[書評]のメルマガ

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[書評]のメルマガvol.411
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■■ [書評]のメルマガ                2009.5.31.発行
■■                              vol.411
■■ mailmagazine of book reviews       [終わらない物語 号]
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■コンテンツ
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★「面白すぎて、♪どうにも止まらねぇ!」/ミラクル福田
→一日おまけで、今年一番の本を紹介します?

★「あんな新刊こんな新刊」/荻原千尋
→件の本を売り場からご紹介します。

★「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
→巨星墜つ! 時代の終焉を考える論考です。

★「本の香りだけ」/守屋淳
→出版業界のゆく年くる年を考えます(なんのこっちゃ)
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■「面白すぎて、♪どうにも止まらねぇ!」/ミラクル福田
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脳はストーリーを作り出す

『差分』 佐藤雅彦著 美術出版社 税込価格:2730円

 「差分」タイトルだけでは、おそらく手に取るひとは少ないのではないか。
そんなおせっかいなことを考えてしまうが、これが、めっぽう面白い(毎度、
おんなじことを言ってますが!)。

 端的に言うと、人間にそなわったストーリーを作り出す力についての考察
である。
 本文の例をひとつ挙げてみる。本文といっても2枚の絵である。
(1)迷路の入り口を前にしたネズミがいる。
(2)迷路の出口から出ているネズミがいる。

 この2枚の絵を順番に見せられて、何を思うだろうか?
 絵がないので想像しにくいかもしれないが、(1)の後に(2)を見ると、多くの
人が、「ネズミが迷路を解いた!」と思うはずである。
 でも、この絵は、見る人にひとつとラップをかけていたのだ。実は、この
迷路、東向島の赤線の「ぬけられられます」とはちがって、「ぬけられない」
迷路なのである。

 つまり、どういうことかというと、目の前に事実(ここでは「はじめ」と
「結果」)を提示されてしまうと、それが論理的に不可能なことでも、私たち
は簡単にそれを信じてしまうのである(論理的な検証をする、なんてことも
考えずに!)。

 この、「はじめ」と「結果」の差のことを、著者は「差分」と呼んでいる。
もう少し厳密に言うと、《差分とは、隣り合ったものの差を取った時の「脳の
答え」である》という。
 ここに挙げたのは、ほんの一例で、文章でもわかりやすく伝わるような(ほ
んとうに伝わったか否かはわかりませんが)ものを紹介したのだが、実際の
ところ、「点の集合+点の集合」によって、平面が「むくっ」ともりあがった
ように感じるものから、「線の配置+線の配置」によって、四角い箱が糸によ
ってスパッっと切り取られるようなストーリーを感じるもの、などなど、さ
まざまな形の例が、それこそ本1冊分まるまる納められている。

 このどこがすごいかというと、人間というのは、とにもかくにも、目の前
の、目に見える状況に、それがほんとうのところどうなのか、なんてことは
考えずに、それまでの自分の経験、さらには種としての経験を総動員して、
それをいかに対処するか、ということを判断しているのである。

 アニメーションなどだと、少しずつ違ったカットが、高速で動くことに、
目がついていけずに、ほんとうに動いているように見えるのだ、などと、私
などはこれまで理解してきたのだけど、実際のところは、もっと積極的に、
われわれの脳のほうでは、ストーリーを補って、そのストーリーを見ようと
しているのである。

 今年いちばんの本です(連発してますが)。でもよく奥付を見ると、2008
年12月31日。去年の本でした。

(ミラクル福田 編集者)
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■「あんな新刊こんな新刊」/荻原千尋
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 皆さんこんにちは。
今回は、とうとう発売になった村上春樹氏の『1Q84』(新潮社)に
まつわる本屋の悲喜こもごもについて書きたいと思います。
 それはまあ、みんな売れると思っていたわよね。でも、売れ方の
スピードが予想の数倍なの。ホントに文字通り桁違いなんですよ!
通常の「かなり売れる新刊」の20倍なんだもん!正式な発売日は
29日でしたが、都内の書店には27日に入荷しましたよね。現在、
在庫のある書店はかなり少ないんじゃないかしら。とにかく、祭りの
ような数日間でしたね。
「海辺のカフカ」の時には事前にゲラも回ってきたし、栞やらチラシ
やらHPで内容を匂わせてお客様の期待を高めていたけれど、今回は
新潮社さんもタイトルと値段以外何も教えてくれず、装丁すら見せて
もらえず。「担当編集者と校正の人と翻訳者のジェイ・ルービン氏しか
読んでいない」「オーウェルの『1984』が関係あるかも」という噂
だけが回ってきました。「長くて暗くて売れる内容ではないらしい」
なんてことを言う人もいて(怒)、あんた読んだわけ?読んでないのに
わかるわけないじゃん!とキレつつも、結構な数の仕入れをし、大掛
かりな村上フェアを企画していた私としては不安もいっぱいだったん
ですよ、前日まではね。
今となっては、たとえ3倍入ってきても何にも問題なかったじゃん、
って感じなんだけど。
 こういう商品には「発売協定」がつくことが多く、雑誌やコミック
のように発売日が厳密に決められるものですが、今回は入荷したら店
頭に出してよいことになっていました。なので同じくらいの販売力の
店舗でも、どの時間に入荷したかで初日の売れ方にはかなり差がつい
た模様・・・。
私の店に入荷したのは昼過ぎ(これもたぶん相当早い方だと思うけれ
ど)だったんだけれど、ランチタイムに入荷していれば、初日の売れ
数も1.5倍くらいになったんじゃないかと思うわね。ライバル店には
11時に入ったという情報を聞きつけ、キイィッとなって「遅いッ!」
と取次担当者を責めてみたりしましたが、まあ、結局どこもかしこも
売り切れるんだから、怒っても仕方がなかったかも。追加の時には
ものすごいスピードで届けてくれればもう何も言わないわ。
 まあ、それはともかく、入荷したとたんに店の前に特設場所を作っ
て販売したところ、出したとたんにお客様から手が伸びる、という
嬉しい状態でした。本屋に勤めてるからって、皆が小説好きというわ
けでもなく、案外店員同士本の話はしないものですが、今回ばかりは
皆が『1Q84』の話をしてました。お客様も店内で「村上春樹が・・・」
と会話しているし、問い合わせもたくさんあるし・・・。自然と書店員の
テンションも上がっていった気がします。村上春樹フェアコーナーの
前も人だかりができるほどで、商品の補充もなかなかできなかったく
らいでした。『ノルウェイの森』(講談社)をはじめとした既刊や、
村上春樹インタビューが掲載された『モンキービジネスVol.5』
(ヴィレッジブックス)、長く品切れしていた『少年カフカ』(新潮社)
もかなりの売れっぷり。重版をかける商品もかなりあるのではないか
しら。
 あああ、このままじゃ週末まで持たないね。と話しつつ、なんだか
すごく嬉しい気持ちでした。通常、品切れは書店の恥なんだけど、
今回ばかりはね。
売れなくなったと言われる「小説」を、これだけたくさんの人が買
ってくれたことが嬉しい。村上春樹の作品を読み続けてきた私として
は、記念すべき歴史的大ベストセラーに、売り手としてかかわれたこ
とが嬉しい。皆が、村上春樹の話をしていることが嬉しい。電車の中
で『1Q84 』を読む私の隣で、学生さんが『ノルウェイの森』を読ん
でいたことが、偶然じゃなく社会現象なんだって思うと嬉しい。夜、
同僚から「一緒に売れて、いい記念だね」とメールが来たことも「同
じ気持ちだよ!」と思って嬉しい。
でもって、この小説を読めることが、何より嬉しい。タイトルしか
わからない小説を読むということ、実はあまりない気がします。
しかもそれが、若い頃からずっと読み続けてきた作家の数年ぶりの作
品。なんと贅沢な経験だろう、と思うから、あえてここでは内容につ
いては語りません。村上春樹のファンならば、必ず満足できる作品、
と言うことだけ主張しておきます。この際だから、いろいろ語られる
前に、忙しいとかグチグチ言ってないでとっとと購入して会社休んで
でも早く読んだほうがいいですよ、ホントに。書店員としてはこの本
に引用された本で品切れのものを、早く増刷してほしいと思います。
とりあえず、ジョージ・オーウェルの『1984』(早川書房)の新訳版
は6月発売の予定です。これはかなり売れるだろうなあ。同時発売だ
ったらよかったのに!と同僚と文句言ってたけれど、ある意味、皆が
『1Q84』を読み終わった頃に出るのが正解なのかもね。
まあ、ともかく、忙しくて嬉しい村上春樹祭りは、今後もしばらく
続くし、補充のことを考えると嬉しいけどちょっと頭が痛いわ・・・。
それではまた次回。

(荻原千尋 乙女派美人書店員 カレーが好きとの噂)
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■「月刊ニュースなビジネス書評」/aguni
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 終わらない物語の時代と作者の死

 aguni です。追悼です。

『コミュニケーション不全症候群』
 中島 梓 著
 出版:筑摩書房
 ISBN:4-480-03134-0
 発行年月:1995.12
 http://www.amazon.co.jp/dp/4480031340?tag=bizknowledge-22

 2009年5月26日にすい臓がんのため、べストセラー作家の栗本薫さん=中
島梓さん=本名今岡純代さんがお亡くなりになりました。私は知りませんで
したが、出版業界的には予測されていたことなのでしょうかね。グインサー
ガの愛蔵本や合本、あるいはアニメ化などの企画が進行中でした。56歳です
ので、惜しまれます。

 これは私も大学時代に読んで、かなり影響を受けている一冊です。今回、
読み返してみて、いろいろなことを感じましたので、追悼の意を込めて、こ
の訃報を受け止めるために、だらだらと書いてみたいと思います。

 「コミュニケーション不全症候群」というのは作者の造語です。「他人の
ことが考えられない」「知り合いしか人間と認めていない」「対人知覚障害
傾向がある」という3つの特徴を持ちながら、特に精神病とまでは認められ
ないものを言うそうです。

 どういうことかというと、電車の中でぶつかった人にあやまらないとか、
他人のことを迷惑だと勝手に思うとか、そういうこと。拡大解釈するなら、
街で出会った全員に挨拶しない、というのも、当てはまるようです。まあ、
つまりは顔の見える田舎に住んでいない限り、現代に生きる我々は多かれ少
なかれ、この傾向がある、ということになります。もちろん作者自身も、こ
のシンドロームに罹患していることを公言しています。

 作者によれば「コミュニケーション不全症候群」というのは現実逃避をし
ている人々であり、モラトリアムです。したがって、目をつぶって現実世界
に生きる、ということが処方箋になるといいます。いや、これが万人に向け
ての処方箋であったのかはわからないのですが、少なくともこの原稿が書か
れた1991年の時点においては、処方箋だと思われたのでしょう。

 おそらくその結論から導き出される結果として、作者は物語をつむぎ出す
世界に生きることになったのでしょう。話題の「グイン・サーガ」は1979年
にスタートし、4月発売は第126巻。そもそも100巻で終わると宣言しつつ、
結局、未完に終わったことになります。

 私が栗本薫の本を主に読んだのは大学時代。話の斬新さや奇抜さはあまり
ないが、物語の進め方がうまく、そこそこ面白い安心なストーリーテラーで
あるという印象があります。当時、新井素子もよく読んでいたので、何とな
く2人のイメージが被るのだけれども、決定的に違うのは、新井素子のスト
ーリーは覚えているが、栗本薫のそれは覚えていない、ということ。これは
どうしてだろう?

 栗本薫の物語に感じるのは、作者の意志。それは、物語を終わらせない方
向に働いている。新井素子のそれが、計算されたゴールにたどり着き、パタ
ンと最後のページを閉じて、面白かった、という物語であるのに対し、栗本
薫のそれは、続きはどうなるんだ?という未完了の物語であるような気がす
る。

 この物語の未完了感こそ、栗本薫の「コミュニケーション不全症候群」な
のではないか、ということを、今回、この本を読んで改めて感じました。そ
れを象徴するキーワードは、終わらない物語、です。

 1999年という年、世界はある終末を迎えたように思います。それは、終末
なき時代への突入です。ノストラダムスというおかしなフランス人の予言と
いう物語が皆をどきどきさせ、2000年問題というコンピュータ上のバグが話
題になり、そして何事もなく世界は21世紀に突入してしまいました。

 それくらいからではないだろうか、と思えます。物語が終わらなくなった
のは。

 今、私たちのまわりを見ると、終わらない物語があふれています。例えば、
少年漫画のヒット作は主人公が永遠に年を取らなかったり、同じ年月をぐる
ぐるめぐったり、あるいは一日がやたらと長かったりしてなかなか物語が進
展しなかったりします。

 アニメの世界も同様です。前に見た物語のモチーフが別な形で引き継がれ
たり、続編や後日談・前日談が語られ、パロディの名でも昔の物語が生き続
けたりしています。デジタルの時代になり、さらに物語の現在性というのは
失われています。

 それはもちろん制作側の都合もあるでしょうが、その実、受け手である物
語の消費者の側が、終わらないことを望み始めたからなのではないか、と思
えます。そしてそれはこう物語の流通がグローバル化し、フラット化してし
まうと、日本だけの状況ではないのではないかと思えます。

 モラトリアムの気分。それが回避しようとしているのは現実世界のように
見えて、実際は「死」ではないでしょうか。言い方を変えれば、みんな、終
わってしまうことが怖いです。

 かつて死と言えば、永遠の別れだったはずです。物語はいつのまにか、そ
んな死をも、御都合で変質させてしまいました。死んだはずの敵が生き返っ
て仲間になったり、科学力から偶然から陰謀からドラゴンボールまで、何で
も使ってルールも変えて物語は何度でもよみがえります。主人公は死を賭し
て戦っているから感動するはずが、死なない前提になり、物語はさらに安心
感を増します。何の安心感かと言えば、終わらない安心感です。

 しかし終わらない物語も終わるときがあるのです。それは作者の死です。
細かく言えば、ドラマであれば主人公を演じている役者の死であり、アニメ
の場合は声優の死でしょうか。マンガの場合にはどうも作者が変わることも
あるのでよくわからないですね。つまり、その物語を紡ぎだす者が死ぬこと
により、物語はその内容や展開とは関係なく、いきなり終焉を迎えます。

 終わらない物語の時代に軽んじられているものは、この「物語を紡ぎだす
者」の命なのかもしれない。そんな時代の中、その特徴のないがゆえに展開
が予測できない未完の物語を残して、栗本薫という天才ストーリーテラーは
死んだ。この作者の死を、未完の物語を残された世界はどのように受け入れ
ている、あるいはていくのでしょうか?

       aguni ビジネス書評者/(財)生涯学習開発財団認定コーチ
                 経営品質協議会認定セルフアセッサー
                 2008年度日本経営品質賞審査員
                 【bizbook.tv】http://bizbook.tv/
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■「本の香りだけ」/守屋淳
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最終回記念として:今後の出版界はどうなるのか

何度か告知させて頂きましたが、筆者はこの号を持ちまして編集担当を降板
させて頂くことになりました。兄弟誌である[本]のメルマガの編集担当を
含めますと、もう丸10年。そこで、出版界の今までと今後を、簡単に振り
返る形で、この連載のひとまずの〆とさせて頂きたいと思います(来月から、
新に何らかの別の連載は持ちたいと思っています)

筆者自身、このメルマガと[本]のメルマガのなかで度々出版界への提言み
たいのを続けてきましたが、振り返ってみると次の論旨にだいたい集約され
ます。

1)書店は、みんなボロボロになるので出店競争止めよう
2)書店も出版社も、銀行みたいにドンドン合併しよう
3)いずれネットが活字流通の主体になる時代がくる

冗談交じりに書いていたものも多かったですが、この三つ、要は次の観点か
ら出てきたものでした。

・ネットの興隆によって、活字流通は市場規模を縮小せざるを得ない。なら
ば、早めにそれに対応できる体制を作らないとドツボにハマる。

よく出版関係者と話すのですが、たとえば現在の書店と出版社の数が、半分
であったとすれば、現在、両者はこんなに苦しくないのは明らかです。読者
に買ってもらえる量に比べて、明らかに作り手と売り手が多すぎるわけです。

で、この状況を改善していくためには、
・ハードランディング
・ソフトランディング
の二種類しかない、と筆者は考えていました。

ハードランディングは、競争のままに任せて潰れるところは潰れるのを待っ
て、規模縮小を果たすやり方。
一方、ソフトランディングは合併などによって、出来るだけ出血を抑えつつ
適正規模になっていくやり方。この場合でも部門の統廃合やリストラ等起き
ざるを得ないわけですが、それでも倒産などに比べればまだ傷は浅くて済む
と思うわけです。

でも、まあ、筆者のような人間の提言など、当然何の意味もなく1)の出店
競争は行き着くところまでいった形で、少しずつ収束を迎えつつある気がし
ます。まあ、この不況を出店のチャンスと見た、新たなチャレンジャーが生
まれる可能性は否定できませんが……

それと、3)に関していえば、本や雑誌の流通ではなく、「活字」流通の主
体としてネットが躍り出てきたことも否めないと思います。特に雑誌の不振
と廃刊の多さは、明らかにネットで情報やエンターテイメントを手にするこ
との一般化を示しているわけです。

そして2)ですが、少し前から大きな話題に合っている大日本印刷の業界を
縦断した合併がまさにその典型ともいえます。まずは業界の川上と川下の垂
直統合だったことが、意外でしたが、今後おそらく書店と書店、出版社と出
版社といった形もあらわれて来るでしょう。

わたくしのいた書店業界でいえば、たとえば一商圏内に一書店という状態を
維持できれば、そうそう大きな破綻や凋落はないわけです。でも、現実には
出店競争によって――それが始まった九〇年代半ば、紀伊国屋書店の松原社
長の言った、新たな読者を開拓するため、という空しい言葉が今更のように
思い起こされますが――長期低落のなかの、シェアの食い合いという馬鹿な
状況に陥り、幸せな人がほとんどいないという事態になっているわけです。

ただし、筆者自身の勝手な読みによれば、この不景気はおそらく後3〜5年
で回復するので、その時期まで耐えれば、それなりの復活は見込める気がし
ます。

なぜなら史上最も裕福な引退層である、団塊の世代がまだ元気でいて、本を
結構読む人が多いため、需要はそこそこあがると思うからです。また、特に
出版社は団塊の世代の比率が高かったため、その層の引退が進むことで人件
費はそれなりに削減されるとも思うからです。

そして、おそらく勝負はそこから。なぜなら好景気というのも続いて4〜5
年くらいのもの。その次の景気退潮期になると、

・団塊の世代が老後のことを考えて財布のヒモを締める(世代間格差の観点
から、年金は今予定されている額ほど支給されないのではないか、と筆者は
勝手に予測しています)
・ネットでの活字流通がさらに本格化する(売れている漫画誌などがこちら
に流れれば、雪崩を打って既存の出版物が電子系に流れる可能性がある)

てな感じで業界規模のさらなる縮小化は必至となり、本当に優良なコンテン
ツを持ったところでないと生き残りはかなり難しくなるのだろうと思います
(ただし、専門性の高い所はもちろん別ですが)

こんな書き方をしていますが、筆者自身は書店員時代に「純文学と現代詩と
戯曲のフェアをやってやろう」と考えて実際にやっちゃったくらいのベタな
本好きでもあります。と同時に、ビジネスにおいては環境の変化に適応でき
なかったものが、結局、消えていくのが宿命であろうとも考えています。

いま、本に関わった仕事をしている人が、活字流通という大きな括りのなか
で幸せになる道は何だろう、逆に最も不幸せになる道は何だろう。少なくと
も後者に関しては、市場規模を過信して阿呆な競争を進めることであり、い
ま我々はそのツケを払っているような気がしてなりません。

(守屋淳 自称作家)
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■あとがき
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>先日、ハワイに行って来たんです
>えー、あなたって世界一、太陽と砂浜が似合わない男じゃないですか。な
ぜ、そんな所に行ったんですか??
>うるしゃーい、本当のことを言うな、プンプン(笑)いや、奥さんが仕事
勤めをやめるので、その記念に行ったんのです、ハイ。それで、ノードスト
ロームという有名な百貨店に行ったんです。
>はあはあ
>『ビジョナリー・カンパニー』にも載っている有名なチェーンなので、
ワイシャツでも話のタネに買おうと思って、首廻りと袖丈のあっているもの
を試着させてもらったんです。ところがびっくり。
>太りすぎで入らなかったんですか?
>いやいや、その逆でお腹の部分の生地が、僕がもう一人分軽く入れるくら
い余っちゃったんです。いや、アメリカ人って大きいとは思っていましたが、
まさかここまでって感じでしたね……
>日本のは日本仕様になっているということなんですかね。
>おそらくそうなんでしょう。で、思ったのは今生きている人間をみな八掛
けの大きさに出来れば、人類は凄く地球にやさしくなれるのでは、と。
>えー、どうやって小さくするんですか?
>絶食とヨガと漢方の秘宝で小さくしていくのはどうでしょう(笑)
>まず、あなたの頭の妄想を小さくする方が先決なんじゃないですか。
>ああ、言われてしまった……(笑)
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