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[書評]のメルマガ vol.708


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■■ [書評]のメルマガ                2020.09.10.発行
■■                              vol.708
■■ mailmagazine of book reviews     [それだけが問題ですか? 号]
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■コンテンツ
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★トピックス
→トピックス募集中です。

★「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
→110 子どもを心から大事に思うこと

★「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
→<128>山田風太郎とコミカライズ

★「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
→第126回 コロナ禍の中でどう生きようか

★「人事なショヒョー〜組織とコミュニケーションを考える」/SHOW−Z
→今回はお休みです

★献本読者書評のコーナー
→書評を書きたい!という方は、まだまだ募集中

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■トピックス
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■今回の献本読者書評のコーナー
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 この本の書評を書きたい!という皆様、詳細は巻末で!

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■「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
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110 子どもを心から大事に思うこと

 社会の状況が厳しくなると、しわよせはあらゆるところに出てきますが、
 子どもにそれがいくことを可能な限り避けなくてはいけません。
 子どもが子どもでいられる時間を守れるのは友人や身近な大人です。

 と、深刻な書き方をしてしまいましたが、
 最初にご紹介する絵本はプププと笑いが出てくる友情絵本です。

 『ブウさん、だいじょうぶ? ともだちがたいへんなことになっていたら』
  バレリー・ゴルバチョフ 作 かわしま まなみ 訳 三辺律子監修
              発行 山恷  発売発行 春陽堂書店

 「いたばし国際絵本翻訳大賞」受賞作品です。
 受賞作品を刊行されていたきじとら出版さんから、今年は山恷さんと春陽堂
 書店さんの協働発行、発売元は春陽堂さんにて刊行されました。

 作者、ウクライナ出身のバレリー・ゴルバチョフさんの作品は日本でも多く
 翻訳されているので、絵をみたら、あ、あの人の!と思われる方もいらっし
 ゃるはず。

 人なつっこい絵というのでしょうか。
 見るからにあったかく、親しみがもてる絵で描かれるのはブウさんとメエさ
 んの友情。

 ある日、ヤギのメエさんはお隣のぶたのブウさんのばんごはんにおよばれし
 ました。ところが、ふとお隣の窓からみえるブウさんが、雨を降らしたよう
 に目から涙が流れています。
 それをみたメエさんは、きっと何かがおきたんだ!と心配し、対策を考える
 のです。
 さて、ブウさんになにがおきたのでしょう。

 メエさんがブウさんの大事な友だちで、その友だちが悲しんでいたら自分も
 悲しい。だから、何か助けることを考えるメエさん。
 ふくらむ想像はすべてブウさんを考えてのこと。やさしさいっぱいな思いを
 読んでいて、ニコニコ笑顔になります。
 それでもって、最後は笑顔ではおさまらず大笑い。

 笑いをもたらせてくれるのは、すばらしい翻訳のおかげ。
 この絵本、とってもおすすめです。


 『子どもの本の世界を変えた ニューベリーの物語』
   ミシェル・マーケル 文 ナンシー・カーペンター 絵 金原瑞人訳
                      土居安子 解説 西村書店

 翻訳児童書を探す一つの指針になるのが「ニューベリー賞」。
 アメリカで出版された児童書の中で、一年に一度すぐれた作品に贈る、歴史
 ある児童文学賞です。

 ニューベリー賞については、やまねこ翻訳クラブでも毎年受賞速報を流し、
 サイトでは充実したまとめを読むことができます。

 http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/newbery/index.htm

 ご紹介する絵本はこの賞の名前を冠しているニューベリーの伝記絵本。

 いまは子どもの本は楽しいもの!というのがあたりまえすぎて考えることも
 なくなっていますが、18世紀はアルファベットや算数を教える本や、子ども
 が守るべき決まりの本、キリスト教の本くらいしかなかったそうです。

 子どもだって、おもしろい本が読みたいはず!
 そう思ったニューベリーは行動にうつすします。

 アイデアマンでもあるニューベリーは、おもしろい本に楽しいおまけがつい
 ていれば、なおのこと子どもは喜ぶのではと考えます。

 子どもたちは大喜び!

 次は子どもたちが喜ぶ雑誌を考え、子どもたちが読む小説(それまでは大人
 が読む小説しかなかった)を自分の店で売り出します。

 ニューベリーのお店に来る子どもたちは、どれほど嬉しかったでしょう。
 おもしろそうな本があり、読んでみると確かにおもしろいんですから。

 絵本ではたくさんのページに、本に夢中の子どもたちが描かれています。
 本好きならば、この子たちの気持ち、よくわかりますよね。
 
 巻末には、大阪国際児童文学振興財団理事の土居安子さんによる解説「子ど
 もの本の主役は「子ども」!」は読みごたえあり。

 ジョン・ニューベリー作『小さなかわいいポケットブック』には、こう書か
 れています。


 教育において
 大切なことは、
 子どもを
 強く たくましく
 すこやかに
 正しく かしこく
 幸せに
 してやることだ。

(林さかな)
会津若松在住。「本の雑誌」新刊めったくたガイド海外文学担当。
http://1day1book.strikingly.com/

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■「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
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<128>山田風太郎とコミカライズ

 小学生の頃、実家の納屋をゴソゴソしてると、古ぼけた行李の中から「大日
本国防婦人会」との文字が黒々と染め抜かれた白い襷が出てきた。
 台所にいた母親のところへ持って行って、「これ、なに?」と訊くと、「あ
あ、多分、お祖母さんのンや」と言ったあと、いかにも忌々し気に「そんなも
ん、ほって(捨てて)しまい」と吐き捨てるのだった。

 そのころ既に別の場所に住んでいた祖母と母は、折り合いがあまりよろしく
なくて、ムシの好かない姑の持ち物だから、そういう言い方をするのかな、と
思っていた。
 後年、母方の祖父が戦時中、既に40歳を超えていたのに招集され、幸い前線
に出ることはなかったそうだが、終戦まで奈良の連隊に勤務していたことを聞
いて、あの襷は母にとって、父親が招集されて行く時の、忌まわしい記憶に結
びついていたからかな、と思い直した。
 祖父が出征するときには、おそらく、その襷をかけ、日の丸を掲げた婦人会
の面々に、「万歳」をもって送り出されたろうから。

 その戦争が終わったのは、わしが生まれる11年前だった。
 モノゴコロついた頃には、街は既に戦災からあらかた復興し、表面上は、戦
争の痕跡も見られなくなっていた。

 しかし、商店街を歩くと、そこには、白い着物に戦闘帽をかぶり、膝から先
のない片足を箱車に載せていざり歩きながら、アコーディオンを弾いては物乞
いする傷痍軍人の姿があったし、どこの墓地にもたいていはいくつか、そこに
葬られた人が戦死したことを示す剣型の墓標があって、建てられてからさほど
年月を経ていない墓石は、御影石の表面がピカピカに輝いていた。

 小学校の講堂には、舞台の中央奥に、やたらと仰々しい観音開きの扉があり、
そこは、かつて「教育勅語」と天皇皇后の「御真影」が収められていた「泰安
所」だと教えられた。
 その学校の教壇に立つ先生たちは、当然ながら皆が戦争経験者で、折に触れ
ては、空襲から逃げ惑った話や、戦中戦後の窮乏生活のことなどを話してくれ
た。

 家でも、戦時中や戦後の混乱期の話は父母からよく聞かされていて、「戦争」
というのは、とにかく、途轍もなく不幸で大変で異常な事態、と幼いころから
刷り込まれてきた。

 「戦後」も、今年で75年になる。
 もはや、戦争を直に体験した人というのは、探すのが難しくなってしまった。
 そんな今年の春に単行本の「1巻」が発売されたのが、勝田文『風太郎不戦
日記』(講談社モーニングコミックス)だ。
 雑誌に月一で連載が始まったのは昨年なのだけど、タイトルからもわかると
おり、山田風太郎『戦中派不戦日記』の、コミカライズ作品である。

 連載が始まった時には、正直、なんでいまさら…との思いもあったのだが、
連載が進むにつれ、そのリアリティに圧倒された。
 今の時代に、戦中のあの時代を再現するには、ディテールの正確さが何より
と思うのだけど、多分、かなり綿密に資料を収集したうえで、漫画化されたの
だと思う。

 漫画版を読んで、だいぶ昔に読んだきりだった、原作の山田風太郎『戦中派
不戦日記』もまた、改めて取り寄せて再読した。
 勝田文さんの齢は知らんが、もちろん戦争経験者ではないだろうし、わしな
どよりもずっと若い世代だと思うけど、原作を読むとなお、これを漫画で絵と
して再現した、その苦労がしのばれる。

 後の風太郎こと山田誠也は、昭和20年当時23歳。旧制中学卒業後、高等学校
試験に失敗。2年の浪人を経ても入学は果たせず、やむなくサラリーマンしつ
つ勉強を重ね、昭和19年、22歳で東京医学校への入学を果たす。
 浪人中に受けた徴兵検査は、患っていた肋膜のため「丙種合格」で招集され
ることもなく、この負い目が、後のシニカルな人格の形成に影響したとも言わ
れる。

 原作の「日記」を読むと、同学年の人たちよりも既に年上であったのもある
だろうが、時世と戦局を見るその視線はとてもシニカル、かつ客観的である。
 「今次大戦の勝利はすなわち科学の勝利たらんとしている。いまの日本の惨
苦は、過去の教育において顧みられなかった科学の呪いに外ならぬ」「個人主
義は利己主義と同意語と思い込んでいる一般日本人の無知笑うべきかな」など
と、やや「上から目線」気味なれど、冷静沈着に当時の「日本」を分析して見
せる。

 にも拘らず、時として「米兵が日本人一人を殺すなら、日本人は一人で米兵
10人、100人を殺せ」とか、東京大空襲を経験したのちには、「奴ら、ここま
でやるか」などと激情が迸ることも度々で、その「激情」は、終戦が近づくに
つれ、頻繁になっていく。
 ムッソリーニとヒトラーを、疑いもなく英雄視しているのもまた、当時の日
本にあっては「常識」だったんだろうと推察できる。

 ここに書かれているのは、昭和20年に23歳で、空襲で九死に一生を得た後、
学校ぐるみで東京から信州飯田に疎開したという経歴を持つ、当時の医学生の
体験である。

 野坂昭如と妹尾河童の対談を、いつだったか雑誌で読んだ。
 二人ともに同世代で、同じ神戸に育って、同じく神戸で戦争を体験している。
妹尾河童が住んでいたのは西神戸・長田の商店街で、太平洋戦争勃発後、近所
から次々と知り合いが出征していくのや、「隣組」の活動がにわかに忙しくる
などのなんやかやで、「戦争」は、ずっと身近に意識していた、らしい。

 ところが、片や、その反対側の東神戸、灘区に住んでいた野坂昭如は、空襲
に遭って家族を失い、自身が焼け出されるまで、まるで戦争を意識したことが
なく、「どこか遠い国の話」と思っていた、のだそうだ。

 わが亡父は、昭和6年生まれ。
 戦争当時は旧制中学生だったが、神戸市郊外の、当時は郡部だったところに
いて、神戸を空襲するB29の編隊を見上げ、山の向こうが「真っ赤に燃えとっ
た」のは見ていたのだが、やはり、実感としては乏しかったらしい。
 当時の中学生に共通だったろうが、軍隊に憧れ、中でも航空兵になりたいと
思っていたそうで、実際に陸軍の「少年航空兵」に応募しようとして、色弱で
撥ねられたのを、ずっと悔しがっていた。
 その悔しさは、相当だったようで、晩年に病気を得て退職したのちは、度々、
陸軍航空隊のあった八尾空港を訪れては、駐機しているセスナや滑走路をせっ
せとスケッチして、無聊を慰めていた。

 ひと口に「戦争体験」と言っても、その人が、当時何歳で、どこで、何を体
験したかによって、その「戦争観」というのは、百人百様、大きく変容する。

 山田風太郎の『不戦日記』もまた、そんな当時の日本で体験された、ひとつ
の戦争観である。
 これをビジュアル、ことに漫画の形で残しておくのは、とても意義のあるこ
とだ。
 実際に体験してないと、文章ではいまひとつイメージが掴みづらいことも、
漫画なら具象として、たちどころに理解できる。

 『風太郎不戦日記』1巻は、3月の東京大空襲を経て、さらに追い打ちをか
けるように4月、山の手にも被害が及んでくるあたりまでが描かれる。
 連載では、その後風太郎自身も下宿する家が焼かれ、学校ぐるみで信州へ疎
開し、そこで終戦を迎えるあたりまで進んでいて、終戦の日、8月15日の描写
が、圧巻である。

 『不戦日記』は、昭和20年12月までなのだが、できれば、この続編ともいえ
る、『戦中派焼け跡日記』『闇市日記』『動乱日記』もまた、これに続けて漫
画化してほしいと思う。

 加えて、山田風太郎だけでなく、様々な場所で体験された様々な戦争体験も
また、漫画や映像で後世に残してほしい。
 今や戦後75年、もはやそれができるのは、今が最終ギリギリの段階だろう、
とも思うゆえだ。


太郎吉野(たろう・よしの)
阪神タイガースお膝元在住。右投げ右打ち。趣味は途中下車、時々寝過ごし乗
り越し、最長不倒距離は三重県名張。
ちなみに「阪神タイガース」の「阪神」は、「兵庫県阪神地方」を指します。

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■「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
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第127回 コロナ後、世の中はどうなっているのだろう

 2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、後世の世界史年表に
記載されるほどの大きな出来事になることは間違いがない。

 この大事件の真っ只中に生きている自分がとても不思議な気分になる。

 そうは云っても、これは現実だし、みんなどこへも逃れられない運命の中、
これからもしばらくは息をひそめておとなしく生活していくしか、他に方法は
ない。
 このパンデミックに対して、国内外でさまざまな対策が取られている。それ
らは成功も失敗もあるし、勇み足も後の祭りもある。しかし、この半年でよう
やくわかったこと、観念しなければならないことはひとつだけある。それは、
“人との交流を極力避ける”ということだ。

 まったく残念なことだけど、それこそが唯一の解決策なのだ。世界中の国々
が国を閉じるのが少し遅かった。そして私たちも人との交流を避ける工夫をす
るのが少し遅かった。

 新型コロナウィルス感染症蔓延の真っ最中ではあるが、このパンデミックは
必ず終息を迎えるだろう。そしてその後のこと、その後の世の中がどうなって
いるかを知りたい。この後、私たちはどうなるのだろう、という好奇心から、
この本を手に取った。

『コロナ後の世界』
(ジャレド・ダイアモンド ポール・グルーグマン リンダ・グラットン
 マックス・テグマーク スティーブン・ピンカー スコット・ギャロウェイ著)
(大野和基 編)
(文藝春秋社 文春新書)(2020年7月20日 初版)

 “世界の知性 6名に緊急インタビュー”と書籍の帯に書いてある。しかし、
この6名すべて英米の白人。ヨーロッパ大陸の人はいない。アジア系やアフリ
カ系もいない。
 偏った意見になっている、という批判は出るだろう。それでもこの時期にこ
ういう本を編集して出版する、ということの価値は大きい。編集者と出版社の
幸運と努力を買いたい。
 6名の“知性”には昨年(パンデミック前)に国際ジャーナリストの大野和
基氏が、直接本人たちに会ってインタビューをした。そしてこのコロナ禍の中、
4月・5月にリモートやメールなどで追加インタビューを行なった。それを新
書にしたのが本書である。各章ごとにひとりずつ6章に分かれている。

第1章    ジャレッド・ダイアモンド(米国・UCLA地理学教授)
 (独裁国家はパンデミックに強いか)
 一番丁寧に日本の読者のために発言している。が、少し楽観的すぎる気がす
るのだ。日本は大丈夫、というメッセージだらけ。少しだけ問題があるとすれ
ば、日本の問題は女性の活用の少なさ、移民の活用の少なさにある、という。

 ・・・・・それだけが問題ですか? ダイアモンド先生。

 また、問題のある近隣国とは、上手くつきあっていきなさいと簡単に云うが、
我々はそれができなくて、とても苦労している。かの国たちを軽んじてはいけ
ないし、悪口も云わない、でもかの国たちが私たちの罵詈雑言を云うし・・・。
結局日本はまだ戦後が終わっていないのだ。

第2章    マックス・テグマーク(米国・MIT理論物理学教授(AI研究))
 (AIで人類はレジリエントになれる)

 「レジリエント」=弾力性、柔軟性のあるさま。
 AIを活用して人類の輝かしい未来を築こう。とおっしゃるが、その楽観論
は信用できるのだろうか。AIを“私たちと同じ価値観を持ち、人間を大事に
するAGI(汎用AI)を「安全工学」的に作ってしまおう”と簡単に云うが、
私たちと同じ価値観とはいったいどんな価値観なのか? 人類の中でもさまざ
まな価値観がせめぎ合っているではないか。と思ってしまうのだ。・・・・・
この問題について、執筆子はよくわからない。

第3章    リンダ・グラットン(英国・ロンドンビジネススクール教授(人材論
・組織論))

 (ロックダウンで生まれた新しい働き方)
 今のこの生活が、“新しい生活規範”になる。という考え方に大賛成である。
誰も予想しなかったことだが、この半年で実践されている新しい方法を止める
ことはもうできない。私たちはこのパンデミックを経験したことによって、臨
機応変に行動することをようやく手に入れたのだ。本書の中で、最も首肯でき、
共感できる章である。

第4章    スティーブン・ピンカー(米国・ハーバード大学教授(認知科学・実
験心理学))

 (認知バイアスが感染症対策を遅らせた)
 知り得たことに対するかたよりが私たちの行動を間違えた方向に進めてしま
っている、ということに対しては、全面的に賛成する。感染症は戦争ではない。
でも為政者は戦争にたとえてしまうから、死者が出ても仕方ない、と思ってし
まう。感染症の専門家の意見に従っていればこのパンデミックは最小限に抑え
られたのに。という意見に賛成だ。
 現在、私たちが直面しているコロナ自衛団のような誤った行動も知り得たこ
とに対するバイアスがかかってしまったことによる行動であろう。

第5章    スコット・ギャロウェイ(米国・ニューヨーク大学教授(ブランド戦
略))

 (新型コロナで強力になったGAFA)
 GAFAについては、どうなんだろう。おそらくギャロウェイ先生のおっし
ゃるとおりなのであろう。この4社はメディアではなく、プラットホームであ
る、と云っているようだが、いまや完全に世の中全体の意見を牛耳っていて、
最も影響力のある組織であることに間違いはない。しかしだからといって、私
たちにできることは一体なにがあるというのか。問題に気づいき、もうgoogle
先生もipadもSNSも世界中が網羅されている通販網も使わないでいられるのだ
ろうか。・・・おそらくそれは無理。第一この原稿を書いているときでさえ、
執筆子はgoogle先生を参考にしながら執筆している。GAFAの負の部分を知
ろう、というけれど・・・・・。そういうことを知った上でどうしていいか、
わからない。

第6章    ポール・グルーグマン(米国・ニューヨーク市立大学教授(国際貿易))

 (景気回復はスウッシュ型になる)
 スウッシュ型というのは、ナイキのロゴマーク。コロナ禍による急激な景気
の落ち込みの後、緩やかな回復。という構図でコロナ後の社会を予想している。
それでも、コロナ禍初期の対応がまずかった、対策が遅かった、とグルーグマ
ン先生も嘆く。この章で最も読む部分は「追記」である。世界で最も裕福な米
国がなぜ、国民皆保険制度を導入していないか、との問いに対しては、それは
「人種」と回答している。つまり差別が制度の導入を阻止している。為政者た
ちはそのことに気づいているが、そうではない別の理由でこの制度を導入して
いないことにしている。人種的な敵愾心を煽るような人々が為政者でいること
が米国の悲劇である。・・・・・そのとおりだと思う。

 本書に書かれた事柄は、自分たちが生きる上で、今後にどう活用していけば
いいのかと云えば、それはほとんど活用できないと云える。書かれている内容
は、国家や大きな世の中をどう動かしていくのか、ということばかり。
 しかし、世の中のしくみを知る、ということはおそらく各個人が取るその後
の行動にある程度の影響は及ぼすであろうことは想像に難くない。
 本書は、世の中のしくみを知るための手引書なのである。そして、私たちは
このコロナ禍の中で考える時間を手に入れている。今の処、唯一手に入れたも
のは、考える時間だけなのだ。


多呂さ(コロナ禍の中で考えることが多くなったことが最も評価できることで
しょうか)
 ブログ→ http://d.hatena.ne.jp/taro3643/

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■献本読者書評のコーナー(応募要項)
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 この本の書評を書きたい!という方は、応募要項を御確認の上、ご連絡くだ
さい。

・渋谷昌三 著『人を傷つける話し方、 人に喜ばれる話し方』(WAC)
 http://web-wac.co.jp/book/bunko/280

・『ヒューマン ― 私たち人類の壮大な物語』(発売:紀伊國屋書店)
 http://www.human.ac.jp/cm/president.html#book3

・『たまご社長が教える運をつくる仕事術』(三楽舎)
 http://www.sanrakusha.jp/archives/1510

・『支え合い・学び合いで育つ「わたし」』(エディット・パルク)
  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/cogito/%8Fo%94%C5%88%C4%93%E0/%8Ex%82%A6%8D%87%82%A2%81E%8Aw%82%D1%8D%87%82%A2.html

 参加ご希望の方(つまりは書評をご執筆いただく方)は、

・希望の書籍名:
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 表題【読者書評参加希望】
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 皆さんのご応募、お待ちしております。

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 このコーナーの仕組みはとてもカンタンです。

1)まず、出版社の皆様より、献本を募ります。冊数は何冊でもOKです。下記
 まで御自由にお送り下さい。(著者の皆様からの直接の献本はご遠慮くださ
 い。かならず出版社からの献本をお願い致します。)

 〒142-0041 東京都品川区戸越5-4-3 アズ品川ビル4階
       ビズナレッジ株式会社内 [書評]のメルマガ 献本 係

2)このメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集します。
 先着ではなく、文章執筆実績と熱意優先で選ばせていただきます。(過去に
 執筆された文章などございましたら、合わせて御連絡ください。)

3)発行委員会はいただいたメールの中から、ピックアップし、献本いただいた
 本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に応募数が満たない場合
 には、60日後に古本屋に売却します。)

4)ちなみにここでいう書評というのは、当メルマガに掲載する記事ではありま
 せん。送付先御本人分のブログ、あるいはアマゾンや楽天などのオンライン
 書店でも結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。つまり
 は当メルマガではないどこかリンクのできる外部に書評をアップお願いしま
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 ました。書評は500字以上でお願い致します。)

5)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

6)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。期日に間に合わない、あるいは書けないという場合、送
 料をご負担いただき、書籍を返送いただきます。

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■あとがき
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 コロナでコロコロ太った、って話も聞きますね。いえ、それだけですが…。
(あ)

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