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[書評]のメルマガ vol.692


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■■ [書評]のメルマガ                2020.01.10.発行
■■                              vol.692
■■ mailmagazine of book reviews       [「論語」がわかれば 号]
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■コンテンツ
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★トピックス
→トピックス募集中です。

★「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
→<120>“大大阪”発『エコール・ド・プラトーン』

★「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
→第120回 検証 大川小学校事故

★「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
→102 昔と今、なにが違う

★「人事なショヒョー〜組織とコミュニケーションを考える」/SHOW−Z
→今回はお休みです

★献本読者書評のコーナー
→書評を書きたい!という方は、まだまだ募集中

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■トピックス
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■守屋淳著『「論語」がわかれば日本がわかる』の御紹介
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 みなさん、こんにちは、というかお久しぶりです。このメルマガの創設にか
かわった守屋淳です。

 今回、一般の皆さんにも楽しんで頂けるような新刊を発売しますので、宣伝
のためにしゃしゃり出てきました。2月5日の発売です。

『「論語」がわかれば日本がわかる』守屋淳  ちくま新書  968円

 日本人は、教育学や社会学、心理学などの比較調査や、種々のアンケートの
結果に明らかなように、いろいろ特徴的な傾向を持っています。たとえば、

・日本人が好むコンピューターゲームの形は、たとえば五人のメンバーがいた
 場合、その五人でチームを作って、強大な敵を倒しに行くようなゲーム。ア
 メリカ人の好むゲームの形は、五人のメンバーがバトルロイヤルでお互いに
 殺し合いをして、一人の勝ち残りを決めるようなゲーム。(和田洋一スクウ
 ェアエニックス前社長の指摘)

・日本の「いじめの特徴」は、何かをすることというより、何かをしないこと
 (〜外し、ハブにする)であり、加害者、被害者、傍観者がころころ変わり
 やすい。

・日本の学校で成績のいい子は、不得意科目を我慢して努力して克服できた子。
 アメリカで成績のいい子は、自分の得意な部分を伸ばした子。

・二〇一四年に実施された、日本を含めた七カ国の満一三〜二九歳の若者を対
 象とした意識調査で「自分自身に満足している」「自分には長所がある」と
 いう質問に対して、ともに調査国中で日本は最低の数字だった。

・二〇〇七年、アメリカのピュー研究所が、各国の意識調査を行ったなかで、
 「政府はひどい貧困に陥っている人を助けるべきか」という質問に対して、
 日本は「完全に同意する」という答えが一五%で、調査国中ダントツの最下
 位。

・日本の総務省が二〇一四年に実施した「ICTの進化がもたらす社会へのイ
 ンパクトに関する調査研究」によると、ツイッターやSNS,掲示板、ブロ
 グなどにおいて匿名率が諸外国に比べてかなり高い。たとえば日本では、ツ
 イッターの匿名での利用率が七十五.一%ですが、フランスが四十五%、そ
 れ以外の国はすべて三十%台の匿名率。

 なぜ、こういった傾向が出るのか。それは日本の公教育や組織文化のなかに、
『論語』や儒教の価値観が根強く残り続けていて、その影響を複合的に受けて
いるからだ、ということを、歴史的な経緯から解き明かしたのが本書なのです。

 昨今、いろいろな大企業が不祥事を起こしていますが、その多くは、『論語』
や儒教の価値観の悪い面が出てしまったと見ることもできます。

 そして、こうした問題は、『論語』や儒教の価値観が、まさしく「無意識」
の刷り込みになっているから起こる、と筆者は考えています。いわば日本人の
刷り込まれた性(サガ)とでもいうべきもの。ただし、「自分には、こういう無
意識の刷り込みがある」とわかれば、人はそこから自由になることもできるの
です。自由になるとは、それを捨てろという意味ではありません。もう一回同
じものを選んでもいいし、ダメな部分を直して使ってもいいし、全然別の道を
選ぶこともできます。つまり再選択をすることができるのです。

 ぜひ、ご一読して頂ければと思います。

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■今回の献本読者書評のコーナー
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 この本の書評を書きたい!という皆様、詳細は巻末で!

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■「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
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<120>“大大阪”発『エコール・ド・プラトーン』

 昨年の10月、所用で東京へ行った。約10年ぶりだった。
 一泊二日の日程を終え、新大阪で新幹線からJRに乗り換えて大阪駅に降り立
ったとき、ふと思ったのだった。

 なんか、やたらにのんびりと長閑だぞ、と。

 そういえば10年前に東京へ行って帰ってきたときにも、ふとそんな思いが過
ったな、と思い出しもした。

 およそ30と数年前、東京に住んで、月に一度、大阪・神戸へ出張していた。
 あのころは、東京も大阪も、どちらも同じように、街には人がわらわらとひ
しめき溢れていて、どちらも同じように賑やかに忙しなく動いているように、
見えた。確かに。
 しかし、今は、その「賑わい度」において、明らかに違いが見える。

 これは、この30年ほどの間に大阪が以前よりも田舎になったのか、はたまた
東京が巨大に膨れすぎたのか、どっちなんでしょうね?
 どちらにしても、今や大阪は、その賑わいや人口の集中度において、東京の
はるか後塵を拝しているのは確かなようで、関西人としては、やや複雑な思い
にもとらわれる。
 まあ、やたらと賑やかで忙しないのが「いい」というわけでもないのだけど
…でも、なァ…ちょっと寂しい気がするのも、事実。

 市川崑が1980年に撮った映画『細雪』は、およそ10年近くのスパンで描かれ
た原作小説を、昭和13年春から翌年初頭の冬まで、という1年間に凝縮して描
いている。
 大阪と阪神間の芦屋、神戸を主な舞台とする物語は、昭和初期の「阪神間モ
ダニズム」の空気を見事に捉えているのだが、同時に、当時「大大阪」と呼ば
れた大阪が、人口でも、また経済面においても、東京を凌ぐ威勢を誇った様子
を、忠実に伝えている。

 映画の中で、代々続く船場の大店の「とうさん」として育った四姉妹の長女
「鶴子」は、婿養子の夫とともに代々受け継いできた「本家」を守る立場で、
だから銀行員の夫に降って湧いた東京への転勤話を、頑なに拒む。
 大阪の「本家」を守らねば、という義務感もあるのだが、それよりもなお、
「京都より東へは行ったこともない」というのが矜持である鶴子にとって、
「東京」は、遥か地の果てともいえる辺境であり、大阪を離れてそこへ引っ越
すというのは、「都落ち」以外のナニモノでもないのだ。

 結局、周囲の説得と夫への気遣いから東京への引っ越しを承知するのだが、
大阪駅で姉妹たちに見送られるラストシーンでも、東京転勤は栄転でもあり、
にこやかに見送られる夫とは裏腹に、鶴子は一人、まだ大阪に未練を残してそ
うな、寂しげな笑顔を見せているのである。

 「大大阪」の雰囲気は、人口では既に東京が大阪を凌いでいた昭和30年代に
もまだ健在で、当時淀屋橋の会社に勤めていたわが父は、常日頃から「父ちゃ
んが働いとる場所が、日本の中心なんやで」と誇らしげに威張っていた。

 永美太郎『エコール・ド・プラトーン』は、そんな「大大阪」が実質的にも
日本経済の牽引車だった時代、大阪に興された出版社「プラトン社」を舞台に、
大正末から昭和初期にかけての、大大阪モダニズム的文芸史を描く群像劇だ。
 リイド社からただいまは単行本の1巻が発売中で、続編は「トーチweb」で連
載中。

 物語の語り部という位置づけでの主人公は、若き日の川口松太郎(!)。
 大正12年、関東大震災の東京を逃れた主人公・松太郎が、師である小山内薫
を頼って、大阪の港に降り立つところから、物語は始まる。
 松太郎は、師・小山内の推薦で、当時まだ「三十二」だった「直木三十五」
とともに、当時大きく売り上げを伸ばしていた「クラブ化粧品」が出資する出
版社「プラトン社」の新雑誌「苦楽」の創刊に、編集者として携わっていく。

 そして、その過程で登場するのが、前述の小山内薫はじめ、菊池寛、芥川龍
之介、谷崎潤一郎、岡本かの子とその夫である一平と息子の太郎、川端康成、
等々、綺羅星のごとき文壇の寵児たち。

 この漫画、関川夏央・谷口ジローのコンビで描かれた、『坊ちゃんの時代』
以下の「明治5部作」の「その後」を引き継ぐ作品、とも言えるんじゃなかろ
うか。
 その時代の作家の目を通して俯瞰する近現代史、明治に続けて大正・昭和も
見てみたいな、と思っていたところに、この作品が登場した。
 しかも、それを「大阪視点」でやってくれるのだから、なおうれしい。

 また、川口松太郎といえば、自分的には「文壇のドン」然として君臨してい
た姿(筒井康隆『大いなる助走』にカリカチュアライズされてましたよね)し
か思い浮かばないのだけど、その松太郎のペーペーの駆け出し時代、というの
も面白いし、名前だけは知ってるものの、その作品や人物像については皆目知
らなかった「直木三十五」が、主要キャラクターとして動き、その存在を見せ
つけてくれるのもまた、楽しい。

 作者・永美太郎は、ジュンク堂書店でアルバイトの書店員として働いていた
とき、職場の棚にあった『モダニズム出版社の光芒:プラトン社の一九二〇年
代』(小野高裕・西村美香・明尾圭造:淡交社刊)を読んだことで、この作品
の着想を得たそうだ。
 作品化にあたっては、1920年代の「大大阪」的モダニズムをリアルに感じさ
せる、街景やキャラクターの服装の描写など、ディテールの正確な描写に腐心
しているそうだ。

 関東大震災以後、東京の出版社は、その大半が大阪へ移転し、それら出版社
が心斎橋筋に相次いで社屋を構えると同時に、同じ心斎橋筋には書店も相次い
で出店し、神田を凌ぐ書店街として活況を呈した、ということを、書店時代、
大阪の書店組合の古い人から聞いた覚えがある。
 そんな心斎橋筋の往時の姿もまた、今後の展開の中で見せてほしいな、と思
う。

 いずれにしてもこれまで「たこ焼き」「吉本」「どケチな商売人とど派手な
おばちゃん」というイメージでしか語られなかった大阪を、従来にはなかった
角度から描く漫画であるのは、確かだ。
 今後の展開とともに、どの時代までが描かれるのか、という点でも、興味は
尽きない。

 それにつけても、これまた過去に何度も触れてはいるのだが、「トーチweb」、
漫画界において、今や「エコール・ド・トーチ」とも言うべき存在に育ってい
る。
 この「エコール」の今後にも、大いに注目したい、と思うのであります。


<追記>
 以前、当欄で触れた、故・うらたじゅん氏の生前の全作品を収録した『ザ・
うらたじゅん 全マンガ全一冊』が、昨年末に第三書館から刊行されました。
 “幻の名作”『ちんちんばしら』も掲載されていて、早速買いました。定価
2800円(税別)は、お値打ちだ。

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■「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
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第120回 検証 大川小学校事故

 まもなく、東日本大震災から9年が経つ。さまざまな犠牲があった。その犠
牲の中には人災と思われるものもあり、そういう疑いのあるものは訴訟に進ん
だケースもある。
 石巻市立大川小学校については、以前に本稿でも取り上げた。今回、再び大
川小学校をテーマにした本をご紹介することにした。というのも、昨年(2019
年)10月11日に大川小学校の訴訟について、最高裁の判断が下され、遺族の勝
訴が確定した。そのこともあり、学校防災を忘れないように、今回の本につい
て書く。

『止まった刻 検証・大川小学校』(河北新報社報道部 著)(岩波書店)
(2019年7月5日)

 あらためて紹介するまでもない。石巻市立大川小学校。
 東日本大震災の津波により、児童70名が死亡。4名が行方不明。10名の教職
員が死亡。
 我が子を失った親たちの心の時計は、2011年3月11日の午後2時46分で止ま
ったままになっている。それをタイトルにしている。したがって、「止まった
刻」は“とまったとき”と読む。地元新聞社は徹底的に遺族に寄り添って取材
を進め、記事を書き、それを新聞に「止まった刻」というタイトルで49回にわ
たり連載した。そして一部加筆して、単行本化した。

 震災以降の大川小学校の流れを年表風に振り返ってみよう。

平成23年3月11日
  地震発生 津波襲来 学校にいて生き残った児童は4名
平成23年4月9日
  第一回遺族説明会(以後、断続的に10回開かれる)
平成25年1月
  第三者検証委員会発足(以後、9回の会議)
平成26年3月1日
  第三者検証委員会報告書
平成26年3月10日
  23名の遺族が仙台地裁に損害賠償を求める民事訴訟を起こす
平成28年3月
  大川小学校の校舎が震災遺構となり、保存が決定される
平成28年10月26日
  仙台地裁判決(その後、双方が控訴)
平成30年4月26日
  仙台高裁判決(市と市教委に対し組織的過失を認める判決)
令和元年10月11日
  最高裁が上告を退け、高裁判決が確定した

 本書は、高裁の判決までを追っている。遺族はとても苦しい8年間を送って
いたことがよくわかる。
 責任を取りたくない、市と市教委。市教委は証言メモを廃棄してしまうし、
証言を二転三転と遺族説明会のたびに変えるし。市長は「自然災害の宿命」と
云って、原因究明をしようとしないし。完全に市長と市教委の両者はヒール役
になっている。
 また、第三者検証委員会も結局は何もできなかった。これまでにわかってい
ることをなぞっただけの報告書であり、また委員長自ら、「これが第三者検証
委員会の限界」と発言している。第三者検証委員会の敗北に終わった。
 遺族は、第三者検証委員会の報告書の提出を待って、その10日後に仙台地裁
に提訴した。
 平成30年4月の地裁判決では、遺族側が勝訴したにもかかわらず、遺族の気
持ちは晴れなかったという。なぜか? なぜ避難が遅れたか、について充分に
解明されなかったからだ。民事訴訟では、裁判所が原告と被告の双方の意見を
よく聞き、証拠を比べて、どちらが説得力があるかを判断するだけなのである。
 控訴した高裁での審理では、遺族側は「学校の災害に対する備え」について、
争う姿勢を示した。そして高裁の判断は地裁のそれとは少し違っていた。
 本書は、高裁の判決について多くのページを割いている。
 高裁では「事前防災に過失」があると断じた。そして、モデルとなる地震を
マグニチュード9の東日本大震災ではなく、より高い確率で起こる、宮城沖地
震とした。大川小学校のような川に面した学校は川の堤防を越えるような大き
な津波が来なくても堤防が水の力によって崩壊してしまい、結果として津波が
押し寄せることを予想しなければならない、と云い、学校は一般の人よりも高
いレベルの防災力が求められる、と断じた。
 実際に大川小学校では、津波に対する避難訓練はやっておらず、津波での避
難場所も決まっていなかった。それは学校側の大きな過失である、というわけ
である。
 この高裁判決が、今後の学校防災の方向を決めた、と云っても過言ではない
であろう。学校は質量ともに世間のレベルを超える防災力を持たなければなら
ないのだ。
 学校の防災は、地域と一緒に作るべきだと思う。しかしながら、この大川小
学校では、その日に避難場所の議論で地元区長(自治会会長)が、避難せずこ
のまま校庭にいるべきだと、教員たちの前で強く云ったと伝わっている。この
区長も前例に囚われすぎていた。

 遺族は苦しいであろう。遺族は物語を欲している。物語とは事故の再現であ
り、原因であり、子供が死んだ理由である。なんで、我が子は死んでしまった
のだろう。判決は確定したが、遺族の苦しみと悲しみはけっして癒やされるこ
となく、続いていくのであろう。

 唯一生存している教務主任だった教師が、すべてを話す日は来るのだろうか。


多呂さ(今年の冬は暖かい、ということです。雪国に雪が積もっていません)
 ブログ→ http://d.hatena.ne.jp/taro3643/

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■「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
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102 昔と今、なにが違う

 昨年、元号が変わりました。
 平成に変わったとき、私はお寺で働いており、半紙に墨で「平成」と書いた
紙を拝観されている方々に見せながら「元号が変わりました!」と伝えた事を
思い出しました。


『元号ってなんだろう? 大化から令和まで』
 宮瀧交示 監修 おおつかのりこ 文 藤原ヒロコ 絵 岩崎書店

 そもそも元号とはと考えた人は少なからずいたのではないでしょうか。
 
 こういう時、子どもの本では的確にわかりすい本が出てくるもので、本書が
まさにそうです。大人が読んでも勉強になります。

 ・元号の概要
 ・元号の歴史
 ・世界の日付について
 ・くらしの中の元号

 これら4つの項目を豊富で見やすいイラストで元号について、わかりやすく
教えてくれます。

 個人的におもしろく読んだのは、平安時代、天皇や貴族が縁起をかつぐよう
になり陰陽師の占いにたよるようになったエピソード。暦をみて、その日にし
てはいけないことなどを確認し、困ったら陰陽師に相談する。現代とあまり変
わらない人の心持ちにくすりと笑いがこぼれました。

 数十年で改元してしまう元号故、西暦を用いることが利便性ありとされがち
な昨今だからこそ、元号について知識を深めてみるには最適の本です。

 次にご紹介するのは、以前にご紹介している『いろいろいろんなかぞくのほ
ん』の第二弾。

『いろいろいろんなからだのほん』
 メアリ・ホフマン ぶん ロス・サスクィス え
 すぎもと えみ やく 少年写真新聞社

 赤ちゃんが生まれ、子どもに、大人に成長していく。
 年月で体は大きくなるけれど、それは人それぞれ。
 同じところ、違うところ、本作では「からだ」のいろいろを描いています。

 男の子と女の子。
 身体は女の子でも心は男の子。その反対もしかり。
 
 太っていたり、やせていたり、
 スポーツが得意だったり、そうでなかったり。

 本当に人それぞれ、その通り。

 カラフルに彩色されたたくさんの人が登場し、個性がみえてきます。

 こんな絵本が家の本棚にあると、子どもは読み聞かせされなくても自分で手
にとって世界を広げてくれるかもしれません。

 我が家の子どもたちもそうでした。直接伝えていなくても、読み聞かせして
いない絵本でも、自分で本棚から探して読み、知識を増やし、親を驚かせまし
た。

 最後にご紹介するのは、子どもの幸せな一日を描いた絵本です。

 『ブラウンぼうやの とびきり さいこうのひ』
 イソベル・ハリス 文 アンドレ・フランソワ 絵 
 ふしみ みさを 訳 ロクリン社

 ブラウン家は大きな町の大きなホテルで暮らしています。
 両親はホテルからの地下道で直接職場に行くことができるので、外気にふれ
るのはブラウンぼうや一人だけです。

 そんなブラウンぼうやにとって最高の一日は、ホテルで働くヒルダの家に行
ったこと。ヒルダの弟はおまわりさんで、ヒルダのママとパパもぼうやを大歓
迎してくれます。

 絵本では、ホテルの家からヒルダの家に行く途中、到着してから、そして家
に戻るまでが描かれているのですが、20世紀を代表するフランスのグラフィッ
クデザイナーであるアンドレ・フランソワの絵がとにかく格好いい。

 洒落た線画にブラウン(!)の一色に濃淡をつけ、ぼうやの最高の一日を祝
うかのように描き、新鮮でわくわくしたものに満ちた時間が伝わってきます。

 大人の方が読まれたら、自分の子ども時代を思い出すかもしれません。
 例えば親戚の家や親しい友人宅で過ごした、非日常の一日。
 めったにない事だからこそ、とびきり最高の日になることを私は思い出し、
なんともいえない幸福感につつまれました。

(林さかな)
会津若松在住。「本の雑誌」新刊めったくたガイド海外文学担当。
http://1day1book.strikingly.com/

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■献本読者書評のコーナー(応募要項)
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 この本の書評を書きたい!という方は、応募要項を御確認の上、ご連絡くだ
さい。

・渋谷昌三 著『人を傷つける話し方、 人に喜ばれる話し方』(WAC)
 http://web-wac.co.jp/book/bunko/280

・『ヒューマン ― 私たち人類の壮大な物語』(発売:紀伊國屋書店)
 http://www.human.ac.jp/cm/president.html#book3

・『たまご社長が教える運をつくる仕事術』(三楽舎)
 http://www.sanrakusha.jp/archives/1510

・『支え合い・学び合いで育つ「わたし」』(エディット・パルク)
  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/cogito/%8Fo%94%C5%88%C4%93%E0/%8Ex%82%A6%8D%87%82%A2%81E%8Aw%82%D1%8D%87%82%A2.html

 参加ご希望の方(つまりは書評をご執筆いただく方)は、

・希望の書籍名:
・送付先ご住所・名前:
・筆名(あれば):
・書評アップ先の媒体予定:
・コメント:

 をご記入の上、下記までメールください。

 表題【読者書評参加希望】
 info@shohyoumaga.net

 皆さんのご応募、お待ちしております。

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 このコーナーの仕組みはとてもカンタンです。

1)まず、出版社の皆様より、献本を募ります。冊数は何冊でもOKです。下記
 まで御自由にお送り下さい。(著者の皆様からの直接の献本はご遠慮くださ
 い。かならず出版社からの献本をお願い致します。)

 〒142-0041 東京都品川区戸越5-4-3 アズ品川ビル4階
       ビズナレッジ株式会社内 [書評]のメルマガ 献本 係

2)このメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集します。
 先着ではなく、文章執筆実績と熱意優先で選ばせていただきます。(過去に
 執筆された文章などございましたら、合わせて御連絡ください。)

3)発行委員会はいただいたメールの中から、ピックアップし、献本いただいた
 本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に応募数が満たない場合
 には、60日後に古本屋に売却します。)

4)ちなみにここでいう書評というのは、当メルマガに掲載する記事ではありま
 せん。送付先御本人分のブログ、あるいはアマゾンや楽天などのオンライン
 書店でも結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。つまり
 は当メルマガではないどこかリンクのできる外部に書評をアップお願いしま
 す。(あまりにも短いものは書評とは呼べませんので、文字数の条件を設け
 ました。書評は500字以上でお願い致します。)

5)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

6)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。期日に間に合わない、あるいは書けないという場合、送
 料をご負担いただき、書籍を返送いただきます。

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■あとがき
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 またまた忙しさの中で、発行がすっかり遅くなってしまいました。

 トピックスで取り上げた守屋さん、御存じの読者の方はどれくらいいらっし
ゃるかな、と思いつつ、このメルマガの創設者です。

 さて、このあと、20日号も発行します!

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