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[書評]のメルマガ vol.675

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■■ [書評]のメルマガ                2019.04.10.発行
■■                              vol.675
■■ mailmagazine of book reviews    [「平成35年」て、いつだ!? 号]
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■コンテンツ
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★トピックス
→トピックス募集中です。

★「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
→<112>伊藤重夫の神戸を、令和から振り返る

★「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
→第111回 悲しみのフクシマ 故郷と心の喪失(柳美里の芝居)

★「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
→94 おもしろい本を読みたい

★「人事なショヒョー〜組織とコミュニケーションを考える」/SHOW−Z
→今回はお休みです

★献本読者書評のコーナー
→書評を書きたい!という方は、まだまだ募集中

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■トピックス
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■今回の献本読者書評のコーナー
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 この本の書評を書きたい!という皆様、詳細は巻末で!

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■「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
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<112>伊藤重夫の神戸を、令和から振り返る

 大阪市内の路上で激しくスっ転んだのは、3月中旬だった。ビル敷地と舗道
との間にあった段差に気づかず、足を踏み外してしまったのだ。
 その場はなんとか立ち上がり、痛みに耐えつつ電車に乗って家に帰ったのだ
が、一向に痛みは引かず、見ると足の甲あたりが腫れ上がってもいる。
 痛む足を引きずりながら病院へ出向いて、レントゲンを撮ってもらうと、足
の甲の骨にひびが入っていた。

 即刻ギプスを嵌められて、松葉杖で帰った。
 どうやら足を踏み外した時に、甲の片側に全体重をかけてしまったらしい。
 ギプスは、取り外しのできる半ギプスで、足先を浮かせて踵だけを使うと、
なんとか歩くことができたので、そうやって出かけてもいたのだが、1週間後
に再検査したところ、「ヒビが広がっている」とのことで、絶対に足をつけな
い完全ギプスと相成ってしまった。

 もはや松葉杖なしでは動くことも叶わず、外出は必要最低限にとどめて、養
生に相務めているうちに、平成の次の元号が「令和」と決まった。
 初めて聞いたときには、「令」の字に、なにやら安倍内閣の「黒い意図」が
含まれてるような気がして、違和感というか、いや〜〜な感じにもとらわれた
が、考え過ぎか?

 新元号は、世界でもあちこちで話題になってるようだが、中国のネットには、
次のような書き込みがあったとか。

明治養士(明治は士を養い)
大正養国(大正は国を養い)
昭和養鬼(昭和は鬼を養い)
平成養豚(平成は豚を養い)
令和養老(令和は老人を養う)

 思わず「うまい!」と唸ってしまいましたですよ。さすが、漢字の本家本元。

 しかし、今回の「令和」は、初めてその典拠が中国の古典ではなく国書から
採られた、とか言うてますけど、ならばいっそ、読みも中国語由来の音読みで
はなく、大和言葉の訓読みにしても良かったんじゃないか?
 令和を訓読みだと、「よしかず」…では名乗り読みだな、「よきなごみ」?
 「よきなごみ元年」、いいではないか。今からでも、こっちにしない?

 にしても、昭和、平成、令和とくると、ますます西暦との「変換」が難しく
なってくる。
 ようやくここへきて、運転免許証には、元号と西暦併記、と決まったそうだ
が、「遅いわ!」と言いたい。
 わしの次の更新年、「平成35年」て、いつだ!?

 新元号も決まり、平成もあと1か月。メディアでは「平成を振り返る」企画
が目立ってきた。
 そんなとき、ネットで見つけたのが、伊藤重夫の漫画が復刊された、との情
報だった。

 伊藤重夫の漫画が読みたいのに、古本屋でもなかなか手に入らない、という
状況に業を煮やしたファンが集結し「復刊委員会」を結成、クラウドファンデ
ィングを起ち上げて、既に一昨年の2017年、その第一弾『踊るミシン』を復刻
し、2018年にその第二弾が発売された、と言うではないか。
 この情報を知ったのが3月。既に残り部数が少ない、とのことで、即刻注文
しましたよ、『ダイヤモンド/因数猫分解』(アイスクリームガーデン・刊)
定価税別1990円。

 伊藤重夫は、神戸出身、今も在住の漫画家でデザイナー。
 1972年、林静一や鈴木翁二等、いわゆる「ガロ系」作家も多く執筆陣に名を
連ねた伝説の漫画同人誌「跋折羅」で漫画家としてデビューした。
 「跋折羅」は、刊行当時のリアルタイムで、何冊か買った記憶もあるのだが、
伊藤重夫という名と作品を初めて見たのは、もう少し後の、「夜行」(北冬書
房)で、だったと思う。
 確か、神戸・垂水を舞台にした漫画で、今回の単行本に収録された『塔をめ
ぐって』と同じトーンの作品だったと記憶する。

 当時は東京に暮らしていたので、神戸が舞台、しかもその神戸でも全国的に
はあまり知名度の高くない西の端っこの垂水が舞台、ということで、女の子の
キャラクターが何やらはかなげで印象深いその絵柄とともに、強く記憶に残っ
た。

 伊藤重夫は、1980年代に至ってメジャーの商業誌でもその名をぽつぽつと見
るようになり、1990年から、“伝説の漫画雑誌”「A・ha」に、オールカラー
の漫画を連載する。
 伊藤重夫の経歴には、「伝説の」とか「幻の」が、やたらとついてまわるの
だが、「A・ha」は、アート系コミックを目指した、というとても斬新な雑誌
で、これがもし成功していたなら、後の日本の漫画シーンも、今日とはまた違
った方向で発展していた可能性もあるのだが、一般の雑誌の形態ではなく、発
行元は石油会社の「ESSO」で、系列のガソリンスタンドでのみ売られていた…
ので、一部の好事家の間では話題になりこそすれ、その存在が一般に知られる
ことはまずなかった…のだった。

 今回の復刻版『ダイヤモンド/因数猫分解』に収録された『ダイヤモンド』
が、「A・ha」に連載された漫画で、これが今回は連載時と同じオールカラー
で収録されているのも、また嬉しい…って、実は雑誌自体は、当時その存在を
知っていた…というか「伝説」として見聞していただけで、実際に見たことは
なかったのだけど。

 今回の復刻版の「あとがき」に伊藤重夫自身が書いているが、作品の完成度
にとてもこだわる性格の故に、商業誌のペースでは、なかなか思うように作品
をつくれなかったようだ。
 「あとがき」では、「某大出版社」から5回の連載を依頼されたものの、1
回目が掲載された直後に「失敗作」と認識し、自らその後の連載を断った、と
いうエピソードも披露されている。
 それ故かどうか、伊藤重夫は90年代以降、神戸でデザイン事務所を開いて後
は、漫画からも遠ざかり、彼自身が「幻」で「伝説」の漫画家となった。

 今回の本では、「A・ha」に連載されたオールカラーの『ダイヤモンド』が
最初に収録されている。
 前述のように、これは今回初めて読む作品だったのだけど、驚いてしまった
のは、発表から30年近くが経っているのに、まるで「古びてない」ということ。
 「古びてない」どころか、まるきり「新しい」のである。
 今どきの漫画家で、街を、こんなに活き活きと、ポップに描写できる作家は、
まずいない、と思う。

 そうなのだ。伊藤重夫が描いた神戸。
 これぞ、神戸だ。
 まだ震災前の、元気だったころの、全国に向けて流行を発信していたころの
神戸と、その街中を縦横無尽、昼に夜に、おもろいことを求めて全力で駆け回
る男女が、カラーの画面から踊りながら飛び出して来る。
 東京にいたころ、月に一度神戸への出張があったのだけど、毎月毎月、この
元気な神戸を見るにつけ、「帰りたいな」との意を強くしていった…というこ
とを思い出しもした。

 今回、改めて伊藤重夫の漫画をじっくりと読み、その背景、ことに街景の描
き方が、同じ神戸出身の佐々木マキに、似ている、というんじゃなくて、なん
か同じ空気観を醸してるように見えた。
 女性、ことに少女の描写では、絵柄はまったく違うのだけど、その肢体のし
なやかさには、思わず林静一を彷彿してしまった。
 「ガロ系」の系譜、というよりも、伊藤重夫は、「アート系漫画」の正しい
継承者、と思うのだが、できたら「新作」も読みたい、というのは、贅沢に過
ぎるかな。

 その『ダイヤモンド』では、今回の本への収録に当たって、冒頭に「第4話」
を持ってきて、その後に「1」「2」「3」「5」と続けられている。
 説明的な描写の多い「第1話」を後ろに持ってくることで、「いきなり」な
唐突感を演出してあって、この作り方には「なるほど!」と唸ってしまいまし
た。

 今回の本、『ダイヤモンド』以外の所収作の、そのいくつかは、かつて雑誌
等の初出で読んだ覚えがある。
 …のだけど、ここでもユニークな試みがなされていて、収録作の三作目、
『ワルキューレ・塔をめぐってよりReMIX』は、『因数猫分解』『コートにす
みれ』『1922年のアインシュタイン』『ワリュキューレ』『塔をめぐってより』
という、全く別々の5作品を、それぞれのトビラ頁を取っ払うことで、強引に
ひとつに繋げてしまっているのだ。

 なので、当初は、読んでいて「あれ?」となるのだが、気を取り直して読み
進むうち、1920年代の神戸で、既に卒業して東京に暮らす「タルホ先輩」の後
継者たらんと、行きずりの女学生への恋心を胸に秘めつつ、ヒコーキの自作に
執念を燃やす旧制中学生たちと、自主製作の映画撮影に情熱を燃やしながら、
オンナにもウツツを抜かす、あるいは去ってしまった友と幼なじみの少女の間
で心を震わせる、1980年代の、神戸・垂水の不良少年たちの青春群像が、きっ
ちりと1本に繋がってくるのである。

 結構な時間をかけて1冊を読み終えて、ふと顔をあげたとき、漫画の中に
「風」を、感じながら読んでいたことに気付いた。
 それは、神戸北野町に夕暮れから吹いてくる六甲おろしの風だったり、大正
時代の三宮元町に吹いていた、港からの風だったり、舞子海岸の松林を通りす
ぎる風だったり、伊藤重夫の漫画には、それぞれの場所、それぞれの時代に吹
く風が、きっちりと描き分けられているのである。

 昭和平成を過ごし、まもなく令和を迎えるにあたって、伊藤重夫の漫画こそ
が、まさしく、正しい「神戸漫画」だと断言したい。
 もっとたくさんの人に、この漫画を読んでほしい、あのころの神戸を知って
ほしい、と切に願う。
 今回の復刻版は1990円、と結構なお値段ではあるけれど、それだけの価値は、
充分にある、ので、是非、是非!
 クラウドファンディングでは、かなりな資金が集まったようでもあり、重版、
も期待してしまう令和元年目前なのだった。

太郎吉野(たろう・よしの)
阪神タイガースお膝元在住。右投げ右打ち。趣味は途中下車、時々寝過ごし乗
り越し、最長不倒距離は三重県名張。
ちなみに「阪神タイガース」の「阪神」は、「兵庫県阪神地方」を指します。

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■「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
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第111回 悲しみのフクシマ 故郷と心の喪失(柳美里の芝居)

 芥川賞作家の柳美里は、福島県南相馬市で書店を経営しながら、地元高校の
演劇部と芝居をしている、という記事が新聞に載ったのは、昨年の秋だった。
彼女の戯曲で高校生が演技するその芝居は南相馬市で上演されたという。南相
馬市は福島第一原発の北に位置しているので、もし東京からこの芝居を果敢に
観に行こうとするならば、常磐線の不通区間を迂回するので、東北本線経由で
行かなければならない。時間的に無理がある、とその時は、芝居の鑑賞を早々
に諦めた。柳美里は作家よりも先に演劇人(役者・演出家)として出発したよ
うだ。演劇に挫折しかけたときに小説を書き、その分野で成功を収め、小説家
として多忙を極めていたときに東日本大震災が発生した。・・・・・ここにも
あの震災によって人生が変わった人がいる。

 そしてその柳美里の芝居が昨秋と同じ福島県立ふたば未来学園高等学校の演
劇部の出演よって、この3月に東京で上演されることになった。その芝居を北
千住のとある小屋で観た。そして、その芝居が載っている柳美里のサイン本を
買った。

『町の形見』(柳美里 著)(河出書房新社)(2018年11月30日 初版)

 「町の形見」、「静物画2018」、「窓の外の結婚式」という三つの戯曲
が載っている。そして、本書の核となる「静物画2018」が高校生による芝
居であり、この芝居には女性版と男性版のふたつの戯曲があり、同じ展開であ
るが、役者が男性だけのものと役者が女性だけのものがある。まさにこの「静
物画2018」が3月に北千住で上演された芝居なのだ。

 主要な登場人物は6名。その6名の名前は“りょう”、“なお”、“はる”、
“まこと”、“さつき”、“あゆむ”と男女どちらでも可能な名前になってい
る。演じている高校生と同じ境遇の6名。津波と原発で家と故郷を失った高校
生。震災当時は小学生だった。彼らがどんな経験をしたか、どんなことを思い、
考えているか、どういう行動を取ったか、等身大の同じ高校生によって、フク
シマの現実を描写している。というより、これは完全なるあて書きだと思った。
彼ら福島浜通りの高校生がそこにいて、柳美里は彼らのことを想いながら、こ
の「静物画」という以前からある自分の戯曲を彼らのために大幅に改訂したの
だろう。

 この芝居は一言で云えば悲しみの芝居なのだ。みんな余計なことを喋ってい
るけど、心の中にはそれぞれ悲しみとそして苦しみを抱えている。別れをたく
さん経験し、身近に思い通りにいかない人々がいて、差別もあり、自分の将来
も見えず、沈黙が支配する、この世の中で、どう生きていかなければならない
か。それはいたいけな高校生には少し重すぎる命題なのだ。残酷なことに時は
流れる。待ってはくれない。立ち止まっているうちにどんどん進んでいく。取
り残された自分に気がつき、焦ってみてもどうしようもない。やっぱり時は進
んでいくのだ。客観と主観の間にあって、この時間だけが冷徹にその主義主張
を貫き通している。我々人間は、その冷徹な時間に支配され、その主客は絶対
に逆転することはないのだ。

 そうはいいながらも、流れ続けていて決して止まることがない時間を、我々
は切り取ることはできる。それが思い出とか、あの時あの瞬間、とか、記憶と
かいうもの。そしてあの震災。震災後8年が過ぎても、我々日本人は、あのと
き、何をしていたか、はひとりひとりがはっきり記憶している。2011年・平成
23年3月11日金曜日午後2時46分、あなたは何をしていましたか? 当時を生
きていたほとんどの日本人がこの質問に答えられる。そして、その記憶がこの
芝居を生んでいる。

 すべての始まりは、この質問と各自の答えにある。“あの日あの時、なにを
していたか。”

 人が違えば経験が違い、その経験は人の数だけ存在する。あの時の記憶をひ
とつひとつ丁寧に紡ぐとき、福島の浜通りでは、悲しみと沈黙しか残らなかっ
たのだろう。その紡いだ悲しみと沈黙を柳美里は芝居にして、それを被災者で
あり、同時進行の高校生に演じさせた。演じた高校生は、おそらく悲しみと沈
黙から少し解き放たれた。・・・・・だろう。そして芝居を観た我々は、立ち
止まり、思いを受け止め、彼らが抱えていたそれが予想外に重いものだったこ
とに愕然とする。しかしそれを受け止めることが我々の使命だと気づき、その
ままそれを受け止め続けようとする。少なくとも執筆子であるやつがれはそれ
を手放すことはしない。したくない。


多呂さ(平成の御代は戦争はなくても災害とテロが喧しかった。昭和の御代は
戦争があっても生きる活力に溢れていた。・・・・・では次の令和の御代はど
んな御代になるのか。悲しみを抱え続ける御代になるのだろうか。)
 ブログ→ http://d.hatena.ne.jp/taro3643/

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■「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
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94 おもしろい本を読みたい

 『ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし』廣末 保 岩波少年文庫

 1972年に、平凡社で刊行されたものが、岩波少年文庫で読めるようになりま
した。

 江戸時代の作家、井原西鶴の話を種としてつくられた7編が収録されていま
す。作者廣末さんのあとがきによると、西鶴の作品では四百字詰の原稿用紙4
枚から7枚程度のものを、廣末さんの作品では3倍から8、9倍の長さになっ
ているそうです。

 江戸時代に書かれた内容なので、もちろん時代ものですが、めっぽう読みや
すく、話の種からきれいに花が咲いたもの(物語)を鑑賞させてもらえます。

 タイトルにもなっている「ぬけ穴の首」はぞくりとさせる怪談話のよう。

 判右衛門の兄はささいなことで殺害され、兄嫁から仇討ちを依頼されました。
気はすすまないものの、断ることもできず、息子をつれて相手を斬りに行くの
ですが……。

 殺害される理由が髑髏によって語られるシーンもあり、終始怖さがつきまと
います。それでいて、世の理をみているのだと納得させられるところもあるの
ですが、最後は本当に怖い。

「わるだくみ」は、知恵と才覚で一介のお茶販売から、茶問屋の主へと一財産
を築いた利助の話。本来は金儲けよりも、おもしろいことをするのが好きだっ
た利助なのですが、儲けが大きくなるにつれ、お金に魅力を感じ……。

 人の欲について書かれた話は、昨今、ニュースにもなる会社の不正とよく似
てます。この話のおもしろさは、利助が死んだ話のあと話も短篇のように書か
れているところで、最後の最後まで、ひっぱられます。

 いつか西鶴の作品そのものも読んでみなくては。

 さて、次にご紹介する絵本も、作者は亡くなっており、その作者スキャリー
さん生誕100年に邦訳されたものです。

 『スキャリーおじさんのとってもたのしいえいごえじてん』
 リチャード・スキャリー さく ふみみさを やく
 松本加奈子 英語監修 BL出版

 絵本作家として活躍したスキャリーさんはアメリカ・ボストン生まれ。出版
された絵本の発行部数は2億冊を超えたともいわれています。

 作者紹介を引用すると、スキャリーさんのことばに「どんなものにも教育的
な面がある。でもぼくが伝えたいのはおかしさだ」と語ったそうです。

 そのとおり、スキャリー絵本はどれも楽しいものばかり。

 本書は英単語を楽しく覚えられるもので、英単語に意味とともにカタカナで
の読み方がついています。

 このカタカナの読み方が工夫されていて、アクセントを強くするところは太
字で大きく、文字も大小組み入れて、英語の音に近い読み方ができるようにな
っているのです。

 文字も並べているだけではなく、「えをかこう、いろをぬろう」「おもちゃ」
「どうぐ」「くうこう」など、様々な場面にたくさんの動物を登場させて、い
きいきとした雰囲気の中、英単語がおかれています。

 家の本棚にこの絵本があれば、子どもが一人読みで楽しく英語にふれられそ
うです。

 最後にご紹介するのは、
 名探偵 テスとミナシリーズで最新刊は3巻。

『名探偵テスとミナ みずうみの黒いかげ』
 ポーラ・ハリソン 作 村上利佳 訳 花珠 絵 文響社

 ふたごみたいにそっくりな2人テスとミナ。
 けれど、立場は正反対(!?)
 ひとりはメイド、ひとりはプリンセス。年は同じ10歳です。

 かわいらしいテスとミナが表紙のソフトカバーなつくりは、小学校中学年く
らいの子が楽しめそうです。

 ふたりのいるお城で事件がおきると、立場を入れ替えながら、解決していく
ミステリーでもあり、メリハリある展開で謎解きの吸引力はかなり強く、おも
しろいのです。

 巻末にはファッションコーデの特別ページもつけられていたり、3巻ではオ
リジナルアイテムとしてブックマークやポストカード、時間割表もついている
という豪華さ。(時間割表、なつかしい!)

 知人の小学5年生の女の子に紹介したところ、毎晩夢中になって読んでいる
とのこと。次の巻は7月発売予定。


 さて、本を読んでおもしろい!と思うのは本読みにとって至福のときですが、
このよく使う「おもしろさ」。
『ぬけ穴の首』には町田康さんが古典の「おもしろみ」という文章を寄せてお
り、そこでこう書いています。

「多くの人は、おもしろいことはただひたすらにおもしろいだけ、と信じてい
るが、実はおもしろさには二種類のおもしろさがある。」

 この二種類のおもしろさの話がまた「おもしろい」のでぜひご一読を。


(林さかな)
会津若松在住。「本の雑誌」新刊めったくたガイド海外文学担当。
http://1day1book.strikingly.com/

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■献本読者書評のコーナー(応募要項)
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 この本の書評を書きたい!という方は、応募要項を御確認の上、ご連絡くだ
さい。

・渋谷昌三 著『人を傷つける話し方、 人に喜ばれる話し方』(WAC)
 http://web-wac.co.jp/book/bunko/280

・『ヒューマン ― 私たち人類の壮大な物語』(発売:紀伊國屋書店)
 http://www.human.ac.jp/cm/president.html#book3

・『たまご社長が教える運をつくる仕事術』(三楽舎)
 http://www.sanrakusha.jp/archives/1510

・『支え合い・学び合いで育つ「わたし」』(エディット・パルク)
  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/cogito/%8Fo%94%C5%88%C4%93%E0/%8Ex%82%A6%8D%87%82%A2%81E%8Aw%82%D1%8D%87%82%A2.html

 参加ご希望の方(つまりは書評をご執筆いただく方)は、

・希望の書籍名:
・送付先ご住所・名前:
・筆名(あれば):
・書評アップ先の媒体予定:
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 をご記入の上、下記までメールください。

 表題【読者書評参加希望】
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 皆さんのご応募、お待ちしております。

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 このコーナーの仕組みはとてもカンタンです。

1)まず、出版社の皆様より、献本を募ります。冊数は何冊でもOKです。下記
 まで御自由にお送り下さい。(著者の皆様からの直接の献本はご遠慮くださ
 い。かならず出版社からの献本をお願い致します。)

 〒142-0041 東京都品川区戸越5-4-3 アズ品川ビル4階
       ビズナレッジ株式会社内 [書評]のメルマガ 献本 係

2)このメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集します。
 先着ではなく、文章執筆実績と熱意優先で選ばせていただきます。(過去に
 執筆された文章などございましたら、合わせて御連絡ください。)

3)発行委員会はいただいたメールの中から、ピックアップし、献本いただいた
 本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に応募数が満たない場合
 には、60日後に古本屋に売却します。)

4)ちなみにここでいう書評というのは、当メルマガに掲載する記事ではありま
 せん。送付先御本人分のブログ、あるいはアマゾンや楽天などのオンライン
 書店でも結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。つまり
 は当メルマガではないどこかリンクのできる外部に書評をアップお願いしま
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 ました。書評は500字以上でお願い致します。)

5)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

6)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。期日に間に合わない、あるいは書けないという場合、送
 料をご負担いただき、書籍を返送いただきます。

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■あとがき
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 配信遅くなりました。ちなみに、私は「令和」の発表を、歯医者で歯を削ら
れながら聞きました。(あ)

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