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[書評]のメルマガ  vol.421
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■■ [書評]のメルマガ           2009.8.19発行

■                     vol.421
■■  mailmagazine of book reviews  [ 夏の秘密基地 号]
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[CONTENTS]------------------------------------------------------
★「ふぉっくす舎のエンターテインメント玉手箱」根岸哲也
 →“本棚のために家をつくった男”がずっと読み続けてきた作家たち。
★「新・新刊書店の奥の院」荒木幸葉
 →金沢から新天地に移り、そこでもやっぱり書店員の日常です。
★「千駄木ドロナワ日記」川原理子
→地域雑誌『谷根千』の若手スタッフが綴る、日々のあれこれ。
★「中山亜弓が選ぶこの一冊」
 →ついに日本でも出た、異端の写真家の作品集のご紹介です。
★「全著快読 編集工房ノアを読む」北村知之
 →「全著快読」新シリーズ。大阪の文学出版社の全冊を読みます。
★「もっと知りたい異文化の本」内澤旬子
 →休載です。

*本文中の価格は、表示のあるもの以外は、税抜き(本体)価格です。

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■ふぉっくす舎のエンターテインメント玉手箱
(13)「叙述トリック」という高きハードルを跳び続けた中町信 その2
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江戸川乱歩賞に応募するために書いた処女長編(後の『模倣の殺意』。最終
候補作に残るも、受賞せず)を清書し、読み返したとき、中町信は、暗く沈ん
だ気分に陥ったという。「こんな目茶くちゃなトリックと、理解しにくいプロ
ットの作品」が受け入れられるのかという困惑と危惧からだったという(『模
倣の殺意』あとがき)。

しかし、そんな中町の危惧は杞憂に終わり、特徴ある叙述トリックとプロッ
トに支えられた作品は、多くの中毒者を生んだ。80年の『自動車教習所殺人
事件』を皮切りに、87年の『榛名湖殺人事件』まで、ほぼ年に一作のペース
で秀作が発表され、中毒者たちにとっては至福の時期であった(読み終わると、
次の作品まで禁断症状に苦しむのだが)。『空白の殺意』の解説で、クリスティ
ーやフランシスの新作と同様に、年に一度の新作の刊行が待ち遠しかったと折
原一氏も書いている。

「畸人卿」の中町信特集の手紙によるインタビューで、中町は、自身の創作法
について「まずトリック(物理的なトリックではなく、全編にまたがるトリッ
ク)を考える」「私はプロット作成により時間をかける。本格長編はぴっちり
とプロットが出来ていなければ、一行も書けないと思う」と語っている(『天
啓の殺意』の亜駆良人氏の解説)。

叙述トリックは、物語全体の構造が練り上げられていないまま書き始められ
ない。代表作がサラリーマンとの兼業時代に集中しているのも理由があること
だろう。
「小説一本で食っていかなくてすむから、ジックリと時間をかけることができ
る」と本人も語っていた。作家専業では、凝ったプロットの作品のみを書く「余
裕」はない。作家専業となった89年以降に本格ファンに強く訴求する作品が少
ないのは事実だ。

中町作品の黄金期を対象とする、97年に刊行された探偵小説研究会編『本格
ミステリベスト100  1975-94』(東京創元社)に、中町作品がランクインして
いないのは寂しい。しかし、ランクインしていないものの、読むべき価値のあ
る作家を一人一頁紹介するコーナーに、小林信彦、藤本泉らとともに、濱中利
信氏が中町を紹介していて救われる。やはり、本格ファンとしては無視できる
作家ではないということだ。

読者を騙すことに専心して生み出された、たくらみに満ちたアクロバティッ
クな作品群。創元推理文庫から復刊された作品以外も読んで、そして驚いてほ
しい。

◎中町信はこの作品を読め!
『模倣の殺意』『天啓の殺意』『空白の殺意』(創元推理文庫)
『三幕の殺人』(東京創元社)
『自動車教習所殺人事件』『田沢湖殺人事件』『奥只見温泉郷殺人事件』『十和
田湖殺人事件』『榛名湖殺人事件』『阿寒湖殺人事件』(徳間文庫)※
『推理作家殺人事件』(立風ノベルズ)※
※絶版・品切れのため、古書店等でお求めください。

〈ねぎし・てつや〉 1966年生まれ 団体職員。学生時代の後輩が一年前に結婚
した。一ヶ月前、彼について知らせたいことがあると、彼の友人から話を切り出
された。てっきり、子供ができたという話かと思ったら、末期癌で病床にあるとい
う。その彼の訃報をたった今、聞く。若い人が死ぬのは、つらい。自分は、この
ままでいいのかと強く思う。

「ふぉっくす舎」
http://d.hatena.ne.jp/foxsya/

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■新・新刊書店の奥の院 荒木幸葉
(24)hi mi tsu ki chi、の巻
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 先日、小学生のとき住んでいた家に一泊しました。長いこと貸家にしていた
のをリフォーム、とはいえ、子ども部屋のベッドもカーテンも、風呂場の床タ
イルも、この家を離れた25年前そのままだったので、なんともいえぬ懐かしさ
でいっぱいに。

 近所を散歩すると、時がとまっていたのは家の中だけだったことに気づきま
す。かずみちゃんちは、表札が並び二世帯住宅に、ともちゃんちも新築のガレ
ージにちいさな自転車が2台、ランドマークだった給水塔はなくなり、キック
ベースをしたグランドは、雑草が茂っていました。四半世紀ってこういうこと
なんだ。

砂利やコンテナがむきだしで殺風景だった建設資材置き場も撤去され、住宅
地になっていました。赤土の山の急な斜面をどこまで登れるか競ったり、土管
にもたれてぼーっとしたり。行っちゃいけないとわかっていても探検したくな
る、特別の遊び場でした。

 ここで忘れられないのが、石に囲まれた秘密基地です。庭石のような大きな
石がごろごろ重なりあっているてっぺんに、子どもひとり通れるくらいの隙間
があいていました。のぞくと、一畳ほどのスペースに段ボールが敷いてあります。

入れる!と判断するや、すきまに身をねじいれ、すとんと中へ。薄暗くて、
まるで洞窟みたいです。残念ながら雨はしのげなかったようで、先客が残した
エロ本が水を吸いぶよぶよになっていました。ひんやりした石の壁に、腕やほ
っぺをつけて空をみあげると、すっぽり包まれた安心感と同時に、石がずれた
ら閉じ込められるかもという心細さが襲い、いつもそそくさと出てしまうので
した。

そんなことを思いだしていた矢先、『hi mi tsu ki chi』(西宮大策 小学館
本体3,333円)という写真集がでました。2006年から2年間、東京近郊の少年
少女が作った秘密基地を探し歩いたものです。

おもしろかったのは、 “基地”のほとんどに、屋根がついていたこと。傘
の転用が多いのだけど、ビニールシートやベニヤ、トタンなど、拾いものにし
ては最適な素材を集めています。つつじの花でかわいく装飾したり、車輪やグ
ローブをおいてみたり、男女ですこしずつ趣向がちがうのも楽しい。

「ボールをしまっとくにもいいよ」「テストかくすかな」「危ないから下がっ
てろよ」「人もまったく来ない」…写真に添えた子どものコメントをみると、
大切なものや見られたくないものを隠す、人目を避ける、ちょっと危険、とい
った秘密基地たる構成要素を堂々クリアしつつも、壊されてなくなっているこ
ともしばしばのようで、そのありかを追跡するのはしんどかっただろうなぁ。

いっときでも大人に見つからない場所をもてた経験が、子どもの頃の代えが
たい思い出としてよみがえった今、野外でどんぐりやボールを隠せるような基
地をまたつくる気にはならないけど、どうすることもできない気持ちとか、す
ごくうれしい出来事とかを埋めたり、しまっては出し、みたいな見えない秘密
基地ならちょこちょこもってたほうがいいかな、とおもいました。

〈あらき・さちよ〉小学生当時スペシャルおやつだった、コーラフロートをつ
くろうと買出しに行ったスーパーの掲示板は、お父さんの似顔絵特集。みおぼ
えある顔にぴんときて、描いた子の苗字をみたら、やっぱりたっくんだった。
あゆみちゃん(小5)のパパかぁ。

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■千駄木ドロナワ日記 川原理子(谷根千工房)
(15)最後の配達
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2009年8月19日(金)
谷根千の終刊号、93号の配達が一段落ついた。
お店の方々は、またなにか始めるときは声をかけてね、といつにも増して、
やさしかった。 お茶やお菓子や昼食をごちそうしてくれる人もあった。
「最後の配達」といっても、また秋に集金に来ます。

配達は大好き。
昼間から自転車に乗って町を駆け巡るのはいい。
天気がよく、道が空いていればもっといい。
お店の人と数ヶ月の間の町の話題を話す。
店に入るときの注意、配達に不向きな日時など、いろいろ教えてもらった。
谷根千工房の人は仕事は何にも教えてくれないから、町の人やお店屋さんに
育てられたようなものだ。

300件ほどの店を3、4人で配る。
決まったお店に決まった数の谷根千を置き、その代金を、または前号の売れ
た分をもらう。
納品書、領収書と店に貼ってもらうチラシ、お知らせなどを渡す。
なれないうちは、どれかを忘れることが多く、何度も行ったりきたり。
領収書の宛名を書く段になって、お店の名前がどうしても思い出せなくて、
あせったり。
荷物が重くて、自転車(また異常に安定感のない)が倒れ本をぶちまけたり。
歳の暮れに配り終わらなくて、マッチ売りの気分になったこともあった。
お店にお客さんがいると、配達できないけれど、その分谷根千も売れている
と思えば嬉しい。

今日、94号ができる。
最終号に記事が集まりすぎて、もう1冊できてしまった。本当はなかったは
ずの1冊。
なんで最終号のあとに出るの?と数人からすでにしかられてはいるが、これ
で本当に最後。
本屋さんと、注文を下さったお店に配ります。

〈かわはら・さとこ〉谷根千工房社員
終刊記念の展示、感謝・御礼申し上げ会をします。在庫を並べ、どの号が残っ
ているか、売り切れたかを一目で見られるようにしてあります。場所は、谷中
のギャラリーTENです。かっこいい木彫や彫金の展覧会、また映画「実録・
連合赤軍」写真展や、獄窓の画家・平沢貞通展なども開催している素敵なギャ
ラリーです。また、ギャラリー店主のお引き合わせで、昨秋、TENで展示し
た2人の美大生が、演出してくれました。当初もくろんでいたバックナンバー・
最終号即売会を超え、すばらしい展示場となりました。
近くにご用事がありましたら、どうぞのぞいてください。
2009年8月21日(金)〜30日(日)12:00〜19:00(企画のない日は21:00まで)
ギャラリーTEN〒110-0001 東京都台東区谷中2-4-2 Tel&Fax: 03-3821-1490 *
くわしくはコチラをご覧下さい。
http://www.yanesen.net/topics/090821_02.html

「谷根千ねっと」
http://www.yanesen.net/

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■中山亜弓が選ぶこの一冊
(34)「あるがまま」の視点
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『羯諦 山中学写真集』ポット出版、6300円 9月上旬発売予定

まもなく、9月早々に、『羯諦――山中学写真集』が出版されます。

 山中さんの写真については、ごちゃごちゃ説明するよりも、まず写真そのも
のをご覧いただくのが早いので、気になる方はご本人のサイトをご覧ください。
http://www.ask.ne.jp/~yamanaka/index-j.html

 80年代にホームレスたちを撮った「阿羅漢」にはじまり、朽ちゆく動物の
死骸をおさめた「不浄観」、そして裸の老女たちの「羯諦」、ボロを纏った子
供たちの「童子」、体に障害を持つ人々の「浄土」、さらに胎児たちの「無空 
茫々然」と、山中さんは、あらゆる種類の存在を社会的、歴史的背景から切り
離し、白バックに被写体そのものだけを写してきました。

 シリーズのタイトルからわかるように、そこには生も死も、老いや病も等し
くみつめる仏教的慈悲に通じる想いが通底しています。

 が、一方、20余年で6シリーズという超スローペースでじっくりテーマを煮
つめ、白バックに被写体の存在だけを写す一貫したフォーマット〈=美学〉に
被写体をおさめる、その創作スタイルは、修行僧はたまた狙った獲物を追い続
けるスナイパーみたいな求道的写真家の姿をも物語っています。

 しかし、肉体そのものを突きつけられたようなインパクトある写真と独特の
創作スタイルをもつこの写真家の作品集は、これまで日本の出版社から発行さ
れたことはありませんでした。
 それは多分に老女やフリークスたちの裸や胎児が被写体であるというだけで、
タブー視されてしまう風潮のせいかもしれません。

 ただ、私には「ババァの裸なんて見たくない」という言葉より、おばあちゃ
んの裸に執着したその写真の方が不思議と女性に対して、あるいは老いに対し
てずっと肯定的に思えるのです。
 あるいは動物死体の写真も、小さく丸まりながら土に帰ろうとするいじまし
い姿に向けられたその眼差しがやはり、「早く捨てろ」とか「放っておけ」と
いう言葉よりずっと優しく感じられたのです。

 つまり、私は山中作品に、性的抑圧からの解放を唱えたウィルヘルム・ライ
ヒや、狂気や犯罪を排除しようとする社会に異を唱えたミシェル・フーコーら
に通じる、あるがままの存在に対する肯定的な視点、禁忌からの解放を感じた
のです。

 そのように、山中作品に惹かれ、作品集欲しさに、サンチアゴの画廊にまで
おつかいを頼んで本を入手していた私ですが、山中さんが作品集を出したがっ
ていることを知り、少しお手伝いをさせていただきました。

 編集、発行にあたったのはポット出版。20年以上にわたって撮られた作品を
どう取捨するか、作品に解説は必要か、禁忌されがちな内容をどう伝えるか、
はたしてこれは法的、倫理的にどう解釈されるのか、といった問題をクリアし
ながら編集作業が進みました。

 私も個人的に、試作写真集をアーティスト、編集者、書店員といった人たち
に見ていただき、意見や感想を聞いてみました。いずれの人にも、強烈な印象
を与えたようですが、「実に強い表現だ、すばらしい」という賛辞から、「表
現としてすばらしいのは確かだ けど、死、老い、障害をつきつけられるよう
で、見るのが辛いよ」といったもの、さらには“すごいキワモノだ”という反
応まであり、私にとって発見の連続でした。日本だけでなく、仏教文化から離
れたヨーロッパにも意見を求めましたが、やはり賛否両論ありました。

 そんなわけで、自分がすばらしいと思っていたものが「見るのが辛い」と言
われ、意外な気持ちになる一方で、もっともっと他の人の感想やリアクション
を知りたいという興味も手伝って、発売が待たれる今日この頃です。

 編集という作業は、作品をどう理解し、どう見せるかを考えながら、作品や
作家と向かい合うことになりますが、この作品集は本が出た後も、読者を巻き
込んで、作家や作品との対話が延々と続きそうな予感がします。

タコシェでは、漫画家石川次郎さんの作品集『GIRO』を作り、間もなく発行に
なります。キャリア20年以上に及ぶ次郎作品の中から傑作を選んでお届けします。
いまどきコンピュータなしで緻密に描いたサイケデリックな画風に、次郎とおぼ
しき主人公をもうひとりの次郎がどこかから眺めてひとりごつ、次郎が入れ子に
なったオール次郎の無限宇宙! 9.11からパリで始まる展示、9.19からのタコシ
ェでの展示にあわせての発行で、日仏英語のプロフィールをつけてみました。(英
語圏からの注文はないけれど…用意してみました)

〈なかやま・あゆみ〉中野タコシェ勤務。
タコシェ http://blog.taco.shop-pro.jp/

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■全著快読 編集工房ノアを読む   北村知之
(9)上林猷夫と小野十三郎
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小野十三郎『日は過ぎ去らず わが詩人たち』(1983)

二年ぶりに下鴨神社の納涼古本まつりにいった。昼ごろに着いて、それから
日が暮れるまで糺の森ですごした。とくにたいしたものを買えたわけでもない
けれど、気持ちよく疲れた。
 その日、山本善行さんに収穫のなかから、上林猷夫が政田岑生に宛てた署名
本を見せてもらった。「へえ、すごいですね」と言いながら、上林猷夫って何
て読むんやっけと思っていた。『ことばと詩人』という砂子屋書房の本で、目
次には小野十三郎の名前もみえた。

 小野十三郎の『日は過ぎ去らず』にも、「上林猷夫の私事、私憤」がある。
小野の家を訪れた上林と一緒にひや麦を食べたことを書きながら、その相手と
の交流を回想し、詩人としての姿勢を語っている。すてきな文章だとおもった。
そのなかで小野は、『上林猷夫全詩集』の自筆年譜に、小野や岡本潤、池田克
巳らと飲んだと書かれていることに触れている。こういった私事までわざわざ
書き記し、日独伊三国同盟成立調印、大政翼賛会発足、日米関係悪化などはま
るでつけたしみたいであるらしい。小野によると、こういった人柄と姿勢が、
「上林の詩そのものを語っている」。

上林の詩の「底には一貫して、小さなことに眼をとめ、それをいとほしむと
いう精神が息づいている」。
「上林の詩は、結果的に、ときには、現実社会の中に存在する矛盾を鋭く突い
たり、また、ときには形而上的と云ってといコスミックな世界を指向するよう
な詩になっても、すべて私情、私憤から発している」。
『上林猷夫全詩集』の巻頭に収められている「ネクタイ」。

「きみのネクタイは、よく似合うね」――
よく似合うというのは
ぼくのネクタイが金網模様なのを知ってのことか
ぼくの胸にひらひらぶら下がっているのは
たしかに一本のブルーのネクタイだが
ぼくがいつも金網のこちら側に囚われているのが
誰の眼にも見えないのだ
こころの中をいつも苦い涙が落ちていくのが――

 小野十三郎のようにその時代や土地とつよく結びついている詩人の詩を、い
まなにかの実感をもって読むことができるのだろうか。図書館で小野の詩集を
借りだして、そんなことを考えていた。この一ヶ月くらい雨がだらだらと降り
つづいて、仕事が暇だったので。
 創元社版『大阪』の巻頭に並んでいる一篇「早春」。

 ひどい風だな。呼吸がつまりさうだ。
 あんなに凍っているよ。
 
鳥なんか一羽もゐないじゃないか。
 でもイソシギや千鳥が沢山渡つてくると云うぜ。まだ早いんだ。
 
 広いなあ。
 枯れてるね。去年もいま頃歩いたんだ。
 
 葦と蘆はどうちがふの?
 ちがふんだらうね。何故?
 
 向ふのあの鉄骨。どこだ。
 藤永田造船だ。駆逐艦だな。
 
 澄んでるね。
 荒れてるよ。行ってみよう。

〈きたむら・ともゆき〉1980年生まれ。『spin』に「エエジャナイカ」を連載。
海文堂書店勤務。

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