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[書評]のメルマガ vol.710


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■■ [書評]のメルマガ                2020.10.10.発行
■■                              vol.710
■■ mailmagazine of book reviews    [制作側で誰か指摘する人は 号]
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■コンテンツ
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★トピックス
→トピックス募集中です。

★「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
→<130>’60s、わしらの時代の忍者ブーム

★「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
→112 自然にふれる

★「人事なショヒョー〜組織とコミュニケーションを考える」/SHOW−Z
→『40代からのライフシフト 実践ハンドブック』

★「日記をつけるように本の紹介を書く」/多呂さ
→今回はお休みです

★献本読者書評のコーナー
→書評を書きたい!という方は、まだまだ募集中

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■トピックス
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■今回の献本読者書評のコーナー
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 この本の書評を書きたい!という皆様、詳細は巻末で!

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■「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」/太郎吉野
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<130>’60s、わしらの時代の忍者ブーム

 先月、横山光輝に触れた際、『伊賀の影丸』にも言及したのだけど、そうい
えば、あのころは「忍者ブーム」でもあったな、と思い出した。
 おそらく、戦後「第一次」の忍者ブームだったんじゃなかろうか。

 調べたわけではないけれど、1950年代半ばから、山田風太郎の『忍法帖』シ
リーズ、司馬遼太郎の『梟の城』が、相次いでベストセラーになったのがきっ
かけ、ではなかったのかな?

 同じころに、貸本漫画で発表された白土三平の『忍者武芸帳』は、山田風太
郎の『忍法帖』にインスパイアされたと言われているが、なるほど、どちらも
その作中では、戦前から使われていた「忍術」ではなく「忍法」という呼称を
使っている。
 「忍術」と言うと、なにやら魔術じみて胡散臭いが、「忍法」ならば、その
体技や武技に理論の裏付けがありそうな、気がしてくるではないか。

 わしらが小学生の頃…だから、1960年代には、テレビや漫画の中で「忍者」
は、ブームというよりも既に一ジャンルとして確立していて、漫画、TVアニメ、
TVドラマには、いつも何らかの忍者モノが連載されていたし、放映されていて、
先月触れた人形劇の『伊賀の影丸』も、そのひとつだった。

 少年マガジンには、白土三平の『ワタリ』、「サンデー」には、横山光輝の
『伊賀の影丸』が連載しており、「別冊サンデー」では、白土三平が『カムイ
伝』のスピンオフ作である『カムイ外伝』を連載していた。

 市川雷蔵主演でヒットし、シリーズ化された映画『忍びの者』は、テレビド
ラマ版では品川隆二が主演し、こちらも人気を博した。

 『月光仮面』の大瀬康一が主演した『隠密剣士』は、柳生新陰流の奥義を極
めた主人公が、公儀隠密として各地に赴き、忍者集団と戦う物語で、かなり長
い期間放映していて、小学校の教室でも、「昨日の隠密剣士な…」と、よく話
題に上っていた。

 夕方の時間帯に、少年向けのドラマとして放映された『神州天馬侠』もまた、
多分、吉川英治の原作からは、かなり逸脱していたと思うのだが、武田家再興
のために京を目指す武田勝頼の遺児の前に、彼を亡き者にしようとする忍者集
団が、次々と立ちはだかるのであった。

 TVアニメでは、『少年忍者・風のフジ丸』というのがあった。
 キャラクター設定やストーリーは、白土三平の『忍者旋風』を下敷きにして
いたらしいが、ほとんどアニメオリジナルと言える内容だったので、白土版は、
原作と言うよりも「原案」くらいかな?
なので、これの漫画版は久松文雄の作画で、月刊誌「ぼくら」に連載された。

 テレビのドラマでは、忍者の子孫たちが軍団を組み、忍者の技を駆使して現
代の悪と戦う、『忍者部隊月光』という変化球もあって、こちらは、吉田竜夫
が「少年キング」に連載した漫画の実写ドラマ化だった。

 鎖帷子を着込んだ上に黒装束、裾を絞った袴、覆面、腰に差さずに背中に背
負った刀、というのが、ほぼ全ての忍者ものに共通するスタイルだった。
 しかし、いつだか何処かの博物館で、「鎖帷子」の実物が展示してあるのを
見たのだが、滅法重そうで、これを着込んで軽快に動くのは、なかなかに厳し
いんじゃないか、と『伊賀の影丸』に、ふと疑念を持った。
 『伊賀の影丸』では、「メッシュの下着」のような感じで描かれていたのだ
が、実物は、重量とともに、厚みもかなりありそうだった。
 あれ着ていたら、一歩歩くごとに「じゃらじゃら」音がして大変だったんじ
ゃなかろうか。

 そしてこれも、ほぼすべての忍者モノ、ことに漫画に顕著だったんだけど、
戦いの場面において、その懐からは、何枚もの手裏剣、クナイ、撒きビシ、投
げつけると破裂して煙幕の出る仕掛け玉、さらには鎖分銅やロープ、等々、等
々、まるでドラえもんのポケットのように、次から次へと忍者アイテムが無限
に供給されるのである。
 同じ時代に人気を博していた、日活アクション映画では、その銃撃シーンに
おいて、主人公の持つ拳銃は、およそ弾切れということがなく、何発でも撃つ
ことができたのだけど、まあ、あれと同じ「お約束」だったんでしょうね。

 小学生の頃には、忍者アイテムを自作するのが、わしの周辺では流行っても
いた。
 飼い犬のリードであった鎖を流用し、先に重りをつけて鎖分銅にしたり、片
方に鎌を縛り付けた鎖鎌、などを自作したのは、わしです。

 しかし、忍者アイテムの中でも一番人気のあったのは手裏剣で、これをいか
にそれらしく作るかを、競い合ったりもした。
 わしらの間で、一番ポピュラーな手裏剣の材料は、五寸釘だった。
 これを、踏切近くの線路上に置く。都会なら、すぐにも見とがめられて、た
ちまち「御用」だが、田舎の、田んぼの中の踏切なら、誰に…って、主に大人
ですが…見とがめられることもなく、堂々と(?)ンなこともできたのですね。

 線路に置いた釘の上を電車が通過する…と、どこかへ弾き飛ばされたり、ぐ
にゃりと曲がってしまうことも多いのだが、4回に1度くらいは、車輪の圧に
よって、真っすぐ板状に延ばされた五寸釘が、線路端に転がっているのだった。

 念のために書き添えておくけど、当時でもこの行為はもちろん犯罪で、見つ
かったらタダでは済まなかったのだけど、そこは田舎のこと。
 さらには、子供のわしらも、見つかったらタダではすまん、とわかっている
ので、大人の目につくような所では、決してやらなかったのだった…って、威
張っちゃいかんか。

 よいこの皆さんは、決してマネをしないでください。

 この扁平な板状になった五寸釘の先端を、コンクリート面などで砥ぎあげる。
 これを塀や立てかけた板などに投げつけると、「ドカッ」と小気味よく刺さ
ってくれるのだった。
 器用な子は、この扁平五寸釘の頭の方もヤスリで削り、両方尖らせた2本を
針金で十字型に縛り付け、「十字手裏剣!」と得意になっていたりした。

 そうなのだ、「十字手裏剣」。これが、わしら悪ガキの間では、憧れの忍者
アイテムで、なんとかして、これを作ろうと、四苦八苦。
 わしは、家にあったブリキの板を鋏で切って作ったりしたのだが、ブリキの
手裏剣は、投げると「へろへろ」と飛んで、的の板に刺さりもせずに、「かち
ゃん」と軽い音でぶつかっては、むなしく地面に落ちるのだった。

 後に中学に入ったとき、丹波から来た同級生に話を聞くと、彼の住んでたと
ころには「村の鍛冶屋さん」がいて、「おっちゃん、頼むわ」と言うと、クダ
ンの十字手裏剣なども、「あいよ」と気軽に作ってくれたんだそうだ。
 彼は、そこへ白土三平の「ワタリ」を持参し、「こんなん」と示したうえで、
クナイと十字手裏剣を作ってもらったそうだ。
 本職の鍛冶屋さんがトンカン鍛えて作った手裏剣は、投げると「ドカッ」と
重々しく刺さったそうだ。
 思わず「えーなあ…」と唸ってしまった、中学一年の春なのだった。

 にしてもあの頃は、それから数十年後には、忍者は「NINJA」として、世界
共通語になってるなんて、想像だにできなかった。

 そうそう、TVアニメの『風のフジ丸』では、戦国時代を舞台に、世を乱す忍
者群との戦いが繰り広げられたのだが、後半に至って、「敵」は、南蛮から来
た妖術使いとなり、「国際化」を先取りしていた。
 なのだが、その「南蛮人」、フジ丸が繰り出す忍者技を目の当たりにして、
「オー! マジックボーイ!」と驚愕し、以後、フジ丸を「マジックボーイ」
と呼び続けるのだが…
 南蛮人なのに、なんで英語なのか? という疑問は、小学生には思いもつか
なかったが、あれ、制作側で誰か指摘する人は、なかったのだろうか?


太郎吉野(たろう・よしの)
阪神タイガースお膝元在住。右投げ右打ち。趣味は途中下車、時々寝過ごし乗
り越し、最長不倒距離は三重県名張。
ちなみに「阪神タイガース」の「阪神」は、「兵庫県阪神地方」を指します。

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■「いろんなひとに届けたい こどもの本」/林さかな
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112 自然にふれる

 今年は12年ぶりに台風が日本に上陸しなかった年と報道されていました。
 自然、天候は毎年それぞれですが、今年は外に出かけることも去年よりは増
えたように思います。

 コロナ禍ですので、外出といっても混み合うところには出かけません。
 そもそも、どのイベントも蜜対策はしっかり取られています。

 先日、初級コースのトレッキングをガイドさん付で行ってきました。天候は
よくなかったのですが、みるものがいっぱいで、案内される内容を聞きながら、
みて、さわってと五感をフル回転させながらの散策は最高でした。

 帰宅して福音館書店「かがくのとも」10月号「うきくさ」を読みました。
 トレッキングコースにある沼には、ホテイやジュンサイがたくさん見られ、
水に浮いている草に自分の眼が興味を示していたので、「うきくさ」を読みた
くなったのです。

 やわからなか色彩で描かれた「うきくさ」は、田んぼが家の近くにあるので、
よく目にするものの、どんな草なのかは知らないことばかり。なので、とても
興味深く読みました。子どもの本は、大人にとって平易な言葉で説明してくれ
るので、理解しやすく入門書にはうってつけなのです。
 
 増殖力もあり、バイオマス(生物資源)燃料としても研究が始まっていると
いう「うきくさ」。本誌は月刊誌、今後単行本になるかどうかもまだわかりま
せん。図書館にはおいてあると思うので、ぜひ読んでみてください。

 自然に思いを馳せた次にご紹介するのは、命の源を知る絵本。
 壮大なテーマを、とてもわかりやすい言葉で専門用語を用いずに書かれてい
ます。

 『きみはどこからやってきた?』
 フィリップ・バンティング作 ないとうふみこ訳 北山大樹監修 角川書店

 ポップできれいな発色の絵柄で、宇宙誕生が描かれます。
 
 まず描かれるのは果物のオレンジ。
 はるか昔の宇宙は、このオレンジ1つより小さいところにぎゅうっとつまっ
ていたそうです。オレンジより小さく!?

 そしてオレンジ1つぶんの宇宙の種が大爆発を起こし、「アイスクリームを
ぺろっとたべるくらいの時間」で、宇宙のもとになる”つぶ”が生まれた!

 イメージわきやすい比喩で語られる宇宙のはじまりに、とにかく引き込まれ
ます。

 いま世界にあるもの全てがこの”つぶ”が元になっていることが、視覚的に
もよくわかります。

 国立科学博物館の北山大樹さんが監修しているこの絵本では、最後に「監修
者からきみへ」というメッセージが書かれています。

 そこには、現在の知見によると、宇宙が誕生してから138億年(!)たって
いると考えられていること、いまの自分が存在するには、生まれる以前の138
億年が必要だったことに気づくでしょうとあります。

 生きて存在することのすごさの一端が、とてもとても腑に落ちます。
子どもだけで読んでも、大人が読んでも、138億年という時間の大きさにため
息がでるのではないでしょうか。

 さて、次にご紹介するのも絵本。アンデルセンの伝記絵本です。

 『アンデルセンの夢の旅』
      ハインツ・ヤーニッシュ文 マーヤ・カステリック絵 
                         天沼春樹訳 西村書店

 アンデルセンといえば、「みにくいアヒルの子」や「雪の女王」など、多く
の人が知っているお話を書いた作家です。
 
 アンデルセンが子どもの頃、靴職人のお父さんは、たくさんのメルヘンを聞
かせてくれました。お父さんが語った物語が、アンデルセンの想像力を育んだ
のです。

 お父さんは戦争がはじまったときに兵隊になり、その後戻ってきてから病気
で亡くなってしまいます。アンデルセンは14歳の時に家を出て、苦労しながら
自分の人生を自分で切り開きていきました。

 この絵本では前半にアンデルセンが童話の王さまといわれるようになるまで
を描き、後半でアンデルセンのつくった物語が紹介されています。

 マーヤ・カステリックの描く水彩は淡くやさしく、アンデルセンの物語世界
をきれいにトレースしています。
 物語の本質をぎゅっと見開きにあらわしたそれぞれの絵は、みていると話が
動いて見えるようです。

 この絵本でアンデルセンのお話をもっと読みたくなった方は、福音館書店や
岩波文庫から出ているものがおすすめです。
 アンデルセンの引き出しの多さに驚くと共に、物語世界の豊かさを楽しめま
す。

 最後にご紹介するのは、早川書房からの新しいレーベル「ハヤカワ・ジュニ
ア・ミステリ」の新刊です。

 『列車探偵ハル』
         M・G・レナード&サム・セッジマン 作 武富博子訳 


 ハルはお母さんが赤ちゃんを生むまで、おじさんと一緒に豪華列車の旅に出
ることになりました。本当はお母さんのそばにいたかったので、最初は乗り気
ではなかったのですが、旅行作家のナットおじさんと一緒に旅しているおかげ
で、謎解きの楽しみに気づいていくのです。

 もうすぐ12歳になるハルは絵を描くのが得意。謎解きにもその特技が大活躍
します。また、実際のイギリスの鉄道をできるだけ忠実に描いたという列車の
描写は臨場感がありワクワクします。

 今回の謎は、列車の中で宝石がなくなってしまい、その犯人をみつけること。
どんな風に推理していくか、犯人が見つかるまで、ぐいぐい読ませます。

 コロナ禍でなかなか遠くに出かけられませんが、車窓を眺めての旅が恋しく
なりました。
 
 「ハヤカワ・ジュニア・ミステリ」は小学生・中学生のためのミステリ、S
F、ファンタジィ、ノンフィクションを刊行するレーベル。
 読んでも読んでも尽きることなく、おもしろい本が見つかる世界とレーベル
の紹介文にあります。
 列車探偵ハルはシリーズ本なので次の展開も楽しみ。これからもこのレーベ
ルには注目です!


(林さかな)
http://1day1book.strikingly.com/

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■「人事なショヒョー〜組織とコミュニケーションを考える」/SHOW−Z
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『40代からのライフシフト 実践ハンドブック』
 徳岡 晃一郎・著 東洋経済新報社

 2016年に日本語版が出版された『ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略』
が、ビジネス書でベストセラーとなり、その後2019年には働き方改革関連法が
施行されたこともあり、“人生100年時代”という言葉は、自然と世の中に定
着してきたように思います。

 このコロナの状況下では、容易に外出できない“巣ごもり”の影響もあった
のか、オンラインの証券会社で証券口座を開き、つみたてNISAなど投資信託を
始めた人が一気に増えたとか。やはり人生が長くなるのであれば、お金の不安
はついて回るものですからね。これはこれで、よい話だと思っております。

 しかし、実際に人生100年時代を見据えたキャリアを考え、設計、実践しよ
うとしている人って、どのくらいいるのでしょうか。すぐに考えつくこととい
えば、今の会社で定年まで勤めあげ、その後年金生活に突入。もし年金だけで
生活が厳しいとなれば自治体のシルバーセンターにでも行ってみて、そこで斡
旋してくれる仕事を探す、、、くらいの思考の人が多数なのではと。

 この本は、本家ライフ・シフトの内容を踏まえつつ、人生100年時代のキャ
リアの部分をどう考えるか?について、日本における実践方法の詳細が書かれ
ている、処方箋のような本になります。

 著者の徳岡氏は大手企業で長年人事として勤務した後、現在は独立されてラ
イフシフトを啓蒙、支援する研修やコンサルティングを手掛ける傍ら、多摩大
学大学院のHRドメインの教授として、社会人学生に対する指導にもあたってい
らっしゃる方です。

 定年退職後のことをよく“セカンドステージ”と言いますが、本家ライフ・
シフトおよび本書では、20歳から80歳までの60年間を“マルチステージ”と位
置づけています。

 これまで“教育→仕事→引退”という3つのステージが一般的だったところ
を、人生が100年になれば、おのずと仕事のステージが長くなるので会社中心の
生活・キャリア設計から抜け出し、起業、放浪、ボランティアなど、あくまで
“自分中心”に80歳まで現役を目指しましょう、と説いているのです。

 個人で読んでいる方の中には、自身の今後のキャリアを考える良い契機と捉
え実際に自分の人生と重ね合わせる方、何かしらのアクションを起こす方もい
らっしゃるのではと思います。しかし僕のような企業人事の立場で読みますと、
なかなかきつい内容に思えるんですよね。なぜならこの考えを自社にあてはめ
たらどうなるかを想像すると、現時点で会社に定着している様々な制度を、根
本から見直す必要に迫られるからです。

 日本では年金や少子高齢化の問題に対応するため、政府は2013年に定年を60
歳から65歳に引き上げる法整備を行い、その経過措置は2025年に終了すること
となっております。また2021年からは、さらに定年を70歳まで引き上げること
を努力目標としており、定年延長に関する動きはこれからも活発になることが
見込まれています。

 だけど、定年を延長すれば済む話かと言えば、決してそうではありません。

 “80歳現役”そして“人生のマルチステージ化”を前提とするならば、企業
は社員1人1人の人生観を尊重し、多様な生き方を認める会社になる必要があ
ります。そのために会社(というか人事)は、既存の制度を壊し、再構築する
必要が出てくる。

 たとえば給与の支給額をどうやって設定していくべきか、役職定年という制
度をどう扱うか、退職金は残したほうがいいのか否か、また副業を容認した後
やめる人間が続出しないかなどなど、特に年齢や勤続年数で給与が決まるよう
な会社にいる人事にとっては、正直、頭が痛い問題です。

 しかし80歳まで現役で活躍できる人づくりを会社が支援していかなければ、
いずれ義務付けられる高齢者雇用や、人手不足への対応などに困ることになり
ます。また、今の会社に安住し、何のアクションも起こさない40〜50代が一定
数いると、彼らは保身のため会社にしがみつくため、それこそ将来的にはリス
クにしかなりません。

 本書は、そんな人事の悩みをちゃんと理解してくださっているんですね。ラ
イフシフトの観点で社員に80歳現役を意識してもらい、それを高齢化社会にお
ける新たな福利厚生としていきましょう、そしてシニア社員を活性化させるこ
とで企業の生産性と魅力度の向上につながっていきましょうと、人事へのメッ
セージを優しく説いてくれるのです。

 最終章として記載されている『ライフシフト実践フレームワーク』では、自
身の過去の棚卸し、価値観の確認、セルフコーチング、未来年表の書き方など、
本書の内容を踏まえたうえでライフシフトを自分事として落とし込むワークが
掲載されています。読んでいて自分でやる以前に、社内研修でそのまま使えそ
うだなと考えてみたり。

 本書でも触れられているのですが、今後の日本には、高齢者が価値を生み出
すことに参画する社会づくり(ジェントロジー、というらしいです)の視点が
強く求められます。働き方を変える仕組みを作るのは、企業ならば人事の仕事。
しっかりと向き合っていかねばと身が引き締まる反面、給与規程が少し変わっ
ただけでウラに不利益変更でもあるんじゃないかとワァワァ騒ぐ社員を相手に、
この壮大な話をどうやって伝えていけば良いのか。ぶっちゃけ、それが問題笑


show-z
都内企業で働く人事担当者。千葉県在住。

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■献本読者書評のコーナー(応募要項)
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 この本の書評を書きたい!という方は、応募要項を御確認の上、ご連絡くだ
さい。

・ディアドラ・マスク 著神谷 栞里 訳『世界の「住所」の物語』原書房
 http://www.harashobo.co.jp/book/b525648.html

 参加ご希望の方(つまりは書評をご執筆いただく方)は、

・希望の書籍名:
・送付先ご住所・名前:
・筆名(あれば):
・書評アップ先の媒体予定:
・コメント:

 をご記入の上、下記までメールください。

 表題【読者書評参加希望】
 info@shohyoumaga.net

 皆さんのご応募、お待ちしております。

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 このコーナーの仕組みはとてもカンタンです。

1)まず、出版社の皆様より、献本を募ります。冊数は何冊でもOKです。下記
 まで御自由にお送り下さい。(著者の皆様からの直接の献本はご遠慮くださ
 い。かならず出版社からの献本をお願い致します。)

 〒142-0041 東京都品川区戸越5-4-3 アズ品川ビル4階
       ビズナレッジ株式会社内 [書評]のメルマガ 献本 係

2)このメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集します。
 先着ではなく、文章執筆実績と熱意優先で選ばせていただきます。(過去に
 執筆された文章などございましたら、合わせて御連絡ください。)

3)発行委員会はいただいたメールの中から、ピックアップし、献本いただいた
 本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に応募数が満たない場合
 には、60日後に古本屋に売却します。)

4)ちなみにここでいう書評というのは、当メルマガに掲載する記事ではありま
 せん。送付先御本人分のブログ、あるいはアマゾンや楽天などのオンライン
 書店でも結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。つまり
 は当メルマガではないどこかリンクのできる外部に書評をアップお願いしま
 す。(あまりにも短いものは書評とは呼べませんので、文字数の条件を設け
 ました。書評は500字以上でお願い致します。)

5)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

6)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。期日に間に合わない、あるいは書けないという場合、送
 料をご負担いただき、書籍を返送いただきます。

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■あとがき
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 寒くなってきて、またまたコロナの感染拡大の印象ですね。札幌の例を見て
いますと、密閉された人工的な空調の場所が感染拡大を招いている印象です。

 油断しないで対策したいですね。(あ)

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