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[書評]のメルマガ vol.658

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■■ [書評]のメルマガ                 2018.7.20.発行
■■                              vol.658
■■ mailmagazine of book reviews      [ちょっとしたストレス 号]
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■コンテンツ
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★「トピックス」
→ トピックス募集中です

★「音楽本専門書評 BOOK’N’ROLL」/おかじまたか佳
→ 『透明人間の告白』

★「目につく本を読んでみる」/朝日山
→ 『スキャンダル除染請負人』田中優介 プレジデント社

★「おばちゃまの一人読書会〜中高年の本棚〜」/大友舞子
→ 『サザエさんの東京物語』長谷川洋子・著(文春文庫)

★【募集中】献本読者書評のコーナー
→ 献本お待ちしています!

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■トピックス
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■今回の献本読者書評のコーナー
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 この本の書評を書きたい!という皆様、詳細は巻末で!

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■音楽本専門書評「BOOK'N'ROLL」/おかじまたか佳
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#97『透明人間の告白』

♪とーめーにんげん、あらわるあらわるぅ

 ある世代には懐かしい、ピンクレディーの『透明人間』。
 この歌の主人公は、自分の意思で消えることのできる透明人間で、そういう
意味ではお気楽なものだけど、不慮の事故で透明人間になってしまい、元に戻
れない体になってしまった時、人はどんな運命に見舞われるのだろう。

 この疑問を、極めてリアルにシュミレーションしてみるという画期的なアイ
デアで、かつてベストセラーになり、映画化された小説がある。
 H・F・セイントの『透明人間の告白』だ。

 ちょっと前にスティーブン・L・トンプソンの『A−10奪還チーム 出動せ
よ』を再読して、改めてその文体に感心したのだが、それって原作者の文体が
いいのか、翻訳がいいのかと思い、同じ訳者による本書を、これまた再読して
みた。
 こちらの方は文体的にさほど感心するものでもなかったので、やっぱりトン
プソンがすごいんだな、と結論したのだが、内容的にはこの『透明人間の告白』、
評判を呼んだだけあって、改めてよく出来ていると思う。

 主人公は証券アナリスト。新商品を出しますとか、新しい技術を開発しまし
たといった企業の広報発表を取材し、投資先として有望かどうかを判断する仕
事だ。
 その日も、とある新技術についての発表を聞きに、ニューヨーク郊外の研究
所に出かけていくのだが、その核エネルギーに関する新技術は、実は未完成。
研究をさらに進めるため追加の投資を募る必要があり、見切り発車で発表する
ことになったのである。
 その無理がたたって事故が発生、大爆発が起きる。
 ほとんどの人は爆発前に避難するが、ただ一人建物内に取り残された主人公
はその影響をもろに受け、透明人間になってしまう。

 もちろん、人間だけが透明になったわけではない。
 研究所の建物も透明、そこにあった家具も透明、機械類も、絨毯も、果ては
飼われていた猫まで透明になってしまう。

 いち早くこの異常な事態を知った政府の秘密機関が、研究所を封鎖し、調査
を始める。
 とはいえ、その状況は奇妙なものだ。
 防護服を着た男たちが二階に上がれば、何もない空間に浮かんでいるように
しか見えない。調べるにしてもすべてが透明だから、どこに何があるかわから
ず、しょっちゅう家具にぶつかって悲鳴を上げる。

 そんな彼らに、はじめは救いを求めようとする主人公。だが、よくよく考え
てみると、透明になった自分には学術的にも、軍事的にも、とてつもない価値
がある。当然政府は彼を元に戻すことよりも、透明人間として活用しようとす
るだろう。
 スパイとしてどこかに送り込まれるかもしれないし、同じような透明人間を
たくさん生み出すべく、貴重なモルモットとして研究しようとするかもしれな
い。
 いずれにしても、もう自分勝手には生きられない。それだけはいやだ、と主
人公は思う。このあたり、何よりも自由意志を尊ぶアメリカ人らしい価値観と
言える。

 ところが、彼の存在を秘密機関は察知してしまい、捕獲しようとする。
 ぐるりを即席の壁と鉄条網で包囲された研究所から、見えないメリットを活
かして、どう脱出するか。本書は上・下二巻に分かれた大部の小説だが、上巻
のハイライトがこの脱出劇である。

 下巻は、ニューヨークに戻った主人公が、いかに秘密機関の追求を交わすか
の逃亡劇となる。
 ここが非常にリアルで、周到に考え抜かれているのだ。

 例えば、透明人間が物を食べたらどうなるか。真剣に考えてみたことがある
だろうか。
 人は透明でも、食べ物は透明ではない以上、その咀嚼、嚥下、消化の過程は
丸見えになるのである。
 それは実に、奇怪にしておぞましい光景だ。
 簡単に言えば、中空にゲロが浮かんでいるわけだから。

 あるいは、雑踏を歩くことがいかに困難であるか。
 人は無意識に他人の動きを見ながら、巧みに交わし合うことで雑踏を歩く。
そのことは、新宿西口の地下広場を歩く時などに実感する。
 あそこは地下鉄丸の内線、JR、小田急線、京王線の改札口が集中し、西口
方面、南口方面、都庁方面、東口方面と、さまざまな方向に向かう群衆が乱雑
に交錯する場所。だから、透明でないぼくでさえ、まっすぐ歩くのには苦労す
る。
 特に、人の動きにまったく関心を払わない地方出身者や外国人観光客が平然
と突っかかってきたり、スマホしか見ていない連中がのろくさと行く手を遮っ
たりするのである。
 あれ、ひょっとしてぼくの姿は見えてないのかな、と不安になるくらい、近
頃の雑踏を歩く人は自分のことしか意識にないようでもある。

 それでも、本当に透明だったら、その困難は何十倍にもなるだろう。

 公園のベンチで一休みするわけにもいかない。
 誰もいないと思った別の人間が、いつ座りに来るか分からないからだ。

 自分のアパートに入るのにも気を遣う。
 ドアを開けるところを誰かに見られたら、どうなるか。その人の目には、ド
アが勝手に開いて閉まるように見えるのだから。

 食事、移動、休憩、帰宅。
 ごくごく当たり前に誰もがやっている細かな生活の些事が、ただ「透明にな
る」という一事をもって、これほどまでに危険な試練に変貌するとは。
 本書が現れるまで、そこに思い当たった人は一人もいないだろうが、言われ
てみればまったくその通りで、こういう点が優れたアイデアの見本なのである。

 また、主人公を追う秘密機関の側にも、リアリティがある。
 ジェームズ・ボンド型の大人のファンタジーでは無尽蔵に経費が使われるが、
ここではワシントンから厳しい会計監査が入り、秘密機関のリーダーも透明と
いう機密を守りながら、予算獲得に奔走する。

 エンターテイメントにありがちな、ご都合主義的ハッピーエンドを避けてい
るのも、本書にユニークな読後感を与えている。
 大体この手の話では、主人公は最後、無事元に戻るものだが、本書ではそう
ならない。
 と言って、絶望のまま終わるわけでもない。
 ハッピーでもアンハッピーでもない、これも現実の肌合いを感じさせる、秀
逸なエンディングだ。

 さて、ここまで読んでくれた方は、そろそろ疑問に思うだろう。
 これのどこが、音楽本なの?と。
 まさか、ピンクレディーに引っ掛けただけなの?と。

 もちろん、そんなことはない。ぼくにとって本書が音楽本である理由は、
「追い詰められた時、人はどんな音楽を聴くのか」ということについて考えさ
せられたからである。

 自宅にやっとたどり着いた翌朝。
 ほっとする間もなく、上述のような生活にまつわる困難の数々に少しずつ気
づいていく主人公。仕事のことも気になるし、やがては金にも困るだろう。
 さまざまな不安に押し潰され、彼はうつ状態になる。

 その時彼は音楽を聴くのだ。しかも、ハイドンを!

 え、ハイドン?
 と、ぼくは思った。

 確かに、主人公はクラシック好きという設定だ。
 この後、バカンスで出かけている家に侵入してアジトにするのだが、ついク
ラシックをかけてしまい、隣人に「留守のはずなのに音楽が聴こえる」と不審
がられ、秘密機関にバレてしまうシーンもある。
 だから、鬱屈した時に彼がクラシックをかけるのは、まあいい。

 だが、ハイドンなのか?

 しかも、他の箇所では「クラシック音楽」としか書かれていない。
 ここだけ、明確に「ハイドン」と指定されているのである。
 そこには何か意味があるはずだ。

 ベートーヴェンだと、将来への不安に打ちのめされた時に重すぎるのはわか
る。しかし、なぜバッハでもなく、モーツァルトでもなく、ハイドンなのか。
 ハイドンと言えば「交響曲の父」だ。有名でもある。
 しかし……

 うまく説明は出来ないが、この選択にぼくは違和感を覚えたのである。

 そこでぼくは考えた。
 じゃあ、自分だったら何を聴くだろうか、と。
 不慮の事故で透明人間になってしまい、この先さまざまな不安を抱えて、一
生孤独な人生を歩まなければならないと思ったら。
 10代から親しんできたビートルズだろうか。
 いま大好きな月光グリーンだろうか。

 そこで気がついた。これ、「無人島に持って行く一枚のレコード」に匹敵す
る、案外面白い問題じゃないか、と。
 そんな問題提起をしてくれた本書だからこそ、ぼくの基準では立派な音楽本
なのである。

 では、改めて問いましょう。
 もし透明人間になったら、あなたはどんな音楽を聴きますか?


H・F・セイント
高見浩訳
『透明人間の告白』
平成四年五月二十五日 発行
平成四年六月二十五日 二刷
新潮文庫

おかじまたか佳
素人書評家&アマチュア・ミュージシャン
相変わらず、再就職活動中です。先日は、クラシックのコンサートを企画・運
営する会社の面接を受けました。採用には至らず、続けて、図書館長とかコン
ベンション・ホールの館長とか、演劇の舞台美術制作とか、世の中にはいろん
な仕事があるもんだなー、と感心しつつ、楽しみながら回っています。

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■「目につく本を読んでみる」/朝日山
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『スキャンダル除染請負人』田中優介 プレジデント社
 
 いわゆる企業スキャンダルをどうやって沈静化させるのかという「リスクマ
ネジメント」の実際を描く小説の連作集。主人公は、元警察のエリート官僚だ
ったキァリアをもつ、ダメージコントロールブレーン (DCB)社の危機管理コン
サルタント橘沙希と部下の穂積孝一。2人のコンビが、企業が直面するスキャ
ンダルの沈静化の仕事を受けて問題解決に挑んで行く物語。一章が一短編とな
っており、全部で八つの連作短編集だ。
 
 書いているのは、危機管理コンサルタントの親監修、息子が書いている。と
いうか、最初父親が書いているのを息子が読んで、これは小説になってないと
小説好きの息子が全面的に書き直したものらしい(笑)
 
 スタートは企業の社長がスポンサーとなっている女子サッカーチームの選手
と不倫しようとしていたところを週刊誌に写真を撮られて、どうしましょうか
と相談に来るところから始まる。実際はやる寸前でやってもいない「未遂」だ
が、マスコミ対処はこのようにやるのだとする見本のような展開を見せられる。
 
 三つ目で、橘沙希がどうして警察に入ろうとしたのか、どうして期待されて
いた職場を捨てて、危機管理コンサルタントになったのかが語られる。高校生
の時、ストーカーに狙われていたことから父親に相談すると、父親は友人であ
る警官、水野を紹介し、水野に沙希は助けられる。
 
 この経験から沙希は警察官を志望し、合格し、水野にあいさつしようとする
とそっけない対応をされた。警察は階級社会。キャリア採用とは言え、学校出
た手のぺえぺえとすでに何十年も勤務し、ノンキャリ最高クラスまで出世して
いる水野とでは、「階級」が違うのである。
 
 だったら出世してやるとがんばって、将来女性初の警視総監かと言われるほ
どにまでなったところで彼女の人生はひっくり返ることになる。
 
 なぜそうなったのかは、読んでいただくとして、読んでいて思ったのは、こ
の世界はイメージよりも人としてのあり方が問われる仕事のようだ。
 
 スキャンダルを沈静化させる仕事と言うと、たとえば反対情報を出してある
事件の告発者を不当に貶めるディスインフォメーションを連想してしまうのだ
けど、そういう話は出てこなかった。むしろ、クレーマーと、そうでない人の
判別法など、人の観察眼を問われる話ばかり出てくる。
 
 某病院で、看護師が自殺した。いわゆる過労死のように見えた。とはいえ多
少オーバーワーク気味ではあったが、それが原因だとは思えない。むしろかわ
いがっていた子供の患者が相次いで亡くなったことにショックを受けていたよ
うで、むしろそっちの方が自殺の原因のように思えた。しかし世間はそうは見
ないだろう。
 
 亡くなった看護師の夫は、当然怒っている。そんな中、初期対応をしっかり
とやり、夫に寄り添う形で自殺原因を探って行く姿勢は、ディスインフォメー
ションの話を期待していた私としては拍子抜けすると同時に、この仕事を「汚
れ仕事」だと思っていた認識を改めさせられた。むしろ人をどれほど理解でき
るのかが、この商売の成否を決めるらしい。
 
 もちろん、謀略じみたテクニックを披露されている章もある。会社の取締役
に送られてくる怪文書を一切開封させず、取締役会ではじめて公開する手法な
ど典型例だろう。
 
 これは怪文書を送ってきたのは、取締役の誰かだという確信があってのテク
ニックで、怪文書をすべて公開せず、きりのいいところで切って取締役会に提
出し取締役の反応を見る。「これは続きがあるんじゃないか?」と言ってきた
取締役・・・そいつこそが怪文書を送ってきた張本人だ!まだ続きがあると知
っているのは、犯人だけなのだから。
 
 そんな感じで一章読んでいくごとに小説を読みながら企業のリスク管理の手
法が理解できるようになっている。しかもご丁寧なことに、橘沙希の前に立ち
塞がる敵は、リスク管理の良くない事例の紹介に使われているから、何をやっ
てはいけないかもわかる。知識を得るビジネス小説として、とても良くできて
いる本だと思う。
 
 一つ苦言を言っておくと、あとがきに、この本のネタ本として「克危論」と
いう著者の父の書いた本のことが書いてあるのだけど、これがネットで検索し
ても出てこない。
 
 著者の父親である田中辰巳名義の本はいくつか見つかるのだが、おそらくは
父親の主著であろう「克危論」だけが出てこないのは、私家版か何かなのだろ
うか?
 こういう、本の存在が示唆されていて、読みたいのに、見つからないのはち
ょっとしたストレスであった。
 
 とはいえ、これから続編が出てくる期待もある(そういう終わり方をしてい
る)。この本は元々「克危論」全25章のうち、8章をネタに使っているという
ことだから、三冊シリーズで完結という予定なのかも知れない。
 
 今後に期待しよう。

(朝日山 烏書房付属小判鮫 マカー歴二十うん年)

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■「おばちゃまの一人読書会〜中高年の本棚〜」/大友舞子
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世田谷の「細雪」、それぞれの心情
『サザエさんの東京物語』長谷川洋子・著(文春文庫)

 書店で見て気楽に読める夏の時間潰し本としては最適と思って購入、寝転び
ながら読んて半刻・・・おばちゃま、ガバっと起き上がって正座しましたよ。
(すぐにまた寝転んだけども)。

 今から半世紀も前、母が「すごくおもしろい、もうおなかを抱えて笑える漫
画」と言って買ってくれて読んだのがサザエさんを読んだ最初でした。

 そのあと、サザエさんのメーキングともいうべき「サザエさんうちあけばな
し」も読みました。実をいえば、私、サザエさんのおもしろさというのがよく
わからなくて、(サザエさんを全巻揃えている人っているけど、それにちょっ
とした権威主義も感じてしまっていて・・・)でも、「うちあけばなし」は楽
しくて、何回も読み返してきました。

 サザエさんは「フツウの庶民の暮らし」を描いていると言われていますが、
それは誤解で、「昭和のホワイトカラーの暮らし」を描いているというのが正
しいですね。

 おばちゃまは私はこの東京山の手の中流階級の暮らしが今でも羨ましくてね〜。
それはフツウに見えて実はフツウではなく、手に届きそうでなかなか届かない
世界だからだと思います。

 この本は、サザエさんの著者、故・長谷川町子の妹が描いたファミリーの話。
「うちあけばなし」でわかるように、両親、3人の娘と福岡で平和に暮らして
いた家族は、父の死去とともに上京、母が3人の娘を育て、それぞれに才能を
磨くうちに次女が漫画を描いて成功し、長女がその漫画の出版社を経営し、妹
が手伝うという鉄板の女系家族の暮らしが続きます。

 つまり、「働く細雪」なんですね、この家族は。働くといっても被雇用者で
はなく、会社経営者+文化人で、時代を先取りしております。

 「細雪」の姉妹たちが一見、穏やかに暮らしているように見えて、危うさを
はらんでいるように、末の妹が描いた母や姉も、家の中では人見しりでわがま
まで暴君だったという描写は、さもありなんと思って、読んでいたのですが。

 ガバッと起き上がったのは、文庫本で187ページ「別れ」からの章。サザエ
さんの連載が終了し、姉が新しい家を建て末娘に、「あなたも同じ敷地に家を
建てたらいいわ」と誘うのだが、逡巡した結果、古い家にとどまると決意して
姉たちに手紙を送ると、姉たちは驚愕して、一切の交際を絶ってくるのです。
著者が淡々と書くだけに、それぞれの心情を考えると、なんだか芯から恐ろし
く文章の合い間を何度も読むのですが、手がかりはなく・・・読者である私は
途方に暮れるのでありました。ただ、

「生まれたときから末っ子の味噌っかすで、機関車に引かれる貨物列車同様、
姉達の引いたレールの上を走ってきた。おもしろいこと、楽しいこと、心強い
こともたくさんあった。でも、自分で考えて自分で決めて、自分の足で歩いて
こその人生ではないだろうか」

 著者の心情はこの文章に尽きるでしょう。その基盤には、元の家の名義が著
者だったこと、3姉妹の中でこの人だけに子どもがいるということも見逃せな
い要素だと思います。(昭和25年、桜新町に母が買った土地を「この土地は洋
子ちゃんにあげましょう。きっと役に立つときがくるから」と買ってもらった
土地が坪2000円。「この芋畑が50年後に何百倍になっているとは誰も思わなか
った時代で」とあります)。

 この遅すぎる末っ子の反抗期に上2人の姉は国交断絶で応戦します。その激
しさは、長谷川町子さんが亡くなったときに知らせないばかりか、「洋子には
ぜったい知らせてはいけない」との言葉が聞こえてくるほど。そして遺産相続
の放棄の依頼と受諾、上の姉が亡くなったときも知らせないという激しさです。

(1つわからなかったのは、著作権がだれにあるかということ。この本の表紙
は「サザエさんうちあけ話」から取っているみたいですが、遺産放棄したのな
ら著作権はどこに?)

 怒りを生きるエネルギーにするような命の燃やし方はすさまじいばかりであ
ると同時に、わかる気もします。妹が溜めてきた無意識の不満について、家族
を牽引してきた姉はどう思うのか、もはや誰も聞くことができません。

 日本の復興、高度成長期に合わせて連載された「サザエさん」はまことに巨
大なコンテンツです。そのメーキングが平穏で平凡・・・なわけはありません。
才能と才覚に恵まれた女ばかりの家族のそれぞれの心情は、そこにいた人にし
かわからないものだと感じ入りました。

 だからこそ、「サザエさん」が成立したのだと感銘を受けました。

大友舞子(おおとも・まいこ)
昭和20年代生まれのフリー編集&ライター。関東生まれで関西在住。

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■献本読者書評のコーナー(応募要項)
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 この本の書評を書きたい!という方は、応募要項を御確認の上、ご連絡くだ
さい。

・『たまご社長が教える運をつくる仕事術』(三楽舎)
 http://www.sanrakusha.jp/archives/1510

・『支え合い・学び合いで育つ「わたし」』(エディット・パルク)
  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/cogito/%8Fo%94%C5%88%C4%93%E0/%8Ex%82%A6%8D%87%82%A2%81E%8Aw%82%D1%8D%87%82%A2.html

・『追憶 下弦の月』(パレードブックス)
  http://books.parade.co.jp/category/genre02/978-4-434-23989-2.html

・『元アイドルのAVギャル瀬名あゆむ、アイドルプロデューサーになる』
 (コアマガジン)
 http://www.coremagazine.co.jp/book/coreshinsho_024.html

 参加ご希望の方(つまりは書評をご執筆いただく方)は、

・希望の書籍名:
・送付先ご住所・名前:
・筆名(あれば):
・書評アップ先の媒体予定:
・コメント:

 をご記入の上、下記までメールください。

 表題【読者書評参加希望】
 info@shohyoumaga.net

 皆さんのご応募、お待ちしております。

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 このコーナーの仕組みはとてもカンタンです。

1)まず、出版社の皆様より、献本を募ります。冊数は何冊でもOKです。下記
 まで御自由にお送り下さい。(著者の皆様からの直接の献本はご遠慮くださ
 い。かならず出版社からの献本をお願い致します。)

 〒142-0041 東京都品川区戸越5-4-3 アズ品川ビル4階
       ビズナレッジ株式会社内 [書評]のメルマガ 献本 係

2)このメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集します。
 先着ではなく、文章執筆実績と熱意優先で選ばせていただきます。(過去に
 執筆された文章などございましたら、合わせて御連絡ください。)

3)発行委員会はいただいたメールの中から、ピックアップし、献本いただいた
 本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に応募数が満たない場合
 には、60日後に古本屋に売却します。)

4)ちなみにここでいう書評というのは、当メルマガに掲載する記事ではありま
 せん。送付先御本人分のブログ、あるいはアマゾンや楽天などのオンライン
 書店でも結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。つまり
 は当メルマガではないどこかリンクのできる外部に書評をアップお願いしま
 す。(あまりにも短いものは書評とは呼べませんので、文字数の条件を設け
 ました。書評は500字以上でお願い致します。)

5)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

6)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。期日に間に合わない、あるいは書けないという場合、送
 料をご負担いただき、書籍を返送いただきます。

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■あとがき
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 暑い暑いと冷房の中にずっといたら、体が冷えてしてしまいました。こうい
うときは熱中症にならないように水分を取って、敢えて窓を開けてだらだらと
汗を流しながらお昼寝をする、なんてのも体調回復に良いようです。

 というわけで、ちょっと、おやすみなさいませ。(あ)

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