、直前に
何を食いたいかという設問ですが、そういう架空話には切実になれません」と、
食べ物の話はいっさいせず。

野坂昭如が「食道楽くそくらえ」、これはまあ彼らしい。ようするに「まずい」
も「うまい」も、味覚の話を同席したものたちで共有したい「一種の甘えだろ
う」、みっともねえ。まあ、しかし、日本の男たちは、なんでも仲間意識の「甘
え」のネタにするのだよ。そういうのが好きなんだなあ。ちっとも変わってい
ない。

筑波常治、この方、ときどき行く知人の落語会に例の緑のファッションであ
らわれる。まだ健在なので驚いた。勝手に殺してはいけないな。80年ごろ二度
ほど、怪談とも快談ともつかぬ話をしながら飲んだことあるが、当然ながら老
いた。おれも。日本料理の実態について述べたのち、「このように見てくると、
日本料理だけについても、実態は通俗のイメージとずいぶんちがう。食物史の
研究は未開拓であり、(略)ためにしばしばあやふやな"常識"をもとに、見当
はずれな論議が展開されがちとなる」と書いている。これも30年たつのに、
ちーっとも変わってねえな。

さて、それで、こういう「食文化」「食談義」ってことになると、あの瀬尾
幸子さんのような、いま『おつまみ横丁』が15万部以上とか売れている「実
践派」は、この当時から顔を出す幕がない。このへんに、まあ日本の男たちの、
飲食店と文献知識蒐集を舞台にした、つまり日々の台所ぬきの食談義の本質と
いうかインチキ臭さが感じられる。それも、ちーっとも変わってない。

そりゃそうと、このムックには、いくつかのレシピがあるのだが、堂々と美
味しいウンチクをたれながら「化学調味料」を使用している。たいがい、そう
いう味覚で育ったのよ。ま、そういうこと。

〈えんどう・てつお〉呑んでいる事も多く忙しい中、でも、先月は落としてし
まったし、南陀楼さんは9日の締め切りを遅れないようにというようなことを
メールに書いてあったし、とにかく急いで書きました。すみません。いろいろ
やっていますが、興味ありましたらブログでもごらんください。来月早々、関
係しているゲストハウスが旅人のためのインフォメーション・カフェを中野に
オープンします。ブログで詳細は告知しますが、ご支援よろしく〜。
ザ大衆食 http://homepage2.nifty.com/entetsu/

---------------------------------------------------------------------
■酒とつまみと営業の日々  大竹聡
(61)酒がどんどん進む夜
---------------------------------------------------------------------
2007年の9月以降は、記念すべき創刊10号の発行へ向けた準備期間とな
った。もちろん、9号と『酔客万来』、それから、『酔客万来』の発行にあわ
せて「またちょっと置いてみてはもらえませんか」と依頼した拙著『中央線で
行く東京横断ホッピーマラソン』の営業活動も継続していた。

営業の中心はWクンとN美さん。酒がらみの雑誌記事の取材執筆に追われま
くる私は、午前中に自宅でちょっと原稿、午後から酒場取材、夕方以降は翌日
からの取材先の酒場への挨拶や下見を繰り返して、ほぼ毎日直行直帰。仕事場
にいる時間は、1週間に5時間。なんて状態に陥っていた。

そして、このような状態が2ヶ月も続き、11月になってようやく、第10号の
原稿もほぼ揃ってきたのだった。創刊10号を記念する企画は、みんなで10合
の酒を飲みながら来し方を振り返るなど、記念号にふさわしいというかなんと
いうか、いつもの通りの緩いものが多かった。入稿は11月19日(月)の深夜。
Wクンと私、カメラのSさんの3人で、市谷大日本印刷までタクシーで向かい、
守衛室に原稿を預け、その足で市谷田町にある『三晴』へ行った。

ここは、創刊号巻頭に掲載した『ホッピーマラソン』連載第1回の取材先だ。
ホッピーを頼み、名物のアシタバの天ぷらなどにかじりつきながら飲んでいると、
感無量といった心持になってくる。

ちょうど5年前。500部印刷した創刊号を持て余した私は、印刷所からの納
品当日、やはり市谷にある『地方・小出版流通センター』の社長を訪ね、200
部流通しようというお話をいただいたのだった。その日立ち寄ったこの店の大
将は、創刊祝いだといって勘定を受け取らなかった。そんなことが懐かしく思
いだされる。あの幸運がなかったら、『酒とつまみ』はこんなに人に知ってい
ただけるミニコミ雑誌にはならなかったな。そんな思いが膨らんでくる。

振り返ると、10号までの『酒とつまみ』は、幸運に恵まれ続けた。
中島らも、井崎脩五郎、蝶野正洋、みうらじゅん、高田渡、重松清、なぎら
健壱、井筒和幸、松尾貴史、玉袋筋太郎という方々をロングインタビューのゲ
ストに迎えることができたことも大きかった。私らのような無名の単なる酒好
き、ある意味では不気味なミニコミ制作集団と飲んでくださり、愉快な話をた
くさんいただいた。

自らの経験をもとにした経験談や、酒にまつわるおもしろ話を連載の形で提
供してくださった方々にも、あらためて感謝したいと思ったし、そうそう、大
日本印刷を忘れちゃならない、と思った。薄っぺらなミニコミ500部の印刷を、
どうして受けてくれたのか……。今となっては不思議な気もするのだった。
直接取引の書店さんや酒場とのお付き合いにおいても、売れないからすぐに引
き取れというような話はほぼ皆無だった。それくらい、やさしく付き合ってく
れる人たちに恵まれて、『酒とつまみ』は少しずつ知られるようになり、雑誌、
ラジオ、そしてとうとうテレビにも登場、一気に知名度を増して山のようだっ
たバックナンバーの在庫が消滅するということにもなったのだ。

幸運に次ぐ幸運。とうとう、10号まで来たねえ……。
酒がどんどん進んでいく夜になった。

〈おおたけ・さとし〉酒とつまみ編集発行人。
某夜のこと。午後4時半から飲み始めて深夜にたどり着いた4軒目。よしゃあ
いいのに、そこでも3、4杯。とうとうカウンターでウトウトし、店を出たと
ころの2段ほどの階段によろけ、踏ん張れないからそのまま前のめりに転びま
した。おーっとっと。へへへ。腹ばいのまましばし笑うのですが、危ないよ、
そこは車の通る道路なんですから。
http://www.saketsuma.com

ブログ「『酒とつまみ』三昧」
http://blog.livedoor.jp/saketsuma/

---------------------------------------------------------------------
■版元様の御殿拝見  塩山芳明
(70)小学館の巻  裏日本の県庁レベルの「幻のマスコミ像」ビル
--------------------------------------------------------------------- 
 大英帝国植民地時代の香港の公園には、犬と中国人入るべからずとの立て札
があったと。似た思いを抱かせる、“ここより当社管理地のため、許可ない者
の立ち入りを禁ず”との白いプレートがモノモノしい、陰惨ムード溢れる集英
社ビルの向かって左手に、話題の小学館ビルが(俺の漫画原稿返せーっ!!!)。

 千代田区一ツ橋2−3。小学館や集英社は、住友不動産ほどではないにしろ、
付近に腐る位の家作を持つ大地主だが、一番ポピュラーな白山通り沿いの、1
階にJTBの入ったビルを御殿本丸と認定、いざ進行。

 集英社に比べ、白っぽさを基調とした明るい建物だ。特徴ある造りではない
が、長方形の9階建て。裏日本の県庁レベルの押し出しはあり、『小学一年生』
や『少年サンデー』(5〜6年前ならともかく、1年もたたん原稿なくしちゃ
まずいゼ!)の読者だった、田舎の青少年が社屋前に立てば、「やっぱり東京
の出版社っつんなぁすんげえもんだや」(北関東弁)と、菅井きん風感慨をも
らすだろう(上京後、初めて見た版元様の御殿が、潮書房や現代書館の旧社屋
だった地方インテリ諸君の、その後の歩みが心配だ)。

“白っぽさを基調とした明るい建物”と書いたが、量的には白は角部分他一部
で、真正面の窓部分は、アイベタ×赤20×スミ20という感じの、暗くて重い
ブルーとでも言おうか、いわく言いがたい色調だ(側面も)。けどインウツな
感じがしないのは、窓が小さく区切られ、碁盤の目のようににぎやかなせい
(最近のビルは大きな1枚ガラスで、暗く冷感症的)。刊行物の影響か、昭和
30年代の木造マンモス小学校の外観のようにも見える。

 ビル内に立ち入りこそしなかったが、ビル左手玄関に地下鉄神保町駅が接し
てるためか、出入りする人も多く建物全体に活気が(集英社の陰惨ムードが引
き立て役に? なお、同社に個人的恨みは一切ありません)。グルリ一周。裏
手の一ツ橋センタービルも、同社関連物件と見え、育ちの良さそうな兄ちゃん
姉ちゃんらが、幸せそうにチャラチャラ出入り。前出両社に加え岩波書店もあ
るここらだけは、“テレビや映画で描写される幻のマスコミ像”が、具体的に
存在するのだと改めて実感(漫画屋の入居する三信ビル3Fは、3事務所が小
汚い共同トイレを。さっきから行きたいのに、誰かずーっと入ってて…。下痢
か?)。

 一周すると、また例の警告のある集英社入口付近に。再びムッとしつつも小
学館ビルに眼を戻すと、地下1階商店街の案内が。居酒屋「九州」、純喫茶「T
OP」、理容室「アドニス」…午前8時から午後10時まで営業と。御殿の地
下を貫通、地下鉄入口に接したビル玄関へ抜けられる構造。いやはや、マンモ
ス版元の家作はモノ凄い。歩き疲れてしまいましたよ、メクラでチンバの野良
犬のように(集英社に入ったら捕獲されるね、間違いなく!)。

 で、雷句誠の原稿だけど、抗議したら後から数枚出て来たって事は、1誌下
版後に1本ずつの原稿を整理してないのか? エロ漫画の下請けでもそれ位は
する。ただ10年放置したらなくなるよ、多くの版元、編プロで。移転の際に連
絡出来ない漫画家の原稿は、処分せざるを得ないから(都心の貸し金庫じゃね
えし。殺人の時効だって、こないだまで15年だった)。 
  
〈しおやま・よしあき〉エロ漫画編集者。編プロ「漫画屋」を率いる。著書
『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(一水社)、『出版業界最底辺日記 エロ漫
画編集者「嫌われ者の記」』(ちくま文庫)。1980年以降書き散らしたコラムを
まとめた『東京の暴れん坊 俺が踏みつけた映画・古本・エロ漫画』(右文書
院)が好評発売中。

なお、この連載に関しての批判・苦情・お叱りは筆者本人まで、どうぞ(た
だし、謝るとは限りません)。
mangaya@air.linkclub.or.jp
http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/

========================================================
■ 電子メールマガジン「[書評]のメルマガ 」(毎月4回発行)
■ 発行部数  5460 部
■ 発行:[書評]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を許可無く転載することを禁じます。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の執筆者が有します。
■ ご意見・御質問はこちらまで kawasusu@nifty.com
■ HPアドレスhttp://www.shohyoumaga.net/
■ このメルマガは『まぐまぐ』を利用して発行しています。
■ メールマガジンIDナンバー0000036518
■ 購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行って下さい。
==========================================================
| バックナンバー | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://back.shohyoumaga.net/trackback/742601
トラックバック
SEARCH
[書評]のメルマガ
本の虫の出版業界人が<徹夜した本>や<繰り返し読んだ本>、さらに新聞記者、出版編集者、プロの書評家による気鋭の書評など、書評メルマガの決定版。
発行周期発行周期:月4回
バックナンバーバックナンバー:すべて公開
マガジンIDマガジンID:0000036518

メールアドレス:

メールアドレス:
Powered by まぐまぐ
※読者登録は無料です

フリーラーニング Free-LearninG For Your Extention コーチ募集(コーチングバンク) 灰谷孝 ブレインジムラーニング 無料 コーチング 東京新都心ロータリークラブ カーディーラー経営品質向上 相続・遺言なら新都心相続サポートセンター 夢ナビ 実践写真教室 フォトスクール「橋本塾」 無料 eラーニング CSR コンプライアンス 経営倫理 実践研究 BERC 「付加価値型」会計アウトソーシング−株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル
LATEST ENTRY
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>
ARCHIVES
LINKS